台風10号 市内河川、氾濫寸前も 人的被害はゼロ
台風10号の影響により、厚木市・愛川町・清川村でも29日から30日にかけて記録的な大雨を記録。各自治体では、避難所の開設や被害状況の把握など対応に追われた。3自治体には一時、土砂災害警戒情報が発表されたほか、厚木市は災害救助法が適用された。
厚木市
厚木市では8月29日午後11時28分、七沢地区で土砂災害が発生する可能性が高まったことから、警戒区域に住む367世帯・1068人に警戒レベル4にあたる避難指示を発令した。
河川氾濫の危険も相次いだ。30日深夜から早朝にかけては、玉川と荻野川で氾濫の可能性が極めて高まったとし、浸水の危険がある両河川沿いの計4636世帯・1万2405人に避難指示が出された。
30日には市内に土砂災害警戒情報が発表され、避難指示の対象者は1万1451世帯・3万1526人に及んだ。
厚木市危機管理課によると、避難所には最大で42世帯・58人が身を寄せたという。市内の被害状況は、がけ崩れが玉川地区で2件、小鮎地区で1件報告された。浸水被害は床下が1件だった。荻野地区の690戸で29日午後6時39分から、七沢地区の140戸で30日午前6時31分から停電が発生した。人的被害はゼロだった。
大雨による相模川増水の影響を受け、酒井スポーツ広場と戸沢橋スポーツ広場では一面が冠水した。
晴れ間がのぞいた31日、水が引いた酒井スポーツ広場には大きな水たまりが残り、テニスコートには巨大な流木などが堆積。市では復旧に向けた準備を進めており、管理事務所のスタッフは「土日は予約で埋まっていたが、当面は利用できないだろう」と話した。
清川村
清川村では、村役場隣の生涯学習センターせせらぎ館に9世帯23人が避難した。
また、谷太郎林道と法論堂林道が通行止めとなった。
愛川町
愛川町危機管理室によると、雨の影響で文化会館に4人が避難した。
町内では目立った被害などはなかったという。