藤枝MYFCが6戦負けなし!「一つの刀で戦うのではない。いろんな刀を出せた」須藤大輔監督のV・ファーレン長崎戦後の記者会見
藤枝MYFCは3月30日、今季無敗が続いていたV・ファーレン長崎と対戦しました。2点を追いつかれる苦しい展開ながら、後半16分、浅倉廉のゴールで勝ち越し。取られたら取り返す「超・超・超攻撃的エンタメサッカー」の一端を披露しました。
須藤監督は試合後の記者会見で「2失点よりも、3点目を取りきったところにフォーカスしたい」と選手をたたえました。
須藤監督・監督会見「我々には3点取る力がある」
ー試合の総括を。
ルヴァンで非常に悔しい、あってはならない負け方をして、真価が問われるリーグ戦がまた始まった。昨季まではトップ6に君臨する相手にことごとく負けていていたので、今日は絶対に勝ちたいという気持ちで選手もスタッフも臨んだ。
だからといってテンションを上げすぎず、局面ではなく全体像を見ようとミーティングで話した。相手には素晴らしい選手がいて能力が高い。全体像を見た戦いがしっかり前半はできて、決める時に決め切れたのは非常に評価できる。
昨季、この場所での千葉戦は2−0で勝っていた場面から失点し、後半に怒濤(どとう)の攻撃を受け2−3で負けた。ハーフタイムにはその試合の話をしたが、2点を取られてしまった。やはり長崎の力はすごい。
でもそこで負けなかったのは、今季成長しているのが分かる部分。失点後にしっかりはね返し、3−2になってからも守り切った。ベクトルを自分たちに向けて戦った結果、こうして接戦をものにできた。昨季とは全く違うメンタル的な強さを表現できたので、自信を持ってもらいたい。ただ過信にならないように、しっかり準備をして次に向かいたい。
ー昨季の千葉戦、清水戦がよぎる展開。はね返せた要因は?
2失点目をした時、ピッチを見ると選手の立ち居振る舞いが(今までと)違った。オーラというか空気感が「まだやられていない、大丈夫」というマインドだった。
もちろん2失点はしてはいけないが、今季みんなと共有した「われわれは3点取る力がある。だから2失点までに抑えましょう」ということを遂行してくれた。失点は相手ありきだからしてしまうこともある。そこでどう立ち振る舞うかで結果は全然違う。目指してやってきたことが如実に表れてきている。
ールヴァンカップでフル出場の浅倉選手を先発起用した狙いは?
調子が良いので使った。長時間出ていたが、本人に確認したら「若いからいける」と答えが返ってきたし、何より立ち振る舞いという部分でオーラを感じていた。
コンディション面での心配があったが、いけるところまでいってもらいたかった。11人だけでなく、彼らが輝けるのもサブがいるから。サブが輝けるのはメンバー外がいるから。本当に一体感を持ってできている。
ー失点して1分後に失点してしまった場面については。
正直またかという印象はあった。選手交代をするのかシステムを変えるのか、または戦い方を変えるのか。いろいろ話をしているうちにそういう状況になってしまったので少し後手に回ってしまった。
今日は3−2で勝ったが、今までは負けていた。ゲームのあやを感じ、自分の中でも勉強になった。サッカーはどう転ぶか分からない。1分後の失点は抑えないといけないが、想像以上に相手からの圧力を感じていたと思う。前半は耐えていたが、1点取られることによって、せき止めていたものが崩壊してしまった感じはあった。
映像では到底感じ得ない圧力があったと思う。ピッチに入らないと分からないところだと思うが、それを踏まえてしっかり分析をしていきたい。ただ2点で抑えたことは非常に評価できるし、3点目を取り切ったというところにまずフォーカスしたい。
ー2、3点目のような、きれいなゴールが増えてきた。
もっと得点数は増えても良かったと過去の試合を見ても思う。本当にちょっとしたところでシュートは外れる。だが何かの拍子でボタンが掛け合うと、クリーンなシュートも泥くさいシュートも入る。
そういった場面が出てきているのはゴール方向へのプレーが増えてきたからだと思う。今日は「お互いのゴール前でもう一歩出ましょう」と話していた。それがゴールにつながったので引き続きやっていきたい。
ー(先制点を取った)ディアマンカはもっとやれると言っていた。今日のプレーは?
どんどん良くなってくる。このゴールで一皮むけたのかなと。後半の疲れている状況でのプレーも。(ゴールシーンは)一人で独走状態になって、冷静にゴールへ流し込めた。あのプレーが彼本来の持ち味だと思う。慣れない文化の中で、こうしてパフォーマンスが上がってきたのはチームとしても本人としても良いこと。もっといけると思う。
ー展開は想像通りに進んだか?
前半は想像通り。しっかり相手のプレスを認知して、どこから、どの高さで、何人で来るのかを精査できた。後半は圧力に屈した部分もあり、なかなかビルドアップできなかった。追い付かれると相手の勢いになってきてプレッシャーもかかる。
後半は少しビルドアップのやり方を変えた。それがうまくはまって3点目のゴールを生み出せた。試合前にも言っていたように、いろんな刀を出せたのかなと思う。ひとつの刀で戦うのではなく、いろんな刀で戦える準備をして、選手が遂行できた。
ーハーフタイムは3、4点目を狙いにいくと指示を?
2点差が一番危ない。0−0の気持ちでもう一度いこうと。でもやはり難しい。2点のリードはどうしても頭の片隅にあるし。1点を取られると怒濤(どとう)の攻撃がある。(1失点目から)1分後の失点は精査しないといけない。その後はしっかり抑えたと思う。