日銀 政策金利を0.5%に据え置き 藤井氏「据え置きは全然いいんですが、その理由が……」
3月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、日銀の政策金利据え置きに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「『世界経済を巡る不確実性がなければ(金利を)引き上げるんだ』というようなことを言わんばかりの内容ですよね」
日本銀行は19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0.5%程度に据え置くことを全会一致で決めた。決定会合後の記者会見で植田和男総裁は、米国のトランプ政権の高関税政策によって「前回1月の決定会合時点より世界経済を巡る不確実性が増している」と指摘。当面は米政権の動きを見極めながら、政策判断を行う考えを示した。
寺島アナ「日銀の政策金利据え置き、そしてこの動きですが、これは藤井さん、どうご覧になりますか?」
藤井氏「据え置きは全然いいんです、むしろ引き下げたっていいぐらいですから、引き上げなかったんでまだマシだって思っておりますが、その理由が『世界経済を巡る不確実性が増しているからだ』と。『日本経済の不調は理由ではない』ということですよね?『世界経済がしっかりと見渡せているのならば、下落していくということでも、しっかりと見渡せている状況ならば……』っていうことを言っているのかどうかわからないですけど『不確実性がなければ引き上げるんだ』というようなことを言わんばかりの内容ですよね」
寺島アナ「そうですねぇ」
藤井氏「それはなぜそんな判断になっているのかっていうことも、よくわからないところですよね」
利上げについては、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と述べ、従来通りの説明を行った。
寺島アナ「ですから、日銀としては色々と数字を見ながら『このままいけば(金利を)上げますよ』と。そういうことなんでしょうか?」
藤井氏「そういうことですね。だから『金利のある世界に戻していくのが僕たちの仕事であって、世界経済が不透明だから、まぁ据え置きました』ということですよね。めちゃくちゃな話ですよね。金利を上げるということが、お金を借りている人々にとっての増税のような働きをもたらすわけですよね。利払い費が増えるということになりますから。しかも、これからお金を借りる人に対しても、お金を借りた時の税金が増えるような効果を持ちますからね。だから、お金を借りる人が減ってくるということになりますよね」
寺島アナ「控えますよね」
藤井氏「これはもう僕が言うまでもないですけど、金利を引き上げるとそうやって投資金額っていうものが縮小することになるんですけども、『それはべつに全く構わないんだ』と言っているんですよね」