あなたは大丈夫!? モバイルバッテリーなど小型充電式電池の処分方法
モバイルバッテリー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、デジカメ、電動工具、電動自転車などなど私たちの生活のあらゆるところで使われている「小型充電式電池」。皆さんはこれらに使われているバッテリーをどのように処分していますか?
これらには「ニカド電池」、「ニッケル水素電池」、「リチウムイオン電池」などが使用されており、多くの自治体で回収しておりません。アルカリ電池やマンガン電池など「使い切り電池」は扱いが違うのでご注意ください。今回「小型充電式電池」のリサイクルを推進する団体「JBRC」に取材しまして、いろいろと教えていただきましたので一緒に学んでいきましょう!
メーカーには回収義務がある
そもそも小型充電式電池というのは、「資源有効利用促進法」によって小型充電式電池の電池メーカーとそれを使用する機器メーカー、そして輸入事業者には回収する義務があります。
「JBRC」では、回収の義務があるメーカーの委託を受けて、そのメーカー製の電池を回収している団体です。回収費用などは、各メーカーが会費で出し合っているという形になっています。
なぜ回収が必要なのかというと、もちろん「資源」になるということが一つ。もう一つは、小型充電式電池は破損や変形、圧縮により発煙・発火が起こり、一般ごみと混ざって捨てられた場合、清掃車やごみ処理施設で火災が起きる可能性があるからです。
バッテリー火災による被害は4年で111億円
①静岡県湖西市のごみ処理施設では去年5月、粉砕した不燃ごみを運ぶベルトコンベアで火災が発生しました。正しく分別されなかったリチウムイオン電池が原因とみられています。この火災で初期消火にあたった2人の職員が煙を吸って病院に運ばれたほか、復旧には数億円の費用が見込まれる事態となりました。
②去年6月、愛知県北名古屋市のごみ処理施設で、ごみをためる場所から火災が発生。火はおよそ2時間後に消し止められ、ケガ人はいませんでした。不燃ごみを細かく砕く過程でリチウムイオン電池などが発火したとみられるということです。
③去年11月、東京都江東区の粗大ゴミ破砕処理施設で砕かれた粗大ごみが発火し、火災が発生しました。東京23区の家庭から出る「粗大ごみ」を受け入れている唯一の施設で、仮復旧したのは今年3月。原因はコードレス掃除機などに含まれる充電池だということです。しかしこの施設ではその後も充電池による火災が起きています。
ごみ処理施設などでのリチウムイオンバッテリーの発火などによる被害額は2018年度から2022年の4年間で約111億円に達していて、年々増加傾向にあるということです。特にモバイルバッテリーや加熱式たばこが原因の火災が多くなっているそうです。リチウムイオンバッテリーには可燃式の電解液が使われているため、押しつぶしたり破断したりすると発火しやすいので絶対にごみ箱にポイっと捨てないように気を付けてください!
家電量販店などで回収
処分する際は、まずお住まいの自治体で回収しているのかどうか確認してみてください。例えば大阪市では、今年7月から訪問回収も行っています。ほかにも携帯電話のバッテリーは本体含めてキャリアの方でも回収してくれます。
もし回収していない場合は「JBRC」が会員メーカー製のものを無料回収しています。多くのメーカーが参加していますので、大手であればまず問題ないかと思いますが、ホームページで確認できますのでご覧になってみてください。
回収場所は「JBRC」の協力店です。ビックカメラやヤマダデンキなどの電器店、DCMなどのホームセンター、自治体など全国に2万店以上あります。こちらも「JBRC」のホームページで確認できます。
捨てる際は、電池切れになるまで使用するのと、電池の金属端子部をテープで絶縁してから出すようにしてください。また会員メーカー以外の製品や、メーカーが不明な製品、破損・解体された電池、水濡れや膨張した電池、機器に内蔵された電池など、回収対象外となりますのでご注意ください。
JBRCで回収できないものについては製造メーカーや輸入元メーカー、もしくはお住まいの自治体に問い合わせてください。膨らんだバッテリーは処分が大変になりますので、そうなる前に処分するのがおすすめです。
そろそろ年末も近づいてきていますし、ご自宅にあるバッテリーの処分に困っていたら、参考にしてみて下さい!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)