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2024年のいちばん大きな満月は今夜【スーパームーン】科学博物館の学芸員が大きさや時間を解説

nan-nan 富山の情報

2024年のいちばん大きな満月は今夜【スーパームーン】科学博物館の学芸員が大きさや時間を解説

10月17日(木)は、2024年で地球からもっとも大きな満月を見られる「スーパームーン」です。

でも、どうして月の大きさが変わるか、知ってます?

いつ、どこを見ればいい?

どう見るともっと楽しめる?

 

富山市科学博物館 天文担当の学芸員に教えてもらいました。

そもそも“スーパームーン”って何?

スーパームーンという言葉に天文学的な定義があるわけではありませんが、近年は「1年のうちでもっとも大きく見える満月」という意味で使われることが多くなりました。

月が大きいのは地球にもっとも近づくため

月が地球の周りをぐるぐる回っていることはよく知られていますが、実はその軌道は円ではなく、少しつぶれた楕円です。そのため、地球との距離が近づく時と遠ざかる時があり、大きさも違って見えるのです。

 

地球からもっとも遠い時と近い時を比較すると、直径で14%ほども違うそう。明るさも3割増しで明るくなります。

ただし、満月の大きさは徐々に変わっていくため、肉眼でその大きさを実感することは難しいそう。正確に比較してみたい方は、同じ倍率・同じ画角の顕微鏡やカメラで継続的に観察するのがいいかもしれません。

 

2024年10月17日(木)のスーパームーンは、視直径33.4′、距離は35.737万kmです。地球1周が約4万kmなので、地球にもっとも近づくとは言え、とても遠い距離にあるのがよくわかります。

富山市の中心部で見えるのはいつ?


月の出は16:58~/月の入りは 明朝5:19

17日(木)の月の出は、富山市中心部のあたりで16:58。

ですが、実際には東に立山連峰があるので、見え始めるのはその約20分後の17:20ごろからです。

 

月の入りは、明朝5:19。こちらも西側に山があるため、もう少し早く見えなくなってしまいます。

西の空には紫金山・アトラス彗星も

ちなみに、今の季節は、紫金山・アトラス彗星が地球に接近しています。

もっとも接近したタイミングは過ぎてしまいましたが、17日(木)も条件が整えば肉眼で確認することができます。

 

富山県内で彗星が見られる時間帯は、夕方18:30ごろから1時間程度。西の方角、高さ15°くらいの空に注目してください。スーパームーンとの競演を楽しめるかもしれません。

富山でならではの“スーパームーン”の楽しみ方は?

2013年9月19日撮影「中秋の名月と剱岳」

2024年のスーパームーンは、月の出の時刻にはまだ空や地形が明るく見えそうです。そのため、月の出を撮影すると、山並みと一緒に撮影できる可能性があります。

 

特に、富山市中心部から見る場合、東に立山連峰があり、月はその山並みから昇ってくることになります。

上の写真は、2013年9月19日に撮影した中秋の名月ですが、名峰剱岳との共演は富山ならでは。県内では見る場所によって月が出てくる山が違います。場所を選べば、剱岳から昇る満月「パール剱」を愛でることもできます。

月の模様は何に見える?

満月の時はクレーターの凸凹した様子が見えないので、低倍率の望遠鏡や双眼鏡を使い、月全体を楽しみます。低倍率といっても約50倍。肉眼で見るのとは違い、明るくて大きな月の美しさにきっと驚くはず。

 

さて、満月の日に注目してほしいのは、月の模様です。

日本では「ウサギが餅つきをしている様子」とたとえられますが、ロバやカニ、吼えるライオン、髪の長い女性など、世界各地の国や地域によって見え方は違うようです。

先入観を持たずに見てみると、また違う姿が浮かびあがってくるかもしれません。

いつもは控えめ!満月の時だけ存在感を示すクレーターとは?

満月のころはクレーターの凸凹が見えないと言いましたが、実はひとつだけ目立つクレーターがあります。「ティコクレーター」という名前で、ミカンのヘタみたいなクレーターです。

 

これは比較的新しいもので、いつもは他のクレーターに比べて存在感が大きくありませんが、満月の時はそこから四方に線がのびた姿をしていて、たいへん目立つのが特徴です。ぜひ注目してみてください。

15年ぶりに土星の環がほぼ真横から見える

2024年は、スーパームーンのそばで輝く土星にも注目しましょう。

土星が月の西側に見えているはずです。

1時間ほど見続けると、だんだんと距離が離れていくのがわかるでしょう。これは、月が地球の周りをまわっていて距離が近いのに対して、土星は離れているため、見える位置がどんどん変わっていくからです。

そして、2024年は、土星の環を横から見ることができる15年ぶりの年でもあります。

図鑑などでよく見るように、串刺しの団子のような姿の土星を見ることができます。完全に真横から見えるときには環が見えなくなるので「環の消失」とも呼ばれますが、決して環が本当になくなるわけではありません。望遠鏡で見ると、とても細くにみえますよ。

 

ちなみに、土星の環は、土星の公転軌道面から26.7°傾いています。土星はその傾きを保ったまま、太陽のまわりを約30年かけて1周します。2024年はスーパームーンと土星の共演を見ることができる貴重な機会になりそうです。

写真提供:富山市科学博物館

記事編集:nan-nan編集部


【富山市科学博物館】
住所 富山県富山市西中野町1丁目8-31
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)

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