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ヤマハ野球部のインスタ、人気じわり!選手の素顔や社会人野球の魅力発信 〝仕掛け人〟は昨季引退の150キロ右腕、近藤卓也さんと7年目の高杯翼捕手

アットエス

インスタを担当している近藤さん(右)と高杯捕手

静岡県浜松市を拠点とする社会人野球チーム・ヤマハのインスタグラムがじわじわと人気を広げている。選手紹介や試合日程、結果だけでなく、選手の素顔を引き出す2択クイズや、社会人野球ならではのユニークな練習法を紹介するなど、新しいファンを引き付ける内容になっている。

〝仕掛け人〟は昨季限りで現役を引退した元投手の近藤卓也さん(30)と、7年目の高杯(たかつき)翼捕手(28)だ。2人は「インスタを通じてヤマハ野球部の存在を知ってもらいたい」と張り切っている。

「魅力、アピールしたい」

昨年末、ヤマハでの8年間の現役生活を終えた近藤さん。187センチの長身から最速150キロの力強いストレートを繰り出す右腕で、7年連続都市対抗本大会出場、2023年都市対抗準優勝を果たしたヤマハ投手陣の一角を担い、先発、中継ぎとも実績を残した。入社直後の2年間は本大会出場を逃す不遇も経験した。

「(現役時代は)よく走り、よく投げ、よく練習したのはいい思い出。一方で何をやってもうまくいかない、勝ち方もわからなくなった時期もあり、つらい思い出も多いんです」と振り返る。

ただ、チームへの愛着は強かった。「投手全員がライバルというより仲間意識があり、全員で乗り切ろうという雰囲気でした。練習参加した学生にもよく言われるんですが、ヤマハ野球部って雰囲気がいいんです」。チームの魅力を広く知らしめることが引退後の最初の仕事になった。

地元・浜松で認知広げる

練習の合間に波多野陽介投手(左)と談笑する近藤さん(中央)、高杯捕手

今年2月、YCS企画推進グループに配属され、野球部事務局の仕事のほか、同じ静岡県西部地区を拠点とするサッカーのジュビロ磐田、ラグビーの静岡ブルーレヴズなどとの連携を強化する取り組みに携わることに。社内で「野球部の存在価値を高めるためにPRしていこう」という機運が高まっていたこともあり、まずはフォロワー数が伸び悩んでいたインスタの〝てこ入れ〟から始めることになった。

「引退してすぐにこの部署に入ったので、部員目線で話したり、野球部との距離感も近いという利点がありました」と近藤さん。「まずは浜松市の皆さんに、ジュビロやレヴズと同じように認知してもらい、野球をやっている子供たちにヤマハに入りたいと思ってもらえるように」と発信力を高めていくつもりだ。

選手が撮る選手の素顔

高杯捕手の撮影に応じる清水蓮投手(右)

近藤さんの提案に対し、協力を買って出たのが高杯選手だ。自身のスマートフォンで撮影しながらアプリを使って加工、編集も手がけている。

「生まれ変わるなら?木村拓哉vs大谷翔平」「一生サイゼリヤvs一生マクドナルド」などの究極2択クイズや、「おすすめのアニメやドラマ」「浜松のおすすめスポット」といった質問を通じて選手の素顔を伝えたり、一般にはなじみのない独特な練習方法をアップしたりして、フォロワーの関心を呼んでいる。

舟久保秀稔外野手

好評だったのが、捕手がワンバウンド捕球の体勢からボールを取りに行くまでのタイムを測る練習や、ハードルを使った盗塁のスライディング練習など。小中学生も楽しめるようなテーマ、流行を織り交ぜた企画もある。

目指せフォロワー1万人

佐藤大善投手

もともと写真や映像を撮ることが好きだった高杯選手は、チームの先輩選手2人から結婚式の余興映像の編集を頼まれた経験を機に、インスタを通じた発信に関心を持ったという。結婚式の映像づくりで配慮したのが「内輪受けはダメ。新婦側をどう笑わせるか」。その観点はチームのインスタにも生かされている。

吉山朝陽投手

選手自らが仲間を撮影することで「(撮られる)選手の表情が変わった」と社内でも評判だ。2月10日のキャンプイン直後に始動し、5100人だったフォロワーは約2カ月間で5760人に増えた。「理想ではもうちょっと増えるんじゃないかと思っていたので、まだまだですね」と、新たな企画を考案中だ。目標は今年中にフォロワー1万人という。

とはいえ高杯選手の本業は野球。2023年に都市対抗大会で準優勝した際に一気にフォロワーが2000人増えたと聞いた。「やっぱり勝たないと。野球をやっている以上、そこが一番大事」。勝利こそ、チームへの関心を高める一番の近道と肝に銘じている。

(編集局ニュースセンター・結城啓子)【取材後記】社会人野球を取材するようになって、そのレベルの高さに驚きました。野手の打球スピード、飛距離、投手の球のキレ、制球力、どれをとっても高校生までとは異次元でした。インスタを通じて、その一端を見ることができるのではと思います。

6月5日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアム(愛知)で開幕する都市対抗大会東海地区2次予選の組み合わせが決まりました。社会人にとっての都市対抗大会は、高校生にとっての夏の甲子園に例えられます。東海地区は激戦区で、出場6枠を争う2次予選は常に、見応えのある接戦となります。大人の究極の真剣勝負です。ヤマハのインスタを見て社会人野球に興味、関心を持った方は、ぜひ現地で観戦してみてはいかがでしょうか。

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