『あまり鳴かない』ことで知られる猫種5選 お迎え前に知っておきたいそれぞれの特徴
1.ロシアンブルー
青みがかったグレーの短毛を持ち、細身の体型が印象的なロシアンブルーは、静かで控えめな性格が特徴の猫種です。
気質が穏やかで鳴き声が少々低いことから、あまり鳴かない猫種として知られています。
もともとは、ロシア北部の自然発生した原種でしたが、戦争によって数が激減したため、各国のブリーダーたちによってほかの種と混血され、のちにロシアンブルーとして固定化されました。
エネルギーを節約して静かに過ごす気質があり、懐いた相手にはとても従順です。ときに「犬のような猫」といわれることもあります。
人間とは、必要最小限のコミュニケーションを好み、鳴き声も小さく控えめですが、人の気持ちを察する繊細さを持っています。
ロシアンブルーは静かで落ち着いた環境を好む人には、理想的な猫種です。
2.ペルシャ
ペルシャ猫は、鼻ぺちゃで平たい顔に長い毛が特徴的なゴージャスな猫種です。穏やかな性格で、あまり鳴かない猫種の代表格です。
イラン原産のペルシャは、1600年代にヨーロッパへ持ち込まれたのち、イギリスで繁殖が進められてきました。猫種のなかでも特に静かな性格で、活発に動き回るよりも、落ち着いてゆったりとした時間を過ごすことを好みます。
個体差によって多少違いはあるものの、神経質になることがあまりないため、環境の変化などにもストレスを感じにくいといわれています。
繁殖期のオス猫ですら、あまり騒がないといわれるペルシャ猫ですが、長毛が故に毎日のブラッシングのお世話はかかせません。
おうちでゆっくり時間をかけてお世話できる人に向いています。
3.ヒマラヤン
ペルシャとシャムを交配させたヒマラヤンは、長毛のシャム柄(ポイントカラー)が特徴的です。ヒマラヤウサギに似ていることから、ヒマラヤンと名付けられました。
鼻ぺちゃで顔は丸く、筋肉質の体型を持ち、性格は、ペルシャのおとなしく穏やかな気質を引き継いでいます。
ヒマラヤンが比較的静かな理由は、ペルシャ由来の落ち着いた性格と、シャム猫の知性が上手に組み合わさったことにあります。理解力があり、環境の変化にも適応しやすく、過度に声をあげることがありません。
高いところに登ったり、おもちゃで興奮したりすることもなく、飼い主に寄りそう暮らしを好みます。ペットがいても静かな環境を好む飼い主や、集合住宅暮らしの人にとっても理想的な猫種といえるでしょう。
4.スコティッシュフォールド
折れた耳や全体的にまん丸な体型がかわいらしいスコティッシュフォールドは、数ある猫種のなかでも長年の人気を誇っています。
最大の特徴であった折れ耳ですが、折れ耳同士の交配によって遺伝的な関節異常の問題が周知されるにつれ、交配種に配慮されるようになり、最近では立ち耳のスコティッシュフォールドも多く見かけるようになりました。
鳴かない猫としても知られるスコティッシュフォールドは、コミュニケーション方法に特徴があります。
ニャーニャー騒いで要求を伝えるよりも、足元に転がった状態で飼い主を見つめ、要求を伝えるなど体を使ったコミュニケーションを優先的に使うのです。
そのため、静かに過ごしたいけど、猫とのふれあいは大切にしたいという人にとっては、理想的な猫種といえるでしょう。
5.エキゾチックショートヘア
エキゾチックショートヘアは、ペルシャの短毛種としてアメリカンショートヘアと交配された猫種です。
やや大きくまん丸な頭に先が丸いちいさな耳、そして何より特徴的なのが短くつぶれた鼻ぺちゃ顔です。毛色や模様はさまざまなバリエーションがあります。
静かで落ち着いた性格で、ペルシャの温厚な性格とアメリカンショートヘアの丈夫な体質を持っています。運動量もあまり多くなく、大暴れすることはあまりないため、比較的飼いやすい猫種といえるでしょう。
エキゾチックショートヘアは、人との関わりを好みますが、過度に何かを求めることは少なく、静かに黙って寄り添うことを好みます。騒音が気になる集合住宅住まいの人にも選びやすい猫種です。
静かな猫種を選ぶ際の注意点
今回とりあげたあまり鳴かないおとなしい猫種たちにも、実際に飼育する際にはそれぞれの課題があります。
猫種としては、ほかの種類と比較すると静かなロシアンブルーですが、なかには活発な個体もいます。特に若い猫は運動量も多く、おもちゃで遊ぶ際などにはバタバタと走り回ることもあります。
そして、猫を飼う以上、ときには「音」以外の問題も生じます。
ペルシャやヒマラヤンは鳴き声も行動も控えめでうるさくなる心配は少ないものの、被毛が長く密集して生えているため、毎日丁寧な被毛のケアが必要です。日々多忙な人には難しいかもしれません。
スコティッシュフォールドは骨格の問題、ペルシャやエキゾトックショートヘアには呼吸器系の問題が知られていますので、将来的な発症の覚悟が必要です。
どのような猫種でも、あまり鳴かないなら、放っておいても大丈夫ということはありません。猫を飼いたいなぁと思ったら、お迎えする前に長期的な視点で飼育計画を立てることが大切です。
まとめ
今回は、「あまり鳴かない猫種」について紹介しました。
猫は犬と比べて鳴き声が控えめなので、近隣への影響がすくないという特徴がありますが、猫を飼うときには、猫種がどれほど静かであっても、日々のケアや環境の変化への配慮が欠かせません。
猫は個性の強い動物であり、おとなしい猫種であっても個体差があります。鳴き声だけでなく、日々のケアや健康維持が大切です。
けっして「鳴かない猫だから飼うのがラク」というわけではありません。迎え入れる前に、しっかりと準備を整え、責任を持って愛情を注いでいきましょう。