普段の食事が、体と心を作る土台に。日本の宝物「麹菌」を使った和食がおすすめな理由
「アレルギーや便秘、不眠、疲労感などの不調は『食』で見直すことができます」と話すのは、ポールズアリッサ(ありボス)さん。「未来の子どもたちに本物の食を紡ぐ」をテーマとする一般社団法人国際IBLPアカデミーを設立するなど、食にまつわる活動を積極的に続けています。彼女の著書『食べ物のこと、よく知らずママになりました からだと心と人生が整う食選びの教科書』(KADOKAWA)では、成分表示の見方、よく使われる原料、原材料などを紹介。添加物や遺伝子組み換え食品などに関しても丁寧に解説し、スーパーやネットでも手に入る「本物」の食品の見極め方も教えています。今回はこの本のなかから、「調味料」についての知識をご紹介します。
※本記事はポールズアリッサ(ありボス)著の書籍「食べ物のこと、よく知らずママになりました からだと心と人生が整う食選びの教科書」から一部抜粋・編集しました。
【基本の調味料】伝統調味料を作る大切な国菌
和食に含まれる麹菌は、日本の宝物
実は、日本人が昔から受け継いできた和食には、健康や美容を維持するパワーが秘められています。健康的でなおかつ環境への負荷が少ないサステナブルな食事として、今世界中から評価されているのです。
和食の鍵となるのは、醤油、味噌、酢などの伝統的な調味料です。これらは日本の国菌と呼ばれる「麹菌」の発酵の力を活かして造られています。
麹菌は、たんぱく質を分解するプロテアーゼと、でんぷん(糖類)を分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼという消化酵素を持っており、この3つの酵素をはじめ、たくさんの酵素によって素材が柔らかくなり、素材のうま味や甘みを引き出します。
さらに、麹菌には30種類以上の酵素やビタミンB群が含まれており、腸内環境を整える作用もあるため、美容や健康の分野でも活躍しています。
アミラーゼやプロテアーゼなど、酵素が失活することなく、菌が生きている味噌や調味料を選ぶのがおすすめです。
日々の食事でも和食を意識しましょう
和食を頻繁に食べる方とそうでない方との間には、病気のリスクや健康寿命に差が見られるといわれています。洋食や中華などの食事を選びがちな方は、1食分を和食に切り替えてみるなど、普段の食生活の中で少しだけ和食に意識を向けてみると、和食に多く含まれる発酵食品を取り入れることができます。普段の食事が、体と心を作る大切な土台となります。ほんの少しの工夫や意識が、日々の生活によい影響を与えていきます。できることからはじめてみましょう。
和食調味料に含まれる大切な菌
日本酒
米麹、酵母菌
酢
麹菌、酢酸菌
みりん
麹菌
味噌
麹菌、乳酸菌、酵母菌
醤油
麹菌、酵母菌、乳酸菌
※ 砂糖、塩は発酵調味料ではない