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リコール対象製品、使い続けないで!

TBSラジオ

先日、NITE・製品安全センターが、リコールの対象となった製品を使い続けるのはやめて!という呼びかけをしました。当たり前のお願いのように感じますが、実はNITEに報告された【リコールされた後に、リコール製品で起きた事故】の件数を調べた結果、出された注意喚起だと言います。

5年間で558件の事故がリコール製品で起きている!!

どれくらいの事故が起きているのか。その集計結果を、製品安全センター製品安全広報課の岡田大樹さんに伺いました。

製品安全センター製品安全広報課 岡田大樹さん

「2019年2023年までの5年間に558件、平均すると毎年100件程度発生しております。リコールが開始されたら、消費者の方にちゃんとそういった情報が届いて、かつ消費者の方がちゃんと使用をやめて頂ければ、防げた可能性のある事故っていうのが、結構起きてるという状況です。

リコール知っていたとしても、不具合が無ければ、使えるじゃん!ということで使い続けてしまうこともあるのかなと、ちょっと手間に感じてしまう可能性もございますけども、リコールされてるということは、何かしら不具合を抱えてるという状況ですので、そういった情報を把握したら使用を中止していただくということを、必ずやっていただければと思います。

バッテリーとかですと、製品が壊れて終わりっていうわけではなくて、最悪、家が燃える可能性もございますし、油断せずに、私には関係ないだろうと思わず、もしかしたら自分が使ってる製品がリコール対象になってるんじゃないか、っていうのを、今一度ご確認いただければと思います。」

リコールの対象になっている製品での事故が、毎年100件も起きているんです。

事故の多かった製品は、電動アシスト自転車を含む自転車やバッテリーによる事故。モバイルバッテリーや非常用のポータブル電源をはじめ、バッテリーは今や家の中にたくさんありますよね。

バッテリーは火災につながるし、自転車も大けがをするかもしれず、使い続けるのは怖いと思うのですが、使い続けている人がいるから、リコール製品による重大事故が絶えないわけで・・・。

どうしてリコール製品の回収が難しいのか?

どうして不具合があるリコール製品を使い続けてしまうのことになるのか。街でリコール製品について、話を聞いてみました。

▼「買ってすぐでしたら製品の不良と思いますけれども、年数が経って、5年6年、10年経ってれば経年劣化で、リコールっていう風な考えは起きないと思います。」

▼「そういう目には遭ったことないですね。調べるっていうか、ほとんど日本製の確かなモノしか買わないようにしてるから、後になってそういうことが起きたら絶対イヤなので、だからメーカーは選ぶようにしてますね。だから、意外と大丈夫かなって感じですよね。」

▼「なんか給湯器とかね、あるけど、メーカー違うしなっていうので、うん、調べないかな~。う~ん、他人事って気がしちゃいますね。自分のことっていう気は、ちょっと薄いと思います。」

リコールの経験が無い人にとっては、自分にも起こりえると考えることが、そもそもハードルが高い。

自分には関係ないもの、と思っていたら、リコール製品かな?という疑いも抱きにくいから気づかない、リコールを見逃してしまう、となってしまうんですね。

みなさんリコールってすごく珍しいことと思っているかもしれないのですが、経産省の発表では、2023年一年間で、81件も新たにリコールが開始されているんです!(ちなみに、ここ5年は毎年80件以上の新たなリコールが始まっています。)

なかなかの数の製品が毎年リコールの対象になっているので、自分の使っているものが含まれていてもおかしくないですよね!

通知が来て、テレビで見て、返しました!

では、リコール経験者はどうでしょうか。

▼「車のパーツでリコールがかかってディーラーに持っていった、なんか通知が来て。窓だったんですよ、確か。だからそんなに影響も無いし、ちゃんと通知をしてくれて、むしろ良いなというか、ちゃんとしてるなっていう印象ですかね。」

▼「あ!一度ホットカーペットがありましたね。テレビでバーっと商品番号みたいなの書いてて、あら?って。それで私電話しまして、すぐ回収の手続きしてくださってね。助かりました、やっぱり怖いですもんね。」

▼「自転車を交換したことはあります。それはメーカーさんから連絡が届いたので、特に乗ってる時に支障は無かったんです、ただ、言われてみれば、なんかなんとなくブレーキの効きだったかな、自分にとっては乗りづらいって思ってたんで、処分しようかなって一瞬考えてた時期だったと思います。(調べてみるのは)しなかったですね。その時は、自分ちの自転車がたまたまそういうもんだと思ってたので。」

きちんと通知が来た人、テレビで取り上げられていて、あら?と思って確認した人、いましたが、ちゃんとリコールを知って、回収に応じていました。やはりメディアで扱われると消費者に気づかれやすくなりますね。

ただ、最後の方のように、リコール通知前になんとなく乗りづらいなと思っても自分から調べるのは、これまたハードルが・・・。自分の持っているモノが、たまたま不具合が出ている、と思ってしまいがち。

NITEや経産省のホームページでは、リコール製品の検索ができますので、おや?と思ったら自分でも調べると安心です。

リコール知ってたけど、返さなかった!!

ただ、リコールの通知や連絡が入っても、動かなかった方々も、本当にいました。

▼「化粧品、クリームで一緒にマッサージのちょっとしたものが付いていて、それが肌を傷つける可能性があるっていうので全品回収しますっていうのが来てた。でも、めんどくさいし、使って私は平気だからと思って、そのままにしちゃった。」

▼「IKEAの天井灯を買ったときに、ガラスのカバーで留め具がついてんだけど、その留め具に合わせるのが大変で、すごい必死な思いをしてやっと付けたのに、それが落下しやすいからということで回収しますって新聞に出てたんだけど、またあんな思いをするのは嫌だから、もうそのまんま。デザインは気に入ってるからいいやって。

(落下の危険があるんですよね?)そうなんですけど、そもそも付けるのが大変でガシってついちゃってるから簡単に落ちないと思います。でも私なんか車持ってないから持ってくの大変だしと思うと、やっぱりしないかな。メーカーが取りに来てくれるんならいいけど、そうじゃなかったらね・・・。」

お二人ともしっかりとリコールのことを知っているのに、応じなかった、と。

めんどくさい、今のところ大丈夫、返すのが手間、色々やらない理由は分かりますが、リコールが開始されてから16年も経ってから事故が起きる、ということも実際ありました。

確かに厄介なのですが、事故が起こってからでは取返しがつきませんから、ゆめゆめ油断せず、ご注意を。(新しく製品を購入する際は、メーカーのユーザー登録などをしておくと、リコールの連絡を受けることができますので、おススメです!)

今日を機会に、ちょっと自分の身の回りの製品、確認しておきませんか??


(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:近堂かおり)

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