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【綾瀬市】児童養護施設「唐池学園」が80周年 戦後の風景つづる創立者の小説「むぎめし学園」を復刻

タウンニュース

復刻した「むぎめし学園」と息子の鶴飼一晴理事長

綾瀬市吉岡の児童養護施設・唐池学園が10月28日に80周年を迎え、同施設の黎明期を題材にした小説「むぎめし学園」を復刻した。創立者の故・鶴飼正男前理事長が1952年に作品で、戦災孤児たちと向き合った日々を、事実に近い内容でつづっている。

鶴飼前理事長は終戦の年に、桜木町駅付近で戦争孤児2人を保護して暮らし始めた。藤沢市内のバラックを拠点とし、その地名・唐池が学園名のゆかりとなっている。自身も関東大震災で両親と離れ離れになり、震災孤児だったことから、放っておけなかったようだ。

作品には度々脱走する子どもたちや、けんかの風景、前理事長ら職員の苦労や情熱などがつづられている。周りの家庭が白飯を食べるようになっても、麦飯だった日々がタイトルになった。

53年に映画化

小説のエピソードを元に、1953年に東映が映画『むぎめし学園』(森永健次郎監督)を制作。女優の松島トモ子さんらが出演、学園内でも撮影が行われ、作品は地方の映画館でも上映された。しかし映像は東映にも現存せず、同園も「いつかオークションサイトなどで見つかれば」と期待する。シナリオによれば、子どもが最終的に警察に連れていかれてしまう暗い結末で終わる。どんなに愛情を注いでもハッピーエンドばかりではない、著者の思いが反映されている。

学園はより自然の豊かな環境を求めて1968年に綾瀬市に移転し半世紀以上経ち、現在は園舎を新築している。10月29日にレンブラントホテル海老名で記念行事が開かれ、鶴飼一晴理事長は父が語っていた「涙と共にパンを食べたものでなければ人生の味は分からない」という言葉を紹介。「父は借金を残したが人も残してくれた。そのおかげで今の唐池がある」と振り返った。

復刻本は非売品で3千冊を制作、来場者に配られた。入手希望者は同園・勝俣さん【携帯電話】080・4897・1867まで連絡を。

映画の解説資料

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