「一流は、休み方も一流」年末年始の9連休にやっておいた方がいいこと【トップビジネスパーソンに聞く】
2024年の年末年始は、多くの人にとって、12/28〜1/5までの、9連休が予定されているでしょう。
やったぜ!遊ぶぜ!飲むぜ!寝るぜ!でもいいのですが、せっかくの長期休暇である年末年始の過ごし方は、「いつもの連休の過ごし方」だけではちょっと寂しい気もします。
辣腕コンサルタントだった知人はよく、「一流は、休み方も一流だ」と言っていました。実際、長期休暇をどのように過ごすかは、翌年の仕事の成果やキャリアの方向性に大きく影響を与えることがあります。
では「一流の休み方」とは、どんなものなのでしょうか?
__
今回は、12年間経営コンサルティングに従事し、WEBメディアの運営支援、記事執筆などを行うティネクト株式会社の代表、安達裕哉さんに、「年末年始の9連休にやっておいた方がいいこと」について伺いました。
「一流の休み方」とは、どんなものなのでしょうか?それは、一言で言えば「目標志向」と言えます。わかりやすく言えば、 「何のために時間を取って休む?」について、答えを持っている のです。
いや、わかってます。
仕事から離れてまで、そんなことを考えたくない、目的とか目標とか言うなよ、と。
でも、本当にそのほうがいいのでしょうか?
「頭を空っぽにしたい」ならばともかく、単にだらだらと寝て食って終わりでは、休みが終わった後、強烈な後悔が襲ってくると思いませんか?
「そういうのが人間でしょ」
という方もいると思いますので、それはそれでいいと思います。
でも、休みの後に後悔することが多いなら、この記事が役に立つかもしれません。
目標1. 積読(つんどく)の解消
年末年始は、まとまった時間を確保しやすいので、普段忙しくて読めなかった本を読む絶好の機会です。
「買ったけど読んでない」という本、溜まってませんか?
普段から気になっていた本や、友人や同僚から勧められた本をリストアップしてみてください。そして1日でいいので「気合を入れて本を読む」日を作ります。
私は年末年始、特に街が穏やかになってきた年末の28日~30日の間に、家ではなくあえて街にでて朝から本を読むことがあります。
多少寒いですが、温かいコーヒーを手にして、いつもとは違う人通りの少ない街並みを見ながら本を読むと、とても贅沢な気持ちになりますよ。
目標2. 挨拶回りをして、大切な人間関係を継続しよう
そして年末年始は、普段忙しさにかまけて、時間を取っていなかった大切な人たちとコンタクトを取る時期でもあります。
クリスマス以前は仕事関係の人たちと、クリスマスを超えたら、家族や親戚だけではなく、旧友や学友などに、声をかけてみてください。
大体において、普段の交友関係は目先の会議、案件、営業に限られています。 「敢えて」行動しなければ、どんどん人間関係は細っていきます。
でも、普段は相手も忙しいもの。なかなか声をかけづらいですよね。
年末年始は、そんな日常から解放される、しかも「みんなが同時に」解放されるのです。
これを生かさない手はありません。
会いたくても会えなかった相手に、声をかけてみませんか?
あるいは、贈り物や何かを届けるだけでもいいのです。
私は「お歳暮」という習慣を、それなりの合理性のある慣習だと思っていますが、習わしに従ってみるのも良いと思います。
そんなことから、やり取りが復活することもあるのですから。
目標3. 普段と違う事をしてストレスを解消しよう
言うまでもありませんが、年末年始は、日常のストレスを解消し、リフレッシュするための絶好の機会です。
オーソドックスな手段としては旅行や帰省がありますが、例えば運動、あるいは趣味に没頭すること、ゲームでも釣りでも公園で遊ぶだけでも良いかもしれません。
何かいつもと違う事をするだけで、心身のリフレッシュを図ることができます。
「楽しい時は早く過ぎる」と思う方も多いかもしれませんが、意外にも年末年始に 「普段と違ったことをする」と、むしろ休みを長く感じる ことができます。
飲んで、食って、寝てだと、9日の休みもあっという間に終わります。
休みの時こそ、早起きして、予定を入れて、違う事をする と良いと思いますよ。
目標4. キャリアの棚卸しをして、新しい目標をつくろう
「一年の計は元旦にあり」ということわざがあります。
これは一年の始まりだから、計画をつくろうよ、目標を立てようよ、という解釈もできますが、私は 「仕事を休まないと、目標とかしっかり考えないよね」 という解釈をしています。
実際、普段は「新しいことを始めよう」という気になるかと言えば、忙しいし、疲れているし、「そんなことやってらんねー」と思うのが普通ではないかと思います。
でも、当然キャリアの停滞を防ぐには、どこかでチャレンジをはさんだり、仕事に変化をもたせないといけません。
それを計画するのは断然「年末年始」が最適です。
ゴールデンウイークや夏休みも長期休暇という点では同じですが、年始の落ち着いた気分は、改めてキャリアを考えるのに最適です。今年はどうしたい、こんな変化を持たせたい、など 普段、漠然と考えていることを言語化 してみませんか。
目標5. お金の話をまじめに考えよう
そして最後に。年始は「お金」の話をまじめに考える時でもあります。
年末にもらったボーナスの使途を想像し、お年玉を子供や親戚の小さい子たちにあげつつ、資産形成やライフスタイルについて考えてみませんか。
とくに、年始はNISAの枠がリセットされて、多くの人が投資に興味を持つ時期でもありますから、金融関係の情報がたくさんWEB上にでてきます。
保険の見直しや、積み立ての開始、子供の学費の計画、住宅ローンの借り換え……時間がないときには面倒で考えることを避けていた様々なお金の話をするのに、これほど最適な時はありません。
パートナーがいれば、一緒に休みが取れるでしょうから、 先送りしていたお金の話をちゃんとする機会 でもあります。
ぜひ一日とって、お金の話を考えてみることを強くお勧めします。
年末年始は長期休暇の中でも、やっぱり特別です。
大きなイベントである、クリスマスとお正月の2つがいっぺんにやってくる、ということで皆の心も浮いているからかもしれません。
だからこそ、この過ごし方が充実しているかどうかは、生活のクオリティに結構な影響があると思うのです。
ぜひ、良い年末年始を!
プロフィール
安達裕哉
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。 品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。 大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。
現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」および生成AIコンサルティング会社「ワークワンダース」 の代表として、コンサルティング、webメディアの運営、記事執筆などを行う。
代表著書
『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること(日本実業出版社)』
『頭のいい人が話す前に考えていること(ダイヤモンド社)』
X(旧Twitter)
安達裕哉