アメリカ大統領選挙、トランプ優勢となった要因は? 経済政策への期待が後押し?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、11月6日はアメリカ大統領選挙の開票が進む中での放送。トランプ優勢となった状況について、毎日新聞論説委員の小倉孝保が解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「(放送の時点で)ここまで共同通信がまとめたデータによりますと、トランプ候補が選挙人248人を固めました。民主党ハリス候補・副大統領ですが214。過半数は270ということでトランプさん、あと22と迫っています」
長野智子「教えてください。なぜこのようなこと(トランプ優勢)になったのか」
小倉孝保「本来なら確実にハリスさんがとらなければいけない州もトランプさん有利となりました。選挙の勢いがトランプさんにあって、勝利をほぼ手中に収めた、といえると思います。朝からメディアの報道を見ると、出口調査をいろんなところでしているんです」
長野「はい」
小倉「興味深かったのが、エジソンリサーチという会社が行なった結果です。ロイターが報じています。今回の選挙、『何をいちばん重視して投票しましたか?』と。2008年からずっとアメリカで1位は『経済』だったらしいんです。今回は『民主主義』」
長野「えっ? そうですか」
小倉「恐らくこれまでほとんどなかった現象です。2位『経済』、3位『人工妊娠中絶』、次が『移民問題』『外交政策』」
長野「はあ~……!」
小倉「長野さんが驚かれるのはわかります。民主主義かどうかというところを基準に投票しているなら、もっとハリスさんが伸びていいじゃないですか」
長野「そうですよ、多様性であるとか」
小倉「バイデンさんはそこを力説していましたからね。トランプさんになると、トランプさんの主張は民主主義と相容れないよ、と。民主党支持者でハリスさんに投票する人たちはそこを重視したんだと思います。でも民主主義の度合い、投票している人はトップといっても35%です」
長野「なるほど」
小倉「ほかのところで、投票した人へ経済について集中して聞いた出口調査では、今回の選挙というか4年間で『現状の経済、いいですか悪いですか?』と聞いているんです。33%が『とてもいい』もしくは『いい』。66%が『悪い』もしくは『特別悪い』」
鈴木「はい」
小倉「3分の2のアメリカ人は経済悪い、暮らしが悪くなった、なんとかしてほしい、と思っている。特に中西部や南部の激戦州の人たちからしたら、いまの生活良くないぞ、トランプさんならまだ何かしてくれるんじゃないか、と思ったんじゃないかなと」
長野「口で『民主主義』と言っているけど本当は経済、という隠れ経済がいっぱいいるかも」
小倉「隠れ経済(笑)。『口先民主主義』が多かったのかもしれません」