生成AI活用した「目標設定支援プロンプト」で管理職の業務効率化 パーソルHDの女性活躍支援策
パーソルホールディングス(東京都港区)は、女性管理職比率の向上を目指し、生成AIを活用した目標設定支援プロンプトの導入と、管理職候補者向けの研修を10月より開始した。
パーソルグループは、2030年までにグループ全体の女性管理職比率を、総合職の女性比率と同等の37%にすることを目標としている。パーソルホールディングス単体では、2024年度に30%を超え、グループ全体でも過去最高の27.6%を記録した。
こうした新たな施策の導入により、管理職の業務負担を軽減し、女性管理職のさらなる増加を目指していくとしている。
「管理職をラクにする」環境づくりと、女性管理職候補者の支援に重点
同社では女性管理職比率向上を目指し、以下の2点に重点を置いた施策に取り組むという。
・管理職業務負荷の軽減
・女性管理職候補者への研修と支援
管理職業務負荷の軽減
現場ヒアリングを実施した結果、管理職が「部下の目標設定面談」に多くの時間を要している実態が明らかになった。この課題に対し、4月からは社員を対象とした「目標設定スキル研修」を導入。等級要件に沿った実現可能な目標を設定するスキルを習得させることで、管理職の負担を軽減している。
さらに、10月からは生成AIを活用した目標設定支援プロンプトを新たに開発。社員がAIとの対話を通じて納得感のある目標を立てられる仕組みを整備した。個人の課題や業務内容に応じて7種類のプロンプトを用意しており、社員の自律的な目標設定を後押しし、業務効率化をはかる狙いがある。
女性管理職候補者への研修と支援
4月から新任女性管理職に対し、経験豊富な管理職をメンターとして配置。半年間の定期的な面談を通じて、個々の課題や悩みに応じてサポートを行う。
10月からは女性管理職候補者を対象に、5か月間で計5回の「プレ管理職研修」を開始する。研修では、マネジメントに必要な知識を体系的に学ぶとともに、自身の「目指す管理職像」を明確にする内省などを行う。準備期間を設けることで、管理職としての意識と実務スキルを醸成する。
多様な人材活躍に向けたパーソルグループ自体の取り組み
パーソルグループでは、グループ共通のポリシーを掲げ、DEI(Diversity,Equity&Inclusion)を推進。社員の属性・価値観・能力といった多様性を生かすため、「トップコミットメント」「制度・環境整備」「風土醸成」の3つに取り組んできた。
2021年9月には、経営の直轄組織として「ジェンダーダイバーシティ委員会」を設置。委員会には、グループ各社の人事責任者およびCEO、CHRO、CEOが指名した委員長が参画する。女性管理職比率や男性育児休業取得率の向上に向けたモニタリング、グループ横断の分科会活動を毎月実施している。
同社の男性育児休業取得率における取り組みは、当メディアでも紹介している。
パーソルグループにおけるDEIの取り組み例トップコミットメント
・重要指標の設定・モニタリング・役員賞与ならびにSTI*評価指標への設定
・ジェンダーダイバーシティ委員会
・ジェンダーダイバーシティレポートの発刊など
制度・環境整備
・多様な働き方にかかわる制度導入・モニタリング(フレックスタイム、リモートワークなど)
・多様なキャリア形成支援(複業制度、グループ間異動・職種体験制度、研修など)
風土構築
・DEIリテラシー研修やマネジメント研修
・イベント「みんなでDEIを考えるかい」の開催など
発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。