<嘘つき夫を許さナイ>誠実な夫が「キャバクラ行ってない」あやしい……嘘ついたよね?【まんが】
私はマヤ。夫のサトシと4歳の息子であるノゾムと一緒に暮らしています。私は嘘をつかれることや約束を破られることが大嫌い。しかしサトシはとても誠実な人で、そんな心配には及びません。私はサトシのそんなところが好きで結婚しました。サトシのおかげでずっと幸せな生活を続けています。しかしある日、サトシの嘘が発覚してしまったのです。私は今まで積み重ねてきた信頼がすべて壊れていくような感覚を味わいました……。
さてそんなある日、サトシが飲み会から帰ってきました。
「上司につかまっちゃって、二次会まで行ってきたんだ」というサトシ。二次会ってまさか、夜のお店にいったの!? と私が聞くと……。
「そんなお店行ってないから大丈夫! 心配しなくていいよ」
そう言うとサトシはお風呂へ行ってしまいました。しかし私はなんだかモヤモヤ……。サトシがお風呂に入ったすきに、スマホを見てみました。
前にサトシに教えてもらったパスワードを入力すると、スマホはすんなり開きました。 写真やLINEを見てみましたが、特に気になるところもありません。 気のせいか……よかった。そう安心した矢先……スマホが震えます。上司からLINEがきたようです。思わず開いてみると、そこにはとんでもないメッセージがありました。 私はスマホを持って詰め寄りました。サトシは観念したように話し出しました。
サトシの一番いいところは誠実さ。 「サトシに限って嘘なんて」と思っていたのです。 それなのに夜のお店には行っていないだなんて嘘をついて……。 私はものすごく失望してしまいました。 サトシの正直なところが好きで結婚した私としては、結婚詐欺に遭った気分です。 嘘をつく父親なんて、子どもの教育にも悪いはず。 一緒にいないほうがいいでしょう。 もうこれは離婚案件です。 私は幸せから不幸のどん底に突き落とされてしまいました。
嘘つく父親がトラウマ「息子には同じ思いをさせたくないッ!」
私がここまで嘘を嫌う原因は……私の父です。私の両親は離婚しています。 「嘘をつく」「約束を守らない」という父の癖が離婚の原因だったようです。
ある日も……。 「マヤ! 明日遊園地に行こうか! いやいや今回は本当! 一緒に行こうな?」 と私を散々喜ばせておいた翌朝、私は父を起こしにいきました。
父は私が起こしてもずっと寝ていました。母が言うには、昨晩私が寝たあとに深酒したそうで……結局父は起きず、ガッカリしていた私を母がおでかけに連れて行ってくれました。 そんなことがあった夜。私が寝ていると、父と母がケンカしている声が聞こえました。 どうやら父は、仕事も辞めていたそうで、そのことで母と揉めているようでした。
私の幼少期の幸せは、いつも父の嘘によって壊されていました。 もともと父は、嘘をついたり約束を簡単に破ったりするような人でした。 その度に目を瞑っていた母も、ついに我慢の限界を超えてしまい……。 両親は離婚。 父のことは、大人になった今でも大嫌いです。 私は「嘘によって心を踏みにじられる」という経験を、ノゾムにだけはさせたくありません。 他人からは 「たったひとつの嘘で離婚を決めるのか」 と言われるのかもしれませんが、私は本気です。
「もう一緒には暮らせない!」友だちなら分かってくれるハズ?
「……とりあえず、今夜また話せたら嬉しいです」
そう言ってサトシは私の言葉に反論もせず、すごく悲しそうな顔をして「いってきます」と出ていきました。 そんなとき、学生時代からの仲で、近所に住んでいる、キミコからランチのお誘いの連絡がきました。 モヤモヤした気持ちを抱えていた私。きっとキミコなら、私の話を冷静に聞いてくれるでしょう。
「それがさ~、元気じゃないのよ……私、離婚しようと思ってて」 早速こんなことを言いはじめる私にキミコもとても驚いていました。私はすべてを話します。
「そんなことがあったのか……マヤは嘘つかれるのが嫌いだもんね」 そう、キミコも私が嘘をなにより嫌うことを知っているのです。
サトシに嘘をつかれて頭にきた私は、朝食の用意やお弁当作りなど、サトシに関する家事を放棄しました。 サトシは困惑と悲しみが混ざったような表情をしていました。 離婚に関して本気か聞かれましたが、そんなの本気に決まっています。 一連の流れを友人のキミコに相談したところ、キミコは何故か思案顔。 私としてはこれ以上嘘つきと暮らしたくないし、ノゾムを傷つけるわけにもいかないので、早いところ離婚したいと思うのですが……。 なにか間違っているのでしょうか?
「嘘ついたことあるよね?」え、私が?友だちの言葉に……ハッ!
「高校のとき、私ってよくマヤに『テストの点数悪かった~』って愚痴ってたでしょ? そのときにマヤは必ず、『私も』って言ってくれた。でも、あれって嘘だったよね。だってマヤ、いつも成績良かったんだもん。それから、恋バナのときだってそう。マヤはいつも自分の心を隠して、本心と違うこと言って私を助けてくれていたじゃない」
たしかに当時の私は、本当のことをキミコに伝えていませんでした。キミコが指摘する通り、大きく括ってしまえば私だって「嘘をついていた」ことになるでしょう。
「たしかにマヤは、お父さんの嘘で嫌な思いをたくさんしてきたかもしれない……でもマヤのついた嘘は、お父さんみたいに自分を守るためのものじゃない。私を守るためのものだったこと、ちゃんとわかってるよ?」
よくよく考えてみたら今回のことだって、私が心配になるような展開を、サトシはちゃんと避ける努力をしてくれていたのに……嘘をつかれたことにこだわりすぎて、サトシの配慮に全く気付けなかった。少し意固地になりすぎていたのかもしれません。
「嘘をつかれるのは絶対に嫌」と考えていた私。 しかしキミコと話しているうちに、嘘をつかれたこと自体が問題なわけではないと気付かされました。 たしかに父のように自分を守るためだけの嘘だったなら問題ではありますが、優しさからつくことになった嘘に問題はないのかもしれません。 少なくとも今回サトシのついた嘘は、キミコの言う通り、私に心配をかけないための嘘だったのだと思います。 「嘘=すべて悪」 というのは、偏った考えだったかもしれません。 今夜サトシと話し合ってみようと思います。
夫の気遣いに気付けず……反省!「嘘つかない」よりも大切なこと
「サトシに謝りたくて……」 サトシは私の変貌ぶりに戸惑っているようでした。
「……実は今日、キミコに会ってきたんだ。それで色々反省するところがあって。もし、サトシがキャバクラのことを正直に話してくれていたとしても、私、不機嫌になっていたと思うのね。だからこそ私を傷つけないために嘘をついたんだよね? それなのに私、そんなサトシの思いやりに目を向けることなくひどい態度を……」 それから、簡単に離婚というワードを出してしまったことも一緒に謝りました。
「そんなことないよ。俺こそ嫌な思いをさせてごめんね。俺、てっきり離婚についてどんどん話がすすんでしまうのかと思って……違っててよかった〜」
私たちは、無事に仲直りすることができました。そしていつもの和やかな雰囲気に戻りました。
キミコと話したことで、私は自分の矛盾に気付くことができました。 その後帰ってきたサトシにも話し、私たちは無事仲直り。 サトシは私のことを考えて話さないでいてくれてたというのに、私は「嘘をつかれた!」なんて感情的に怒ってばかりで……今となっては恥ずかしさでいっぱいです。 それからというもの、サトシは夜のお店の誘いをうまく断って帰ってきてくれるようになりました。 約束を守るための嘘って、なんだかちょっぴり嬉しいものですね。
【夫の気持ち】妻に嘘がバレてしまい「離婚」!?……不甲斐ない俺
俺はサトシ。妻のマヤと、4歳になる息子のノゾムと一緒に3人で暮らしています。妻のマヤは父親の嘘が原因で両親が離婚をしたため、嘘をつかれることや約束を破られることが大嫌い。そんな事情を知っているからこそ、俺はマヤに誠実に向き合おうと思っていました。しかしある日、俺はマヤに「キャバクラには行っていない」と嘘をついてしまったのです。おまけにその嘘は、あっさりとバレてしまったのでした……。
今日は新しい上司の歓迎会でしたが……飲み会好きな上司の二次会に誘われて、俺はしぶしぶキャバクラへ行くことになりました。 夜のお店はもともと好きではありません。 マヤも嫌がりますし、別にお金を払ってまで女性と話したいとも思わないのです。上司が満足したあと、俺は帰路につきました。
家に帰るとマヤから「夜のお店に行ってないよね?」と聞かれました。 これから新しい上司と飲み会のたびに心配をかけることになる。誤魔化したほうがいいだろうなと思い「行ってないよ」と返事をします。 しかし上司から連絡がきたことで、嘘をついたことがバレてしまいました。 翌日もマヤは怒っていました。 マヤの顔は悲しみに満ちています。ショックでもありましたが、それよりもマヤに「離婚だ」なんて言わせてしまった不甲斐なさでいっぱいです。
飲み会の後、上司にキャバクラに誘われた俺。 断ったものの上司にしつこく誘われ、同僚からの説得もあり渋々行くことに……。 マヤには「行ってない」と嘘をつきましたが、すぐにバレてしまいました。 怒ったマヤからは、離婚という言葉まで出ました。 嘘をついた俺も悪いかもしれませんが 「マヤを嫌な気持ちにさせないためだったのに……」 と残念に思ってしまうところも。 離婚なんてしたくありません。 俺はどうしたらよかったのでしょうか?
「もう傷つけない!」誠実であり続けたい俺の選択
俺は昨日一緒だった同僚に今回のことの経緯を説明しました。 「そんなに嘘つかれることがイヤなのか!?」と同僚は驚いていました。 でもマヤにとって「嘘」は両親の離婚の原因にまでなった絶対NGなことなのです。 「なるほどな。許せないことって人それぞれだな。ま、俺にできることがあったら協力するよ。まずは仲直りできるといいな……」 そういって同僚も励ましてくれました。
その後マヤから「夜に話したい」と連絡があって急いで帰ると、意外にも謝られることに。
嘘が大嫌いなマヤ。この結論にいたるまでにはきっと、いろいろなことを考えたはずです。俺は思わず、「俺こそごめん」と謝りました。 さてそれ以来、俺の行動に変わったことがあります。夜のお店に誘われたときには……。
マヤを傷つけまいと嘘をついた俺。 しかしその嘘がバレて、かえって深く傷つけてしまいました。 離婚の話を具体的にされていたので落ち込んでいましたが、マヤは学生時代の友だちと話し合ったことで今回の件を冷静に見直すことができたようです。 つらい思い出もあり、嘘には人一倍敏感なマヤ……。 ひょっとしたら何か思うところもあったのかもしれません。 しかし、俺が嘘をついたのはマヤの気持ちを守りたかったからだと理解してくれました。 これからもマヤの信頼を失わないよう、誠実に向き合っていきたいと思っています。