カラフルなアメリカザリガニがいるって本当? アメリカザリガニの体色が変わる理由
日本全国どこでも見ることができるアメリカザリガニ。子どもの頃、ザリガニ釣りを楽しんだ人も多いのではないでしょうか。
ミシシッピ川流域を中心としたアメリカ南東部からメキシコ北東部が原産地。ウシガエルなどの餌として持ち込まれたものが野生化しました。2023年6月には「条件付特定外来生物」に指定され、野外に放したり、逃がしたりすることが法律で禁止されています。
そんなアメリカザリガニですが、赤色以外の個体が存在することを知っていますか?
なんとアメリカザリガニの色は食べているエサによって変化するのです。そのため、赤以外にも、白色や青色、オレンジ色などのカラフルなアメリカザリガニも存在します。
アメリカザリガニの色はエサによって変わる!
アメリカザリガニの色は食べているエサによって変わります。最初からすべてのザリガニが赤いわけではありません。
というのも、アメリカザリガニの色はエサに含まれるカロテノイドの影響を受け、カロテノイドを多く含むエサを食べると赤く変化するからです。カロテノイドは植物で作られる赤色や黄色の色素で、ニンジンやトマト、柑橘類などの身近な食べ物にも含まれています。
この仕組みを利用し、さまざまな色素を含むエサを与えて、オレンジ色や黄色、ピンク色などのカラフルなアメリカザリガニを作り出すことに成功した事例もあります。
青っぽい色や白色のアメリカザリガニは自然界にも
カロテノイドの少ないエサを食べているアメリカザリガニは、白色や青っぽい見た目をしています。
なぜなら、アメリカザリガニの体内にカロテノイドが入ってこなければ、赤色の色素が作られないので赤色にならないからです。
我が家で飼っているアメリカザリガニも、池で捕まえた当初は赤みが少なく、青みがかった色をしていました。
しかし、カロテノイドを含む市販のエサを食べさせたところ、数日で殻の色が赤く変化しています。
アメリカザリガニを飼育する時は<色の変化>を観察しよう
白色や青色のアメリカザリガニを捕まえたら、与えるエサを変えて色の変化を観察してみるとおもしろいですよ。お子さんが生き物に興味をもつきっかけにもなるので、ぜひ試してみてくださいね。
なお、アメリカザリガニは条件付特定外来生物に指定され、飼育することは可能ですが、野外に放つことは禁止されています。加えて、逃げ出さないような容器で適切に飼育することも求められます。
飼育する場合は命を預かる責任を理解したうえで挑戦してみてください。
(サカナトライター:佐倉千紗)