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指揮・原田慶太楼にインタビュー 大みそかと元日に行う、ザ・シンフォニーホールでの特別な演奏会への思い

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(左から)『ジルベスターコンサート 2025』『ニューイヤーコンサート 2026』

大みそかと元日。ザ・シンフォニーホールでの特別な2日間を彩るのは、原田慶太楼指揮の日本センチュリー交響楽団だ。キーワードは「物語」。この時期ならではのヨハン・シュトラウスに加え、オペラやミュージカル、映画音楽など、誰もがどこかで聴いたことのある名曲が奏でられる。そんな演奏会に豪華ソリストと臨む原田に思いを尋ねた。

25年を振り返り、26年に向かって新しい気持ちになっていただけたら

ーージルベスターとニューイヤー、ともにソリストが豪華ですね。

服部百音さんとは、何度も共演を重ねてきました。あえて演奏機会の少ない作品に多く取り組んできました。彼女は日本人の若手女性ヴァイオリニストの中でも、今いちばんいい状態にあり、攻めるタイプです。常に自身の限界を追求していると感じます。彼女の演奏スタイルとヴァイオリンという楽器の個性がとてもよく合っていて、彼女にしか出せない音が出ています。今回はジルベスターということで定番は踏まえるのですが、「変化球が一つ、あった方がいいよね」と話し合い、彼女の提案でピアソラを演奏することになりました。サラサーテについても、単にコンサートホールで演奏をするというだけでなく、特別感のある楽しい仕掛けを考えています。

ーー元日から清塚信也さんが登場します。

テレビでも活躍するスーパーエンターテイナーの彼とは、だいたい年に2〜3回、最低でも1回は顔を合わせています。彼のいちばん好きなところは、私と同じくロシアで音楽を勉強したので、音楽の作り方だったり、音のコンセプトだったりが似ていて、原点を共有しているところです。ステージ上でも、あうんの呼吸で演奏できます。今回、定番中の定番、ラフマニノフの「第2番」などを取り上げます。彼との「ラプソディー・イン・ブルー」は特別です。本番中も目と目で“会話”をしながら、自由気ままで瞬間的なアドリブで、まさに2026年元日にしか聴けない「ラプソディー・イン・ブルー」となるに違いありません。聴き逃してはいけませんね。

ーーどのような演奏会にしたいと考えていますか。

オーケストラの演奏会で2日、3日と連続して同じ演目を演奏するのはよくありますが、2日間で計20曲近く、異なるプログラムで臨むのは珍しく、とても楽しみにしています。「ど・クラシック」な演目ではないこともあり、新鮮な気持ちで臨めるかと思います。私が指揮するコンサートなので、絶対堅苦しくはなりません。リラックスして、楽しい時間を過ごしていただける空気感を作りたいと思っています。

ーー最後に聴衆の皆様へのメッセージを。

これまで日付変更線をまたぐ日米間の移動で元日がほとんどなかったり、大晦日が40時間くらい続いて、なかなか1年が終わらなかったりする年越しなども経験しました。私は日本での伝統的な年越しが好きです。大阪は人が温かく、食べ物もおいしい。今回、人生で初めて、大阪で年越しを迎えることを心待ちにしています。美しいメロディーのオンパレードとなる2日間。共に足を運んでいただいて、25年を振り返り、26年に向かって新しい気持ちになっていただけたら

取材・文:最上聡

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