ことしの値上げはさらにハイペースに?「メーカーも追い詰められている」ため息の1年に
家計を圧迫…2025年も値上げが止まりません。
すでに食品の値上げラッシュが始まっています。
連載「じぶんごとニュース」
2025年も2万品目が値上げする!?
大手食品メーカーの価格を調査する帝国データバンクによりますと、2024年は2月に、加工用トマトの不作で、ケチャップや野菜ジュースが値上げされるなど、あわせて1600品目の食品が値上がり。
その後、4月、9月、10月にも、1000品目を超える値上げがありました。
帝国データバンク情報統括部の飯島大介副係長が2024年の値上げの背景を分析します。
「当初は本体価格をそのまま上げる本体価格の値上げが多かったが、後半になるにつれ、特にしこう品・お菓子などを中心に、量を減らして価格を据え置いたり、減らしたうえでさらに値上げする動きがかなり目立った1年になった」
こうした動きは、節約志向の強まりで、思うように買ってもらえない中での苦肉の策が背景だといいます。
食品メーカーは、原材料費に加え、物流費や人件費も価格に転嫁せざるをえないところまで、追い詰められていると分析しています。
こうした中、1月は大手パンメーカーが軒並み値上げ。
山崎製パンは食パンや菓子パンなどを平均5.6%、ロバパンと日糧製パンも、それぞれ5%前後、価格を上げました。
今後も4月までに、冷凍食品やビール・缶チューハイなどあわせて6000品目以上が値上げされる予定で、2024年を上回るハイペースです。
帝国データバンクでは、2025年は現時点で約1万5,000~2万品目前後の値上げを予想しているということです。
こうした状況に頭を悩ませているのは、低価格が売りのスーパーです。
苦しいけれど…「我慢してでも」
札幌の「キテネ食品館」もまさに低価格がウリ。
中塚誠社長は、他の店が値上げに踏み切るなか、10円でも安く商品を提供できるよう、仕入れを工夫するしかないと考えています。
今までは、賞味期限が短かったり、仲卸で在庫が多くなったりしたものを安く仕入れていましたが…
「これだけ仕入れ値が高いと、本当にそういったものを、どう探していくか…。だからもう我慢してでもやっぱりキテネに行ったら『本当に安く買い物できてよかったわ』と言ってもらえるような1年にしていきたい。そうしないといけないという使命感も持っている」
主な食品の値上げ(2025年4月まで)
1月…パン1227品目
2月…菓子296品目
2~3月…加工食品(冷凍食品、缶詰など)1864品目
4月…酒類・飲料(ビール・チューハイなど)1178品目
また、パックごはんについては従来は価格変動はなく、単身者や高齢世帯に人気でしたが、米不足をきっかけに、年末から1月に値上げが続いています。
家計の苦しさは出口がなかなか見えない状況が続きそうです。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年1月7日)の情報に基づきます。