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【能登から伝えたいこと】能登で、まちの魅力を住民に話してほしい~能登町役場・灰谷貴光より~

さんたつ

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2024年元日に北陸地方を突如襲った能登半島地震。特に能登半島ではその被害が大きく、住宅の傾斜、液状化など、町もそこにある暮らしも、以前と同じではなくなった。同年9月21日、今度は観測史上最大の豪雨が襲った。能登にはもちろん、いまもそこに住む人たちがいる。能登を少しずつ動かし続ける人たちがいる。彼らのメッセージを受け取って、能登のいまを知ってほしい。『旅の手帖』2024年10月号から、能登町役場復興推進課の灰谷貴光さんの話をお送りします。

能登のいまを伝える人:灰谷貴光 (はいやたかみつ)

能登町役場に掲げられた能登高校書道部の書と灰谷さん。「地震によって、人とのつながりの大切さを実感しました」。

能登町出身。能登町役場では2015年から地方創生を担当する地域戦略推進室に、2024年4月1日からは復興推進課に所属し、町の復興計画の策定を担当している。趣味はカメラで、海越しに北アルプスが見えた時に、夢中になってシャッターを切るひとときが好き。

 

能登で、まちの魅力を住民に話してほしい

函館や八戸と並び、日本三大イカ漁港の一つ・小木(おぎ)港がある能登町で、イカ釣り漁師の家に生まれ育った灰谷貴光さん。

イカをテーマにした「イカす会」という一大イベントや、話題の「イカキング」の誕生などにも関わり、自らもイカの被り物を被って、イカの町のPRに尽力している。能登町役場の職員でありながら、その型破りな活躍ぶりに「イカれた公務員」とも称され、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2020」にも選ばれている。

朝獲れイカのつかみどりやイカ焼きコーナーなど、イカづくしの「イカす会」(2024年は中止)。

灰谷さんはじめ、いま地域の人たちは、これからの能登について議論しているところだ。世界農業遺産として、世界に認められた能登の暮らしをどう受け継ぐか、そのなかでどう経済を回していくのか。

灰谷さんは、能登に定期的に通って来てくれる、いわゆる“能登ファン”の人を増やしていくことが大事だと言う。

「奥能登の人は奥ゆかしくて、おすすめなどを聞いても『何もないわいね』って答えるかもしれません。それには過疎化で地域の誇りが薄れて自信がなくなっているせいもあります。

でも、ここで暮らしている人たちは心の中では愛着を持っています。旅行にいらしたらぜひ、そのへんをちょっとくすぐるような質問をしてほしいのです。

それで、住民の方々は能登のよさを再認識し、エネルギーとなって、復興にもつながります。また、そんな質問をきっかけに意気投合し、能登ファンになっていただけたらなによりです」

5月に小木で行われる「とも旗祭り」。2024年は中止となったが、2025年3月で閉校になる小木中学校の生徒たちが復興を願い、旗を制作して船に掲げた。
天候に恵まれれば、能登町から海の向こうに北アルプスの峰々が一望できる。

取材・文=若井 憲 写真=灰谷貴光

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