ケニアの路上でたまに見る「後部に『L』というステッカーが貼ってある車』の意味は?【カンバ通信:第417回】
ジャンボ。ケニアのナイロビでタクシー運転手をしているチャオスだよ。
道路を運転していると、後部に『L』というステッカーが貼られた車を見かけることがある。
なんだと思う? クイズにしようか。ちょっと考えてみて。チッチッチッチッチ……
はい、タイムオーバー! 答えは……
これ、「運転練習者用ステッカー」なんだよね。初心者マークというより、教習中だね。
ケニアでは、運転を習っている人は皆、「L」と書かれた赤いステッカーを貼らなければならない。
この文字は「新しいドライバーが運転している」という意味だ。
この標識は、他のドライバーに注意を促し、練習者の車から距離を取るように警告するものなんだ。
なぜなら、練習者はうっかり急ブレーキをかけてしまう可能性があるからね。
このステッカーは、車の両側、車の前部(バンパーの横)、そして車の後部(バックスクリーン)に分かりやすく表示する必要がある。そうすることで、他のドライバーは目の前の車が練習者だと分かり、注意することができる。
時々、この運転練習者が道をゆっくり走りすぎるせいで、大きな交通渋滞を引き起こすことがある。
他のドライバーは腹を立てて、「少し車を脇に止めて、他の車を通したらどうだ」と言ったり、練習者ドライバーに悪態をついたりするんだ。
その一方で、慰めてくれる人もいる。「がんばれ!」と応援してくれる人もいる。
よってこの『Lステッカー』が貼ってある間、教習中のドライバーは道でたくさんの経験を積むことになる。それもまた教習のうち。
ちなみに、私は自分の運転技術に十分な自信があったので、教習中も練習者用ステッカーを車に貼らなかったよ。教官も「君はいいや」と。
そんな経験もあり、私はドライバーになったってわけさ。天職ってやつだね。皆さんも天職で働けていますように。では、クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.