世田谷区が取り組んできた「5%改革」とは?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、6月18日の放送に保坂展人・世田谷区長が出演。2011年に初当選を果たし、現在4期目を務めている保坂区長が、今年発売した著書『国より先に、やりました 「5%改革」で暮らしがよくなる』にちなみ、自身の行なってきた改革を語った。
大竹まこと「(世田谷区長として)もう4期」
保坂展人「東日本大震災の原発事故がガラッと価値観が変わって。区長がすごく大事だな、ということで2011年4月に初当選でした」
大竹「変な言い方ですけど、4回選挙をちゃんとやって、選ばれたということですね」
保坂「はい、オモテから(笑)」
大竹「区長というお仕事は、もちろん区民を大事にするんですけど。区の場合はその上に都が、都の上に国がある。という関係性の中で区政をしていかなければいけない」
保坂「そうですね。私は国会議員も3期やっているので、国と区はフラットな、対等な関係だと思っているんです。だけど区長になってみると、国会で議論した児童虐待防止法とか、そういった子供たちの権利を保障しよう、というのは、『言葉』ですよね。(いまは)『現場』ですから」
大竹「なるほど」
保坂「児童相談所も8年かけてつくりました。180人ぐらいの人が働いて、いま稼働しているんですが、それを設計していく、という仕事は政治家の面もあるし実務家的な面もあって」
小島慶子「人の暮らしに直結していますもんね」
保坂「そうなんです。そういう意味で、政策がしっかりしたものであれば、やれることの幅が広い。同じ政治家であっても。首長はやりがいのある仕事だと思っています」
大竹「今度の御本は『国より先に、やりました「5%改革」で暮らしがよくなる』。ここにはどういった意味が?」
保坂「初当選したときは投票日の19日前に名乗りを上げたんですね。いきなり電撃的に当選をしました。なので全部ひっくり返すような揉め事が起きるんじゃないか、と、区の職員たちも非常に堅くなった、というのがなんとなくわかりました」
小島「毛色の変わったのが来たぞ、と」
保坂「95%は行政って継続だと。だから自信をもってしっかり正確にきちんとお金を届けたり、いただいたりしてください、と。ただ100%同じでは流れる水も淀んでしまうので、5%は大胆に変えましょう、と言ったら世田谷区の職員たちは皆ホッとしたんですね。応援してくれた人たちは95%を変えるんじゃなかったのか、とガックリしたのはあるんですが」
大竹「なるほど」
保坂「僕の心の中では毎年5%ずつ変えていけば何年か経つと相当変わるぞ、と。もうひとつは民主党政権の陥った……失敗というか、ガラッと変える、100%だ、と言ってコケた、みたいなことはしたくないと思って。じっくりと螺旋階段を昇るように、ときには下るかもしれないけど気が付いたら昇っている、というような。段々変えるというところを現実的に手法としてとったほうが、実がある改革ができるんじゃないか、と思いました」