藤沢湘南台病院 50年間の歴史に感謝込め 「2号館ありがとう祭」に人・人・人
半世紀にわたり地域医療の中核を担ってきた藤沢湘南台病院(高倉)の2号館が解体されるのを前に、同院は26日、「ありがとう祭」と銘打ったイベントを行った。
1974(昭和49)年に竣工した2号館。老朽化に伴い、同院は建て替えを決断したが、これまでの歴史に感謝し、地域住民らとの絆を深めようと、鈴木紳祐副院長が中心となり解体前に交流イベントを企画した。
当日は開催時間前にもかかわらず、2号館入口付近には参加者が長蛇の列をなしていた。これまでイベント準備に奔走した社会福祉士の小原由里さんは「こんなにたくさんの人が来てくれるなんて」と感極まっていた。
冒頭、あいさつに立った熊切寛病院長は「2号館は長後のまちを見守り続けてきたランドマーク。皆さんと一緒に別れを告げると共に、今後も地域のために時代に沿った医療を展開していきたい」と述べた。その後、熊切病院長は片手に塗料を塗り、2号館の壁に描かれた木の幹に花に見立てた手形を押した。
参加者もそれに続いたり、絵を描いたり、感謝のメッセージを書いたりしたほか、白衣に身を包んで写真撮影をするなどして楽しんでいた。家族連れで参加した女性(67歳・湘南台在住)は「先週まで入院していた。母や娘、孫も4世代でお世話になった2号館。どんな新しい病院になるのか見てみたい」と笑った。
2号館にあった療養病棟と回復リハビリ病棟の機能は、敷地内に移設。解体は2月中旬から始まり、新館は3〜4年後に完成予定という。