じつは栄養がすごい!体が喜ぶ「春菊」を“サクサク食感”でおいしく作る“2つの意外なポイント”
うどんやそばなどと一緒に食べるとおいしい天ぷらですが、油の後始末がめんどうに感じる方も多いのでは? 今回は管理栄養士の関口絢子に、油の後始末がラクな「春菊の揚げない天ぷら」を教えていただきます。
教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
フライパンひとつで簡単に作れる
今回は、「春菊の揚げない天ぷら」をご紹介します。春菊の独特な香りが苦手な人も多いのでは? 春菊は油と一緒に調理をすると、おいしくしあがるんです。油を使った料理の代表格ともいえるサクサクとした衣の天ぷらは絶品ですが、天ぷらを作るとなると、油をたくさん使って後始末が大変です。そこで今回は、フライパンひとつで簡単に作れる調理法でご紹介します。
春菊
春菊というと、鍋やすき焼きのイメージが強い人も多いのでは? じつは、春菊には以下のようなすばらしい栄養素がたっぷりと含まれています。
・β-カロテン:抗酸化物質でもあり、体内で必要に応じてビタミンAに変換される。免疫力を高め、ガン予防に役だったり、目の健康にも有効。
・カルシウムやマグネシウム:骨の形成に役立つ。マグネシウムは足がつりやすい人に不足しがちな栄養素。
・葉酸:成長のビタミン。DNA・RNAの合成を促進するため、お子様にしっかりと摂ってほしい栄養素。
・ピネン・ぺリルアルデヒド(春菊の独特な香り成分):食中毒予防・胃腸の働きを助ける。
マグネシウムが不足しがちな人は、春菊で補ってみてください。血液循環をよくし、葉酸が豊富です。
いつもの天ぷらが簡単においしくなる「春菊の揚げない天ぷら」の作り方
今回はなるべく“ベタっ”とした衣にならないように、サクサクになる衣の作り方をご紹介します。天ぷら粉を使ってもよいのですが、薄力粉を使う場合は酢を入れるのがポイント。酢を入れることで、粘りが出にくくなる効果があります。また、氷を使うのもポイントです。
材料(春菊1束分)
・春菊……1束
・薄力粉……大さじ3〜4(使う野菜の量に合わせて目分量で使ってください)
・酢……大さじ1
・水……100cc
・氷……2かけ
・米油……適宜
作り方
1.春菊をきれいに洗い、食べやすい大きさに包丁で切ります。
2.1の春菊をボウルに入れ、薄力粉をまぶします。全体を混ぜ合わせて、春菊の周りに粉をまぶしつけます。
※今回は衣を別に作るのではなく、食材と一緒にボウルの中で合わせて作る方法です。この方法で作ると衣が薄くしあがります。軽いしあがりになり、油を吸い込む量を減らすこともできます。
3.カップに水と酢を入れ、氷を加えて冷やします。酢水を菜箸で軽く混ぜ合わせてから、春菊に加えます。冷ました酢水を加えたら、菜箸で軽く混ぜ合わせます。
※酢水の量は適量でよいです。春菊がくっつく程度の酢水を入れます。入れ過ぎないように注意をしながら加えてください。酢水を入れすぎたら薄力粉を足して調節してください。
4.フライパンを中火にかけて、底から5mm程度の油を入れ、しっかりと温度を上げます。春菊を菜箸でつかんでバラバラの状態のまま入れると、フライパンの中で広がりやすくなってしまうので、ラップを手に乗せて、その上に春菊を乗せ、キュっと握って一体化させ、春菊をくっつけてから、油の中に入れます。
※春菊は通りが早いです。春菊を油に入れたときに、しっかりと泡が周りにつくぐらい油の温度を上げてから、揚げていきます。
5.菜箸でひっくり返して、両面を焼きます。春菊の表面を菜箸で軽くたたいて、カサカサとしたような感じになれば、油から取り出します。
※春菊は生でも食べられる野菜なので、加熱しすぎないようにしあげてください。
6.器に盛りつけて、できあがりです。
いかがでしたか? 衣が限りなく薄いしあがりです。冷たく冷やした酢水は、普通の天ぷらの食材でも軽いしあがりになります。塩をふりかけて食べるのがおすすめですが、天つゆを使ったり、そばやうどんと一緒に召し上がっていただいてもよいと思います。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。
ayako/ライター