【コピペ可】10月の時候の挨拶50選!使いやすい便利な例文特集
時候の挨拶・挨拶文の基本的なマナー
時候の挨拶は手紙やメールの定型文であると同時に、送り先の相手とのテキストコミュニケーション手段でもあります。季節感を取り入れた時候の挨拶を学ぶ前に、挨拶文の基本的なマナーを覚えておきましょう。マナーに沿った美しい文体は、相手に誠実な気持ちを届けるためにも役立ちますよ。
4つの項目を使った基本構成を守ろう
手紙は、おもに「前文」「主文」「末文」「後付」の4つの構成によって作られます。まずは、構成ごとに与えられている役割や内容を確認しましょう。
・前文……頭語(拝啓、謹啓など)などを書く。時候の挨拶も前文に含まれる。相手の健康や安否を尋ねたり、日頃の感謝や気持ちを伝えたりする。
・主文……起こし言葉(さて、このたびはなど)を書いた後に、本文を記す。手紙の本題となる部分。
・末文……結びの言葉を書き、結語(敬具、謹白など)でまとめる。結びの言葉では、相手の今後の健康や繁栄を願う内容や、お礼・お詫びなどを書く。
・後付……手紙全体の情報について書く。日付・署名・宛名・脇付などが代表的。脇付では「侍史」や「貴下」などを使い、相手への敬意を表す。
日付の記載では、縦書きでは漢数字(例:令和六年四月一日)、横書きでは英数字(例:令和6年4月1日)を使うと可読性が高まります。
漢語調と和語調を使い分けよう
時候の挨拶は、おもに「漢語調」と「和語調」の2種類に大別されます。TPOに応じた使い分けをおこない、相手との関係性をさらに深めていきましょう。
漢語調は、あらたまった文体が特徴的で、ビジネスシーンや目上の人などに送るときに用いられます。格式の高さを感じさせる文体であるため、社会的な意味合いの強い手紙や、儀礼的な内容の手紙では漢語調が適切といえるでしょう。
和語調は、漢語調と比べてカジュアルな印象を受ける文体です。親しい友人や親族、カジュアルなシーンなどで用いられます。やわらかい言葉選びが特徴的で、相手に親しみやすい印象を与えられるでしょう。
手紙やメールでも使える!10月の時候の挨拶のポイント
10月の時候の挨拶では、ほかの季節にはない特有のポイントが存在します。猛暑や残暑が過ぎ去り、ようやく安定して過ごしやすい季節が訪れる10月。寒さが気になる前の限定的なシーズンだからこそ、10月ならではの気候や自然の変化を表現していきましょう。
自然の大きな変化を表現しよう
10月の時候の挨拶では、自然の大きな変化に着目した表現が大切です。たとえば10月は、少しずつ紅葉が始まるシーズンです。また自然に生きる動物・虫たちや咲く花の種類も変わっていく時季ですよね。
果物や野菜など、自然ならではの恵みが感じられるのも10月の特徴です。さらに10月も後半に近づくとさらに秋が深まり、風の香りや気温にも変化が訪れます。10月の気候は、暑さと寒さの狭間に存在する希少なもの。周囲の環境に目を向け、今ならではの特徴をつかんだ言葉選びを心がけましょう。
清々しい季節に着目し、晴れやかな単語選びをしよう
10月は、普段はインドア派な人でも外出したくなるような、清々しい季節でもあります。晴れやかな空の下で深呼吸をするだけで心身がリフレッシュするような、10月ならではの心地よい言葉選びをおこないましょう。
たとえば空・雲・空気・風など、清々しさを印象付けるような単語がおすすめです。「澄み切った青空」「清々しい秋空」「涼やかな空気」など、光景や感覚がイメージできるような表現にチャレンジしてみましょう。
上旬・中旬・下旬でニュアンスを使い分けよう
時候の挨拶では月ごとのポイントとは別に、上旬・中旬・下旬ごとの表現の使い分けが求められます。10月の時候の挨拶も同様で、手紙やメールを送るタイミングによって適切な単語を選んでいきましょう。
たとえば上旬では、夏が終わり秋の涼しさをようやく感じられるようになります。中旬は秋が深まり、涼しさや快適さが安定してきます。下旬では、地域によっては肌寒さを感じるシーズンになっているでしょう。同じ10月でも「残暑が明けた時期」と「秋が深まり夜が肌寒い時期」とでは、言葉選びが異なります。
季節に合わせた風物詩を取り入れよう
時候の挨拶では、季節に合わせた風物詩をぜひ取り入れてみましょう。10月の風物詩といえば、まずハロウィンを連想する人も多いのではないでしょうか。相手との関係性にもよりますが、特別なイベントに浮足立つ街の雰囲気を表現するのもよいでしょう。
また紅葉狩りやコスモス狩りも、10月らしい風物詩です。お子さんがいる人は、運動会や文化祭など学校行事をキーワードにするのもおすすめです。もちろん、ぶどう狩り・りんご狩り・栗拾いなど、秋ならではのグルメに関連する行事・イベントも時候の挨拶に使えます。
9月・11月の時候の挨拶と違う点は?
同じ秋の時候の挨拶でも、10月の挨拶のポイントは9月や11月とは異なります。
9月は、立秋の時期とはいえまだまだ残暑が厳しいシーズン。10月では深まる秋を堂々と表現できますが、とくに近年の9月の場合は「秋とは名ばかりの暑い時期が続きますが」のような肌感のある表現が求められます。しかし暦上は秋であるため、残暑や猛暑のような単語は使えません。
11月の時候の挨拶では、10月以上の秋の深まりや肌寒さの表現が用いられます。また11月の上旬では立冬があるため、冬に関連する季語が使えるようになるのも特徴です。10月以上に、秋から冬への移り変わりを表現する単語選びが求められます。
10月の時候に使える秋の言葉
以下に、10月の時候の挨拶に使いやすい単語を記載します。漢語調・和語調に応じて、適切な単語をピックアップして記載してみましょう。
秋晴の候・紅葉の候・清秋の候・寒露の候・錦秋の候・十三夜・衣替え・神嘗祭・夕焼け・紅葉狩り・読書・月待ち・銀杏並木・稲刈り・風炉の名残・新酒・露時雨・野山の錦・新米・果物狩り・芸術・ハロウィン・秋祭り・いわし雲
秋時雨・秋雪・後の月・秋惜しむ・秋土用・秋寒・野山の色・刈田・秋分の日・紅葉たなご・栗羊羹・文化の日・火恋し・雁・猪・薊・金木製・松茸・山ぶどう・薔薇・リンドウ・銀杏・菊・藤袴・残る虫・萩の実・胡桃・柿・茨の実・山梨・柚子など
10月の時候の挨拶|コピペで使える!例文50選
10月の時候の挨拶の例文を、上旬・中旬・下旬ごとにご紹介します。どの例文をコピペで使用できるため、時候の挨拶に迷った際はご活用ください。また例文を元に、オリジナルの時候の挨拶を考える際にもぜひ参考にしてくださいね。
10月上旬の時候の挨拶
・秋の気配を色濃く感じられる頃、いかがお過ごしでしょうか。
・月が美しい秋の夜長に、一筆申し上げます。
・秋晴れの陽気が心地よい頃となりました。
・清秋の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・秋冷の候、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
・空が高く澄みわたり、気持ちのいい秋風が吹き渡るころとなりました。
・秋晴れの爽やかな日がつづいています。
・秋気さわやかな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
・夏が終わり秋の涼しさを感じる季節となりました。
・秋晴の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・秋雨の候、日増しに寒いこの頃でございますが、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
・味覚の秋を迎え、秋刀魚のおいしい季節になりました。
・心地よい秋風が吹き抜ける秋天の候、〇〇様にはご清福のこととお慶び申し上げます。
・初秋の候、貴社におかれましては爽やかな実りの季節を迎えられていることと存じます。
・秋冷が爽やかに感じられる好季節、ますますご活躍のことと存じます。
・秋の声が聞こえる美しい季節が到来しました。貴社にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・味覚の秋、芸術の秋となり、より一層充実した日々をお過ごしのことと存じます。
10月中旬の時候の挨拶
・銀杏の葉が金色に染まりはじめる頃、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
・菊花薫る季節、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
・秋の夜長の時季となりました。
・キンモクセイの香りに四季の移ろいを感じる今日この頃です。
・紅葉の折、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
・空が澄み清々しい秋を感じる頃となりました。
・秋風が吹き渡る季節となりました。
・秋晴れに鰯雲が流れる頃となりました。ご家族の皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
・木々の色づきに秋の深まりを感じる頃となりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
・暦の上では霜降となり、肌寒さを感じる季節となりました。
・菊花の香りゆかしいこの時季、お健やかにお過ごしのことと存じます。
・虫の音に深まる秋を感じる頃となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
・北からは紅葉の便りが届く季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
・街路樹も日ごとに色づきを増しており、深まる秋を感じます。
・高く澄みきった空に、心も晴れ晴れとするこの頃、〇〇様には笑顔が広がる毎日をお過ごしのことと存じます。
・金木犀の甘く爽やかな香りが漂いはじめました。いかがお過ごしでしょうか。
10月下旬の時候の挨拶
・秋も深まり、木々が色づき始める季節となりました。
・秋の長雨が降る季節となりました。
・錦秋のみぎり、いつも格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
・紅葉が錦のように色鮮やかな頃となりました。
・日足はすっかり短くなり、秋風の冷たさを感じる季節となりました。
・秋が深まり木々が紅葉する時期を迎えました。
・秋も深まり肌寒くなってまいりました。
・天高く馬肥ゆる秋、ますますご壮健のことと拝察いたします。
・金木犀の香りが漂う頃となりました。すっかりご無沙汰しておりますが、お元気でご活躍のことと存じます。
・秋も日一日と深まり、夜長の頃となりました。その後、お変わりございませんでしょうか。
・黄金色の街路樹が、美しく彩る季節となりました。
・木々の葉も鮮やかに色づいてきました。皆様お変わりなくお過ごしですか。
・秋寒の候、皆様におかれましては、一段とご壮健のこととお慶び申し上げます。
・いよいよ秋も深まり夜寒を覚えるこの頃、ご多忙の毎日と伺っておりますがお風邪など召されていませんか。
・朝晩はだいぶ涼しく感じられるようになりました。
・色彩あふれる紅葉の美しさに心弾む季節となりました。
・ひと雨ごとに秋の深まりを感じる季節、お変わりなくお過ごしでしょうか。
美しい秋らしさを表現しながら、10月の時候の挨拶を作成しよう
10月は、季節の変わり目による気候の変化が落ち着き、穏やかな天気や晴れの日を楽しめるシーズンです。時候の挨拶では相手の体調を気遣う表現が定番ですが、10月の場合は気候の変化による危惧ではなく、「変わりなく過ごせているか」や「穏やかな気候と同じように健康に過ごせているか」などを意識して書き出してみましょう。
手紙のルールを守った文体や、思いやりにあふれた時候の挨拶では、相手への感謝や敬愛の気持ちが伝わります。親しき間柄におけるやり取りでも、ぜひ日本語の美しさを生かした時候の挨拶を取り入れましょう。
ライター:METLOZAPP(Webライター / ボーカリスト)