新国立劇場バレエ団、エンタメと芸術性を兼ね備えた華やかでパワフルな舞台『不思議の国のアリス』を上演
2025年6月12日(木)~6月24日(火)新国立劇場 オペラパレスにて、2024/2025シーズン 新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』が上演される。
本公演は、世界で最も多忙なコレオグラファーの一人であるクリストファー・ウィールドンが手掛けた初めての物語バレエ。音楽には映画やテレビ番組での音楽を手がけるジョビー・タルボット、美術には数々の作品でトニー賞を受賞しているボブ・クロウリーという錚々たるアーティスト達が集結して、英国ロイヤルバレエで2011年に初演された。世界を席巻したこのプロダクションは世界有数のバレエカンパニーがレパートリー化しており、アジアでは唯一新国立劇場バレエ団だけが上演を許可され2018/2019シーズンの開幕公演として上演された。
ウィールドンはインタビューで「この作品は伝統的なクラシック・バレエではなく、ミュージカル・シアターとバレエの融合、ハイブリットだ」と答えている。原作の世界を見事に視覚化したカラフルでポップな美術、最新の照明・映像技術で構成された舞台は、観客を惹きつけてやまない魅力に溢れている。
オープニングはアリス一家の自宅で開かれたティーパーティー。ここでこの作品に登場する主要メンバーが揃い、主役のアリス、彼女の母と父、家族の友人であるルイス・キャロル、そしてアリスがほのかな恋心を抱く庭師のジャックが登場する。
メインキャラクターは現実の関係性を維持したまま、不思議の国の住人たちに変身!アリスの母は強烈なハートの女王、父は気弱なハートの王、ルイス・キャロルはいつも忙しない白ウサギ、庭師ジャックはハートのジャックとなり、それぞれ同じダンサーによって演じられる。こうした二重構造で、アリスとジャックの恋物語が現実と夢、そして時空を超えて展開されていく。
そして、映画界でも活躍するジョビー・タルボットの音楽は本作品の大きな魅力のひとつ。彼の音楽はキャロルの登場人物たちのように生き生きとそれぞれのキャラクターを描く。不思議でおかしなおとぎ話の『アリス』にはぴったりの、リズミカルにゆらめくオーケストラの音色を創り出していく。オーケストラのなんと約三分の一を打楽器が占め、不思議な登場人物たちや情景に合わせて、サンダーシート、ウィンドマシーンほかこの作品のために用意された、沢山の特殊な楽器も使用されている。
プロジェクション・マッピングなど現代アートが織り込まれつつも、生身の人間によるパフォーマンスの素晴らしさを存分に堪能できる本公演。エンターテインメント性と芸術性を兼ね備えた華やかでパワフルな舞台を堪能しよう。
【ものがたり】
イギリスにあるアリス一家の自宅でパーティーが始まろうとしている。アリスは恋する庭師のジャックにジャム・タルトをプレゼントするが、タルトを盗んだと母親に誤解されてジャックはクビになってしまう。悲しむアリスを一家の友人のルイス・キャロルが慰めようとしたところ、不思議なことが!彼は白ウサギに変身する。追いかけたアリスが着いたのは、母親にそっくりのハートの女王が支配する世界。女王のジャム・タルトを盗んだ罪で処刑されそうになっているハートの騎士の格好をしたジャックを救おうと、アリスの冒険が始まる。
アリスは体が大きくなったり小さくなったり。そして、白うさぎに誘われ不思議の国の奥深くへ。女王の庭園に忍んできたジャックは女王に捕まってしまい、裁判が始まる。不思議の国で出会った不思議な人々と生き物たちが次々と登場し、ジャックに不利な証言をする。アリスは彼を弁護するが、女王はますます怒りを募らせ、城内は大混乱に……。