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【東京・立川】テーブルに描かれるパティスリーの朝。「エミリーフローゲ」

CAKE.TOKYO

illustration by まるやまひとみ

パティシエの朝は早い。まだ人も街も目覚めていない早朝に出勤し、準備をする。

朝のシンとした空気、暗がりの神秘的な景色。

早起きしなければ得られない風景と研ぎ澄まされた感覚は、朝にこそあるもの。まだ何にも染まっていないフラットな舌でスイーツを味わって欲しい。

そんな想いから、「パティスリーならではのモーニング」は動き出した。

CAKE.TOKYO編集部

人を思い、日常に寄り添う

コンコースから地上へ。人通りが少なく落ち着いた雰囲気。

1975年創業のコーヒーショップ「CAFE KLIMT(キャフェ クリムト)」の姉妹店として1980年にオープンした「Emilie Floge(エミリーフローゲ)」は、フランスのクラシカルなスイーツが並ぶパティスリー。

立川駅北口から徒歩2分の立地と住み良い環境で、地域の人々から愛され続けている。奥のカフェではケーキだけでなくランチも提供し、パティスリーならではの特別なひとときを演出する。

2月末にはモーニングスタートに先駆け、試食会を実施。抽選で選ばれた参加者の声を受けてより満足度の高い内容へとブラッシュアップし、2025年4月1日から本格スタートを切った。

暖かい時期はテラス席も開放。

奥行きのある店内は席の間隔がゆったり。モーニングは予約制で人数を制限しているので、気兼ねなくくつろげる。

優雅な時間を独り占めしたい人、大切な人と味わいたい人。ベビーカーでの入店が可能なので、親子でのんびり過ごすこともできる。

厨房にあたるアトリエはお客さんから作業の様子が見える設計に。地元の食材を取り入れた生菓子や焼き菓子が次から次へと並んでいく。

開店前に働く人々のリアルな姿を見られるのも貴重だ。

人気のフィナンシェに、ボトル入りのクッキーなど。

オーソドックスなラインナップだが、こだわりの素材と創造性、お客さんにワクワク感を与える高い技術と秘められたストーリーが込められている。

モーニングにもパティシエが本場フランスでの思い出や日常で感じたことが体現されているので、味わいながら想像してほしい。

忙しい毎日をこの日だけは忘れて、この瞬間にしかない特別な朝で一日を始めてみよう。

自分をとことん甘やかすスイートなモーニング(イラストあり)

illustration by まるやまひとみ

今回いただいたのは

●パティシエと直接話せるモーニング ¥2,850(税込)

内容はこちら。

・ホットチョコレート ~パティシエのフランスでの思い出の一品~

・クレームダンジュ ~季節のフルーツに生ハムを添えた、作りたての美味しさをどうぞ~

・立川産烏骨鶏のクロックマダム ~立川産の烏骨鶏を使った栄養満点の一皿~

・レモンクリームのミルフイユ ~パティシエが目の前で仕上げます~

・お飲み物

これらがコース仕立てで順に運ばれる。

その一皿一皿をパティシエが直前に仕上げふるまってくれるのだ。

エスプレッソサイズのホットチョコレート。

フランスに訪れた際に飲んだホットチョコレートに感動した思い出を溶け込ませて。

高カカオチョコレートのビターな味わいにほのかに効かせたシナモンが深みを添える一杯。

じんわりと胃を温め、物語の始まりを告げる。

絶妙に計算されたバランスのクレームダンジュ。

塩気のある薄焼きクッキーに、メレンゲで軽さを出したクレームダンジュ、季節のフルーツとしてデコポンを添え、生ハムの旨味をアクセントにしたアミューズ。

甘さだけでなく、フルーティーな香りと塩味で驚くほど奥行きのあるひと口だ。フレッシュなおいしさに体がどんどん目覚めていく。

ひと皿ひと皿、抜群のタイミングで仕上げる。

食欲が増したところで登場するのがクロックマダム。

お店で焼いた自家製食パンに厳選素材をふんだんに重ね、表面をバーナーでこんがり炙る。

しっかりとした味付けのクロックマダムに合わせ、サラダはフランス産のビネガーとオリーブオイルを和えるのみ。おかげで最後までしつこさを感じない。

オレンジ色に輝く卵黄が濃厚さを物語る。

栄養価の高い烏骨鶏はやや小ぶりの卵だが、その分コクと旨味が濃く、ボリュームのあるクロックマダムに最適だ。卵白はしっかりと固まっているのに、卵黄は見事な火通りでとろけ出す。

「ぶどうマスタード」を使っているのも個性的だ。

とろけるチーズと卵が絡み合い、酸味の中にも甘味のあるマスタードがまろやかさを与える。ハムの食べ応えとサクサクの焼き目が折り重なるコントラストも楽しい。

リーンな食パンが素材のおいしさを吸い込んで、口いっぱいに味わいを広げる。

野菜のみずみずしさもあいまって食が進む。

こちらのクロックマダムは食パンが1枚でオープンサンドのようになっている。満足感はあるがこのあとに余力を残せるちょうどいいボリュームが嬉しい。

デザートで終わらせない、メインディッシュとしてのケーキ

未完成でサーブされたミルフイユ。

モーニングを締めくくるのは、デザートではなくメインディッシュ。モーニングのために焼かれた専用のパイ生地は、空気を含んだふんわりとした食感。

食感が出るよう粗めのグラニュー糖をまぶして焼き、表面はキャラメリゼされたような状態に。間にレモンクリームをはさみ、ここまでの状態でテーブルに運ばれてくる。

ゆっくりと滑り落ちるフレッシュな生クリーム。

パティシエがテーブルをまわり、ケーキを完成させていく。

ぽとりと落とされた生クリームは白さが際立ち、ミルフイユをより美しく立体的に魅せる。

最後にレモンの皮を削ると一気に爽やかな香りが広がる。

物腰柔らかなパティシエの表情がキリッと変わる瞬間。その鋭い眼差しから、一皿に込められた想いの深さが伝わってくる。

シンプルで繊細、だけど深く心に残るおいしさ。

ミルフイユはナイフとフォークを使い奥に倒して切りながらいただくと食べやすいが、どこからどう食べようかなかなか迷うところ。

そんなお客さんたちに「ザクザクと切って、混ぜながら食べてもいいですよ」と言うパティシエの一言が安心感を与え、一気に和やかに。堅苦しくなく、周囲を気にせずに食べられるのもこのモーニングだからこそ。

レモンのみずみずしい香りがなんとも爽やか。口の中を駆けめぐる生地の香ばしさと華やかなバニラが心地いい。

舌の上で酸味が甘味へと移り、バターやクリームのコクと交わりながら溶け広がる。幸福を余すことなく味わえる最高の締めくくり。

コーヒー豆は姉妹店「キャフェクリムト」と同じ豆を使用。

飲み物はコーヒーをチョイス。紅茶だとポットサービスになっていてたっぷりいただける。

コーヒーはイタリアのミシェラドーロの豆を使用し、キレのある深い味わい。じっくりと余韻にひたるのにぴったりだ。

パティシエに直接感想を伝えられるところも魅力。自然と会話が生まれる雰囲気を作り出してくれるのが嬉しい。

満たされた心をケーキと一緒にお持ち帰り

ショーケースに並ぶと美しさが一層際立つ。

人気のミルフィーユに定番のチョコレートケーキ、他ではあまり見かけないパリブレストまで。 店頭で販売されている「ミルフィーユ」は、モーニングのものとは異なり、生地の空気を抜き、しっかりと焼き込んだ密度の高いパイ仕立てなので、また違ったおいしさを楽しむことができる。

この日から春の新商品として登場した「パンプルムース」。ピンクグレープフルーツの鮮やかな色と甘酸っぱさを、真っ白なムースとクレームシャンティで挟んだ目にも麗しいケーキだ。

積み上がった「焼きたてフィナンシェ」はまさに金塊の輝き。

エミリーフローゲを代表するお菓子とも言えるフィナンシェ。日持ちのする通常のフィナンシェもあるが、焼きたてで提供される「焼きたてフィナンシェ」はとくにおすすめ。

スタンダードの「ブーレ」をはじめ、季節ごとに変わるフレーバーなど数種類が並ぶ。4月からの「焼きたてフィナンシェ」はさらにおいしく改良されたとのこと。

消費期限は当日なので、できるだけ早くにお召し上がりを。中身こそシンプルだが、上質な素材と職人技が生み出す極上の味を堪能できる。カリッとした表面と、ジュワッと染み出す旨味に思わず唸ってしまう。

テイクアウトした焼きたてフィナンシェとパンプルムース

ライブ感のある演出は感動を生み、至福の時間をさらに特別なものにする。

スイーツに始まりスイーツに終わるパティスリーらしいモーニングを堪能したあとは、昭和記念公園やグリーンスプリングスを散歩したり、商業施設でショッピングを楽しむのもいい。

早起きすると1日が長くなり充実度が高まる。朝の穏やかな雰囲気を楽しみに、ぜひ足を運んでみてほしい。

モーニングは予約制なのでSNSで早めにチェックを。

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