潮干狩りの手袋は何がベスト?【ゴム・軍手・穴掘りグローブ・素手を比較検証】
潮干狩りでは、割れた貝殻や石などで手を切る危険があるため、安全のために手袋を使うことが推奨されます。この記事では、定番の軍手、水に強いゴム手袋、安全重視の耐切創グローブなど、状況に応じた最適な手袋の選び方を考察します。さらに、「穴掘りグローブ」の使い方のコツや、あえての「素手」という選択肢についても詳しく解説します。
潮干狩りの手袋
潮干狩りでは、熊手を持って砂を掘り、熊手に貝の手応えがあったら、掘り起こした砂の中に隠れている貝を探し出すのが基本的なスタイルです。このとき、素手で砂をかき分けると、割れた貝殻や石、時にはガラス片などで手を怪我してしまう危険があります。手袋は、こうした危険から手を守るための重要なアイテムです。
特に、岩場が混じる場所や、鋭い牡蠣殻(かきがら)が多く落ちているような場所では、安全確保のため、手袋の着用を強く推奨します。
潮干狩りに使う手袋の種類
潮干狩りで使う手袋に「これが絶対必要」という決まりはありませんが、目的や状況に合わせて選ぶとより快適・安全に楽しめます。
軍手
軍手は最も手軽で安価ですが、水に濡れると重くなり乾きにくいのが難点です。濡れた貝殻は滑りやすいため、選ぶなら指先にゴム製の滑り止めが付いたタイプが良いでしょう。また、布製のため、牡蠣殻が混ざるような場所では、繊維がほつれて意外と破れやすいデメリットもあります。
ゴム手袋
ゴムや樹脂製の手袋は水に強いほか、グリップ力が高く、濡れた貝殻も滑りにくいのがメリットです。
選ぶ際は、水が侵入しても内部で溜まりにくいように、手首部分がしっかりフィットするタイプや、水抜けが良い素材・構造のものがおすすめです。
また、特に春先などまだ水温が低い時期には、水産作業用に見られるような肩近くまで覆う長いゴム手袋も役立ちます。袖口からの水の侵入を確実に防げるため、防寒効果も期待できます。
厚みについては、厚すぎると指先の感触が分かりづらくなり貝を見逃しやすい面もありますが、使い捨てなどの薄いタイプだと貝殻などで容易に切れてしまいます。安全面を考慮するなら、ある程度厚みのあるものを選ぶといいでしょう。
耐切創グローブ
何よりも安全性を最優先するなら、切れにくい特殊な繊維などで作られた耐切創(たいせつそう)グローブが最もおすすめです。
丈夫で長持ちする製品が多く、牡蠣殻など鋭利な漂着物や割れた貝殻が多い場所でも、ケガの心配をすることなく、安心して作業に集中できます。
特にお子さんの手袋を用意する場合は、このような防護性の高い丈夫な手袋を用意すると安心でしょう。
穴掘りグローブは使える?
指先にプラスチック製の硬い爪が付いた園芸用の「穴掘りグローブ」を、潮干狩りに応用する人もいます。
この手袋の利点は、爪で砂を効率よく掘り起こせるため、熊手がなくてもある程度の深さまで掘り進められることです。しかしその反面、指先の感覚がかなり鈍くなり、掘り出した砂の中から小さな貝を見つけたり掴んだりするのが難しくなるため、貝の選別作業には不向きです。
もしこのタイプのグローブを使うのであれば、利き手に装着して「掘る」作業専用とし、もう一方の手には通常の手袋(軍手など)をはめて使い分けをするのが賢明かもしれません。熊手も鋭利な刃物で怪我のリスクはあるので、代わりの選択肢として検討してみて下さい。
素手という選択肢
実は、潮干狩りに慣れてくると、あえて素手で挑むという選択肢も出てきます。主な理由は、指先の素肌で直接貝に触れることで、砂の中から貝を効率よく見つけだせるようになるからです。
しばらく掘り続けていると、重さや貝殻の摩耗具合といった微妙な違いからなのか、生きている貝か中身のない死んだ貝かを触っただけでなんとなく分かるようになることも。
効率を最重視する場合、この素手の感覚は非常に有効ですが、やはり完全な素手では怪我のリスクが高く危険です。そのため、筆者自身は、親指と人差し指の指先がカットされているフィッシンググローブ(軍手などの指先をカットしてもOK)を使い、ある程度の感度と安全性を両立させる形で臨むことが多いです。
ただし、怪我のリスクは上がるため自己責任。牡蠣殻や貝殻が多いなどの危険なポイントでは、しっかりと指先まで保護された通常の手袋を使用しましょう。
<TSURINEWS編集部・渡辺>