鎌倉市内 特殊詐欺の被害が急増 SNS使用も横行
今年1月から4月末までの鎌倉市内の特殊詐欺の認知件数と被害額が、鎌倉警察署と大船警察署ともに増加している。
鎌倉警察署管内では、特殊詐欺の認知件数は14件(昨年同時期比6件増)で、被害額は約8900万円(同1900万円増)。大船警察署管内では、特殊詐欺の認知件数が8件(昨年同時期比2件増)。被害額は約1700万円(同1450万円増)となっている。
巧妙化する手口
依然として多いオレオレ詐欺では、「のどの手術をした」などと声の違いを強調し、子どもを名乗る犯人が電話で金銭を要求する手口だけでなく、犯人が総務省や通信事業者を騙るなど手口が巧妙化している。
「あなたの携帯電話が2時間後に使えなくなる」「電話が犯罪グループに悪用され、あなたが共犯になっている」などと言ってLINE登録や預金口座の調査などを要求してくるほか、にせの警察官が逮捕状の画像などを見せて脅してくることもある。
また、近年増加しているのがSNSを使用した詐欺だ。電話ではなくダイレクトメッセージ等で接触してくるのが特徴で、市内でも被害を認知している。
特に投資詐欺では、犯人が利益が出ている資料を偽造して見せてくるなど、被害の発覚を遅らせることもあり、気が付いた時には被害額が多くなってしまう例もある。
両警察署では「少しでも怪しいと感じた時はすぐに警察に相談してほしい。警察署窓口での啓発はもとより、地域で行っている巡回訪問などでも積極的に注意喚起を行っていきたい」と話す。
被害防止で感謝状
3月下旬と4月上旬には、金融機関の窓口やATMなどの水際で被害が防止された。鎌倉警察署では、三菱UFJ銀行鎌倉支店の女性行員と、鎌倉雪ノ下郵便局の女性局員2人にそれぞれ感謝状を贈呈した。
同支店では、3月28日に来店した高齢男性からATMの操作について行員に相談があり、男性に内容を確認すると「還付金の受け取りに来た」とのことから、具体的に聞き取りを行い、詐欺の被害を防いだ。
同郵便局では4月8日、100万円を下ろそうと窓口を訪問した高齢女性から使用用途を確認し、長男を騙るオレオレ詐欺の被害を防止した。