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横浜あおば玉田ガラス工房 大阪万博に作品出展 新原料で環境負荷低減

タウンニュース

工房の前に立つ玉田さんと風鈴の試作品

横浜あおば玉田ガラス工房(荏田西)のオーナー・玉田恭子さんが制作したガラス製の風鈴が、4月13日(日)から大阪で開催される「2025年大阪・関西万博」で展示される。ガラスの原料は(株)レブセル(都筑区)が開発した大気中の二酸化炭素をリサイクルする技術を活用したもの。玉田さんは「環境問題を考える上で大きな一歩となる原料」と期待を寄せる。

作品が展示されるのは、週替わりで400社を超える中小企業やスタートアップ企業が新技術や製品を披露する大阪ヘルスケアパビリオン内の「リボーンチャレンジ」ブース。(株)レブセルらが出展するブースに、同社が開発した技術で制作したガラス製品の一つとして、7月1日(火)から7日(月)まで展示される。

ブースでは同社が開発した大気中の二酸化炭素を回収する空気清浄機付き装置や玉田さんが制作した風鈴、他社のテーブルウェアや化粧品のビンなどを展示する。

風鈴の製造過程では、ガラスが溶ける温度や冷える温度、混ぜ合わせる色ガラスとの膨張率の差が重要となる。「原料の配分のレシピには気を使ったが、完成したガラスの使い勝手は普段使っているものと遜色なかった」と玉田さん。

レブセルの山本健二代表取締役には、ブース全体のディレクションも任された。玉田さんは「ガラス作品にはお客さんが触れないようにしないといけないなど制限もあるが、作品の魅力が最大限伝わるよう力を尽くしたい」と意気込む。

アメリカで武者修行

武蔵野美術大学で工芸工業デザインを学んだ玉田さん。卒業後にデザイナーとして働いたが、「やったことがないものに挑戦したい」と当時、日本で主流ではなかったガラスに目を付けた。

思い立って半年後にはガラスアートの最前線・アメリカに渡り、津々浦々の工房を訪問する旅に。「拙い英語で片っ端から”あなたの工房を見せて”と聞いて回った。1年の滞在のうち、ホテルに泊まったのは3日ほど。ほかは全部ホームステイさせてもらった」と快活な笑みを見せる。

帰国後に工房を立ち上げ、1998年に青葉区に移転。その行動力はガラスの溶解炉まで自作してしまうほど。以来、体験教室などを開きながら、アート作品、受注生産などを手がけてきた。

レブセルとの縁は、2023年のG7広島サミットから。山本代表取締役からの依頼で、同社のマスコットキャラクターの台座となる雪原をリサイクルガラスで制作し、会場で展示した。今回の万博でも同業者に声をかけ、環境負荷の低い原料を使用するという理念に共感する仲間を募った。

玉田さんは「環境問題について自分も参加できる貴重な機会になった。”何か自分にできることを”と考えることを大事にしていきたい」と思いを語った。

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