Yahoo! JAPAN

KERA率いるKERA & Broken Flowers、結成3年にして発売する1stアルバムは2枚組ライブアルバム 「どうか大音量で聴いてドップリと浸って頂きたい」

SPICE

KERA & Broken Flowers

KERA & Broken Flowersが、2026年1月21日に1stアルバム『Road to psychedelic』をリリースする。

KERA & Broken Flowersは、KERAが田渕ひさ子(ギター/NUMBER GIRL,toddle)、かわいしのぶ(ベース/SUPER JUNKY MONKEY)、ハラナツコ(管楽器/鍵盤類)、REIKO(ドラムス)、杉山ケイティ(シンセサイザー)と結成したバンド。

今回アナウンスのされた1stアルバム『Road to psychedelic』は、過去3度のワンマンライブの録音を抜粋し、躍動感そのまま封じ込めた、バンドの現在地。ケラ&シンセサイザーズの楽曲から、ゆらゆら帝国、THE ROOSTERSのカバー、そして新曲も収録した2枚組ライブアルバムとなっている。

KERA & Broken Flowersは、12月27日に渋谷クラブクアトロにてワンマンライブを開催予定で、本公演では先行してアルバム販売も予定されている。ライブの前売りチケットは各プレイガイドにて発売中。

■『Road to psychedelic』発売に寄せて ――KERA

結成三年。ようやくファースト・アルバムが発売される。
趣味や道楽や気まぐれで集まった面子ではないことは、ライブを体験してもらえれば一発でわかると思うし、実際手ごたえのあるステージを何本かやってきた。
なにしろ、自分で言うのもあれですが、音がすごい。私はともかく、他のメンバーがすごい。田渕ひさ子のギターとかわいしのぶのベースが同時に聴けるのはBroken Flowersだけだ。
ハラナツコのサックスも私のソロで絡む時よりずっと主張が激しいし、レイコのドラムと杉山ケイティのシンセだって、シンセサイザーズ時代とは比べ物にならぬ飛躍を遂げている。

だけど、ライブだけでは足りないと感じていた。ここはやはりフィジカル作品が、一刻も早くほしいと。感じてはいたけれど、全員集まってスタジオに篭って一定の時間をかけ作品を作り上げるだけの時間がなかなかとれない。
昨今はデータのやり取りでダビングを重ねてゆくやり方でアルバムを作ることも充分可能だが、そんなやり方では嫌なのだ。とくにこのバンドでは嫌だった。そこで考えた。
昔、RCサクセションが、アコースティック編成からロックバンドへと見事な転生を遂げた際に、スタジオ盤ではなく、まずライブアルバム『ラプソディ』を発表したことを、思い出せる方は思い出してほしい。あれのマネである。
ファースト・アルバムはライブアルバムにしよう。しかも2枚組だ。
三本のワンマンライブからの録音に、スタジオで加工作業を施した。バランスが整えられ、ライブでの躍動感はそのままに、バンドの現在地を伝えるには最高の作品が完成したと思う。

タイトルの「Road to psychedelic」は、1930年代にボブ・ホープ、ビング・クロスビー、ドロシー・ラムーアのトリオで連作されたヒット・コメディ「Road to」シリーズからのイタダキである。
邦題は『アラスカ珍道中』『アフリカ珍道中』『バリ島珍道中』等々。だからこのアルバムタイトルを日本語にするならば『サイケデリック珍道中』なのである。

80年代にはニューウェイヴまっしぐらだった私は、90年代にはポップスに、テン年代からはノベルティソングやジャズに取り組んでいる。もちろん私が関わる以上、
それぞれの根っこには、きっとニューウェイヴ癖のようなものがあるのだろう。常にストレンジな驚きを求めている。
で、Broken Flowersはサイケデリックロックバンドである。60年代終わりに芽を吹いたサイケデリックロック は、様々な他ジャンルに影響を及ぼして、多様化した。「こんなものサイケじゃない」と言いたくば言え。
有頂天では「こんなのパンクじゃない」、ロンバケでは「こんなの渋谷系じゃない」と言われてきた私だ。ビクともしない。どうか大音量で聴いてドップリと浸って頂きたい。そしてライブに来てください。

【関連記事】

おすすめの記事