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【7月12日仙台公演開催!】ACIDMAN・大木伸夫ライブ直前独占インタビュー

日刊せんだいタウン情報S-style

日本のスリーピースバンドの重鎮・ACIDMAN(アシッドマン)。来たる7月12日、『トークネットホール仙台』で単独ライブが行われることに先駆け、ボーカル&ギターの大木伸夫(おおきのぶお)さんが来仙。編集部がインタビューを行いました。

ACIDMANの大木伸夫さん(Vocal Guitar​)

インタビューでお話をうかがうのは久しぶりですね。ACIDMANの皆さんは、毎年3月11日に福島でワンマンライブを開催されています。きっかけは?

大木僕たちが世に出るきっかけを作ってくれた「NomadicRecords」というインディーズレーベルがあるんです。その代表である平山 勉さんが地元・福島で被災されて、被災状況や原発事故などいろいろと情報をいただきました。当時僕は福島の原発エネルギーを東京で使っていることすら知らずに、自由に電気を使っていたんです。その当時避難されている何万人もの方たち、震災で被害に遭われた方たちになにかをしたい気持ちはあるけれど、どこか他人事のように思ってしまっている。それでもなにかできないかなと考えていた時に、3.11は東北に暮らす方たちにとっては辛い1日だけど、その1日を音楽の力でほんのちょっといい1日にできないかなと。せめてライブ会場には楽しみがある、それを続けることによって、楽しみになるんじゃないかなと考えたんです。微々たるものですが、収益を全額寄付するかたちで開催させてもらっています。

福島の皆さんだけではないですが、3月11日って色々思うところがある。でも、ACIDMANファンの皆さんは、3月11日を楽しみにしてる、またはすごく 救われるみたいな話しているということを福島の友人から聞いたことがあります。なるほど、きっかけがしっかりあったんですね。

大木平山さんとは、線量計を持って、毎回ライブの翌日に原発の近くまで行っていました。最初の頃は今よりもかなり手前まで立ち入り禁止区域でしたが、回を重ねれば重ねるほど、どんどん奥まで行けるようになる。原発のリアルな怖さも感じましたが、同時に復興している人間の素晴らしいところや強さも知れました。同じ人間が原子力という目には見えないけれど、とても大きなパワーを作り出して、それはすごく有効的ではあるが、やっぱり表と裏があって、ともすればとても危ないもの。事故が起きて、まだ廃炉や中間処理、最終処理場といった問題は全部クリアになっていないけれど、町としてはどんどん線量が減っている。人間の怖さも、強さも同時に知れる場所だと思います。

なるほど。今年の3.11のライブはどうでしたか。

大木なんだか毎年とても楽しみになってきています。第二のふるさと、とまで言ってしまうと大袈裟かもしれませんが、行き慣れた場所ですね。ファンの方もわかってくれているから毎年ソールドアウトしている。それもうれしいし、ここ数年は深刻な気持ちにならずに楽しくライブができています。

先ほど二面性という話もありましたが、今年3月にリリースされたシングル「白と黒」は、まさに人間の二面性を歌っていますね。

大木WOWOWとテレビ東京で共同制作しているドラマ「ダブルチート 偽りの警官Season1」の主題歌、というオファーをいただいて書いた曲です。台本を読ませてもらった時のオーダーは、僕たちの「FREE STAR」(6th Album『LIFE』収録)という楽曲のようなイメージでした。ドラマ自体は警察官が“詐欺師を騙す詐欺師”になるお話。人間の闇の部分とか、シリアスな要素もありました。台本を読んでいくうちに、ただ明るいだけじゃないほうがいいなと思い、曲のストックが僕の中にあったので、そちらをご提案したんです。ドラマに寄り添って曲を選んで、歌詞に関しては、半分くらいドラマに寄り添った内容にしました。ただ、まだ絶賛撮影中で実際の映像を見られるわけではなかったので、なんとなく想像しながら、いろいろと考えながら制作しました。

前作の「輝けるもの」とは打って変わって印象が違いますし、ブラス隊も新鮮でした。

大木前作のシンプルでハードな曲が続くのはつまらないかなと。僕らとしても、このドラマを機にACIDMANを知ってくれる方もいると思っています。いろんな面を持っていて、ある種捉えどころのない風に見せるのが好きなので、いろんな側面を見せられたらなと思いました。ブラス隊を入れる構想は、最初から頭の中にありました。MVで「SOIL&“PIMP”SESSIONS」のタブゾンビ君がトランペットを吹いてくれているようなイメージもあったので。最初にメンバーに聞かせたデモには入れていませんでしたが、提案には賛同してくれました。タブゾンビくんとは家がご近所ということもあり、仲良くさせてもらっています。彼も意外と宇宙が好きだったりしますしね。前回のアルバム『INNOCENCE』の最後の曲「ファンファーレ」でもトランペットを吹いてもらいましたが、今回はその時よりもがっつりとやってもらいました。

歌詞については、人間を立体的に描いたような印象ですが、ドラマの内容を意識されたんですか。

大木そうですね。僕のアイデンティティも含めていますが、ドラマに描かれている白なのか黒なのかわからない、片方から見れば合っているかもしれないし、間違っているかもしれない。だけど結局僕らは生きていくしかない。生きるなら、綺麗事だろうがなんだろうが伝え続けていく方が表現者としては健全なのかなと思って。だけど、この世界は綺麗なだけではない。ドラマでも「この世界も壊れてるんだ」というセリフが出てきます。だから“壊れかけの世界”だとか、そういうワードを混ぜ込んでいます。撮影現場には1度だけおじゃましました。(向井さんは)顔がこんなに(手で丸を作って)小さかったです。ほんとに。ほんとなんです。びっくりしました。こんな人間いるんだなっていうぐらい(笑)。

(笑)。大木さんはさまざまな分野で精力的に活動されていますが、今後取り組みたいことはありますか?

大木音楽以外だと、今、動画ポータルサイト「Travel TV」と「AuDee」で「ACIDMAN大木と科学者たち」という、天文学者や科学者の方たちと対談する番組をやらせてもらっているので、そういうのはどんどん充実させたいですね。音楽関係だと、昔から身近な明確な目標をいつも立てるんですけど、大きな意味ではやはりいい曲を書いて、いいライブをやって、この人生をずっとこういう風に過ごしていく、というのが1番の目標です。

そしてライブツアーがスタート。ツアータイトルの「ゴールデンセットリスト」は前作「輝けるもの」が主題歌となった映画『ゴールデンカムイ』にちなんでのネーミングですね。

大木そうなんです。「ゴールデンカムイだから『ゴールデンセットリスト』とかいいんじゃない」というレーベルの代表のアイデアです。“金”をテーマにしたらツアーが成り立つしおもしろいなと。あんまり言うとネタバレになってしまうので控えますが、“金”がテーマのライブツアーです。

7月12日(金)に仙台に来ていただけるのも楽しみです。。仙台の印象はいかがでしょうか。

大木仙台はまず、おいしいものが多いですね。あと、キャッチーでわかりやすいお土産が多いと思います。

最後に、ライブツアーの仙台公演を楽しみにしている方たちに、ひと言お願いします。

大木新旧織り混ぜたセットリストで、かなりレアな楽曲もやる予定です。最近ファンになってくれた方はもちろん、昔からずっと聞いてくれている方でも、いろんな感情になれると思っています。あと、MCでは宇宙の話は相変わらずしていますので、 ぜひそれを楽しみにしてきてください。

ACIDMAN LIVE TOUR“ゴールデンセットリスト”
開催/7月12日(金)開場18:00、開演19:00
会場/トークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホール
料金/A席6600円、A席学割4400円※未就学児無料
問い/GIP(https://www.gip-web.co.jp/t/info)

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