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【東京・中目黒】「果物をもっと自由に、もっとおいしく」──スティック型スイーツで広がる「Bonchi Stand」で新しいフルーツ体験

CAKE.TOKYO

代表・樋泉侑弥さん

2024年6月5日、東京・中目黒に新たなフルーツスイーツの発信拠点「Bonchi Stand(ボンチ スタンド)」がオープン。フルーツの魅力をもっとカジュアルに、もっと自由に味わえるフルーツスイーツスタンド、手がけたのは果物の生産・流通・体験を横断するブランド「Bonchi」。その背景には、“一次産業と都市生活をつなぐ”という、今の時代にこそ必要なミッションが込められていました。

CAKE.TOKYO編集部

中目黒駅から徒歩4分の好立地

目黒川を渡った先にオープンした「Bonchi Stand」

東急東横線・中目黒駅から徒歩4分。目黒川にかかる橋を渡った先の高架下「HVEN(ヘイヴン)」の一角にオープンした「Bonchi Stand(ボンチスタンド)」

ここでは、完熟の生フルーツをふんだんに使ったスティック型のスイーツ“レアチーズケーキバー”を提供。旬のフルーツを気軽に、しかも美しく味わえる注目のスタンドです。

店舗外観

編集部厳選!おすすめのレアチーズケーキバー4選

店頭に美しく並べられたフルーツレアチーズケーキバー!常時8~10種類を展開しているとのこと。どれにしようか迷った末に、厳選した4種のフレーバーをご紹介します。

静岡県産 完熟イチゴ
西表島産 パイナップル

■静岡県産 完熟イチゴ ¥980(税込)

赤く輝くいちごをトッピングした定番の人気商品。夏季は静岡県の契約農家から届く“夏いちご”を使用し、甘酸っぱさが心地よい一品。

■西表島産 パイナップル ¥980(税込)

さわやかでジューシーなおいしさのパイナップルは西表島産のもの。パイナップルをたっぷりとトッピングしたレアチーズケーキは夏らしさ満点!

宮古島産 赤肉メロン
山梨県 白桃

■宮古島産 赤肉メロン ¥980(税込)

瑞々しくツヤツヤと輝く赤肉メロンは宮古島産のものを使用。ひと口頬張ってみると、じゅわりと果汁があふれ、とろけるような舌ざわりを堪能することができる季節限定の一品。

■山梨県 白桃 ¥980(税込)

惑わすほどの馨しい香りを放つ、いまが旬の桃は山梨県産。一番おいしいタイミングでいただけることが伝わるほど、絶妙なやわらかさとなめらかさ。鼻腔をくすぐるフレッシュで上品な香りにうっとりするおいしさです。

ペアリングには「水出し緑茶」!

有機水出し宇治茶 緑茶 ¥800(税込)

フレッシュなケーキに合わせるなら、コーヒーや紅茶を合わせがちですが、「Bonchi Stand」でのペアリングには「有機水出し宇治緑茶」がおすすめ。

宇治緑茶のキリッとした苦味がフルーツの瑞々しいおいしさを引き立たせてくれます。

果物が、生活の中の“身近な喜び”になるために

店頭では農園直送のフルーツも並ぶ

樋泉さん「僕、実家の周りが全部桃畑なんですよ」

そう語るBonchi代表・樋泉侑弥さん。山梨県南アルプス市、果物の名産地で生まれ育った彼にとって、果物は“特別なもの”ではなく、“当たり前”にある存在でした。親戚にもぶどう農家が多く、子どものころから季節ごとの果物が日常の風景に溶け込んでいたといいます。

「果物を買う」という発想自体がなかった彼が、その価値に初めて気づいたのは18歳のとき。オーストラリアへ留学した先で、日本の果物がいかに品質・味・見た目のすべてにおいて突出しているかを実感しました。

樋泉さん「海外の果物は、形も不揃いで甘みも薄い。野菜に近い感覚だったんです。それに比べて日本の果物って、宝石みたいにきれいで、味もしっかりしていて、別格でした」

故郷を出て初めて、日本の果物の価値に気づいた樋泉さん。しかし当時は、地元に戻るつもりも、果物を仕事にするつもりもありませんでした。東京で会社員として働く日々の中、ある日スーパーマーケットで見かけた「山梨県産の桃」と「シャインマスカット」の姿にショックを受けます。

樋泉さん「正直、ぜんぜんおいしそうに見えなかったんです。山梨の名前がついてるのに、この見た目と価格じゃ、誰も本当の良さなんてわからないと思いました」

2個用のテイクアウトBOX

その“悔しさ”が原点となり、Bonchiが生まれました。「ただ果物を売る」のではなく、「果物の魅力を体験として届ける」。その思いをかたちにするため、流通、販売、商品開発を一貫して担う体制を築いています。

“果物は贈り物ではなく、暮らしの一部としてもっと身近であってほしい”

そのためにBonchiが選んだのが“スイーツ”という切り口。生活の中で自然に手に取れる形で、果物のおいしさをまっすぐ届ける挑戦が始まりました。

「果物の常識を変える」スタンド誕生の理由

代表・樋泉侑弥さん

樋泉さん「果物って、もっと自由に、もっと気軽に楽しめていいはずなんです」

今回の「Bonchi Stand」は、そんな思いをかたちにした、新しいフルーツ体験のスタンド型の店舗。

Bonchiの原点は、山梨県産を中心とした果物のEC販売。「もっと新鮮でおいしい果物を全国に届けたい」という思いからスタートしましたが、オンラインだけでは、果物の魅力を“体感”として伝えるには限界がありました。

樋泉さん「果物って、本当はすごくおいしくて、心を動かす力があるものなんです。見た目、香り、食感……五感で味わってもらわないと、本当の良さって伝わらないんですよね」

そこで、リアルな場で果物の新しい魅力を届けるために選んだのが、「スタンド」というかたち。そして中目黒という立地を選んだのは、「果物を日常的に楽しめる場所を、感度の高い人たちの生活圏に作りたかったから」だといいます。

艶やかな美しさに思わず息をのむ

看板商品である「フルーツレアチーズケーキバー」は、そんな想いをかたちにしたもの。ありふれた三角形のケーキではなく、スティック型にしたのは、「食べ歩きしやすく、見た目も美しく、写真映えするから」。しかもチーズムースは控えめで軽やか。メインの果物の甘みや香りを一切邪魔しない、計算された引き立て役です。

樋泉さん「僕たちがやるべきことは、“果物を口に運ぶまでの体験をどれだけおいしく設計できるか”なんです。たとえばパッケージを開けた瞬間、宝石箱みたいな感動を届けたくて」

「果物の常識を変える」——その挑戦は、ここ中目黒から始まっています。

全国の若手農家と歩む、持続可能な農業のかたち

店舗の前でサクッと食べるためのスペースも完備

樋泉さん「このままじゃ、10年後、果物を作る人がいなくなってしまうかもしれない」

樋泉さんの言葉は、未来の農業に対する強い危機感から出たものでした。

果物をもっと自由に、もっとカジュアルに楽しんでほしい——そんな思いでスタートしたBonchi。しかし、活動を進めるなかで気づいたのは、農業という産業自体が今、大きな岐路に立たされているという事実でした。

樋泉さん「僕たちはただ“果物を売っている会社”ではなく、“果物を未来に残すための会社”でありたいと思っています。」

現在Bonchiは、全国で約80軒の農家と提携し、産地直送の果物を扱っています。ただの取引先ではなく、生産者を“仲間”と呼び、長期的な関係性を築くことで、品質と供給の安定を両立しています。

さらに独自の農業研修プログラム「Farm the FARMER.project」を通じて、次世代農家の育成にも尽力。生産技術だけでなく、加工や販売までを一貫して学べる支援を行っています。

樋泉さん「日本の農業が直面している最大の課題は“継承”です。僕たちが果物を売ることで終わりではなく、果物を作る人を未来に残す仕組みまでつくっていかないと、本当の意味でのサステナブルは実現できないと思っています」

実際、Bonchiは数多くの国産果物を扱い、そのネットワークを活かして飲食店やスイーツブランドへも供給を行っています。そうした土台があるからこそ、「Bonchi Stand」では、通年でフレッシュな果物を提供できるという強みにつながっているのです。

果物を“届ける”から“伝える”へ、そして“未来につなぐ”へ。 Bonchiは、生産と消費の循環を見据えた、持続可能なフルーツビジネスを目指しています。

「Bonchi Stand」から始まる、小さな未来の変化

都心で味わう、本物の果実のおいしさを。

中目黒の高架下にひっそりと立つ「Bonchi Stand」。一見、ふと立ち寄れるスイーツスタンドですが、その裏には「日本の農業の未来をつなぎたい」という情熱が詰まっています。

“果物をもっと自由に、もっとフラットに楽しんでほしい”

そんな想いからはじまったBonchiの挑戦は、レアチーズケーキバーというスイーツの形にとどまりません。むしろ、ここは“入口”に過ぎないのです。代表の樋泉さんは、今後の展開についてこう語ります。

樋泉さん「まずはこのスタンド型店舗を、今後2~3年で5店舗ほど展開したいと考えています。もっと多くの人にBonchiの商品、そして想いに触れてもらうために」

その先に構想しているのが、2028年を目標としたフラッグシップカフェの出店。そしてさらにその先、2031年には、「Bonchi Park(ボンチパーク)」という“泊まれる果樹園”の創設を目指しています。

樋泉さん「日本の観光農園って、まだまだ昔ながらの枠を出ていないと感じていて。ただ果物を狩って帰るだけじゃなくて、“本当においしい果物とは何か?”を伝えられる場所にしたいんです」

今後のBonchiの展開に注目です

Bonchi Parkでは、果物の収穫体験はもちろん、フルーツをふんだんに使った様々なスイーツや、果物を使った食事体験、そして地元農家との交流などを通じて、「どこで・誰が・どうやって作った果物か?」を体験的に知ることができ、さらには滞在型施設として、八ヶ岳や甲府盆地、富士山の眺望といった山梨の自然を活かしたオーベルジュ形式を構想しているそう。「観光農園」ではなく「体験農園」。そこには、果物の魅力を余すところなく伝えたいというBonchiの真骨頂があります。

樋泉さん「Bonchi Standが“果物の入口”だとしたら、Bonchi Parkは“果物の奥行き”。日本の果物の価値を、体験として伝えられたら」

誰かの“おやつの時間”が、果物の未来を支える一歩になる。 Bonchiの果物には、未来への希望が詰まっています。

WRITER:古林茜

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【SHOP INFORMATION】

SHOP:Bonchi Stand 中目黒

ADDRESS:東京都目黒区上目黒1丁目6−10 中目黒高架下川沿い HVEN

OPEN:10:00~19:00

CLOSE:不定休

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