心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは?【心の不調がみるみるよくなる本】
主な不安障害の種類 ④ 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
大規模災害や犯罪・事故などの後に発症
専門家が使用する基準では、「実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など」を自身が体験する、あるいは家族や友人が体験しているのを目撃することなどによって受ける大きな心の傷を「トラウマ」と定義しています。
PTSD患者の人は、その「トラウマ」の原因となったできごとを、本人の意思とかかわりなく「再体験」します。これは「思い出す」といった程度のものではなく、あたかも現在の感情や感覚のようにあらわれます。これを「侵入症状」といいます。
侵入症状に対し、トラウマにかかわりそうな場所・物・人・映像などあらゆる刺激を避けようとする「回避・麻痺症状」や、常にトラウマの原因状態が起こることに備えて警戒や緊張を続ける「覚醒亢進症状」が起こる場合もあります。この状態で受診や治療をせずに放置していると、患者は、引きこもりやアルコール依存症になったり、周囲への攻撃を激しくしたりするなどして、社会生活が破綻してしまうのです。
【出典】『心の不調がみるみるよくなる本』ゆうきゆう:監修