葉山中 「戦争の事もっと知りたい」 被爆者による証言授業
葉山町立葉山中学校(森岡孝校長)で3月14日、2年生170人を対象にした原爆被災者による証言授業が行われた。3年時の広島への修学旅行を前に、生徒に戦争のことを学んでもらおうと企画された。証言を聞く前に、生徒たちが事前に「戦時中の教育」「被爆経験の継承」などをテーマに学習した内容の発表も行われた。
証言したのは神奈川県原爆被災者の会葉山支部の福島富子さん(80)と西純子さん(81)。
福島さんは生後7カ月のとき長崎で被爆。当時の記憶はないが4歳の時に被曝を知られないように、おばの家に預けられたこと、東日本大震災による福島原発事故を機に語り部としての活動を始めたことなどを語った。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のオスロでの授賞式に同行した話も披露した。
西さんは広島で2歳の時に被爆。母親が書き残した手記をもとに、ひどい火傷を負った兄がどのように亡くなったかや、自身も医者に見放されたが、母の手厚い看病のもと一命を取り留めたことなどを語った。
福島さんは「いま日本は平和で戦争が身近ではないが、世界には辛い目にあっている子どもがたくさんいる。授業を通して平和のために自分たちで考えて頑張ろうと思ってほしい」と語った。
授業を受け荒本萌心(もこ)さんは「話を聞いてもっと知りたい、調べたいと思った」と気持ちを新たにした。