育児もラリーもフル回転! 3児のママドライバー小川由起さんの挑戦
四日市市下海老町でフットケア業を営む小川由起さん(31)は4~7歳の3児のママ。同時にラリードライバーとして精力的に活動している。ラリーで地域を盛り上げたいと、自らのチームも立ち上げた。元気いっぱいのママの活躍が子どもたちの笑顔のもとにもなっている。5月下旬、新たに女性ドライバー限定の「Women’s Rally Cup」が開幕。小川さんはこのシリーズに参戦し、6戦を通じて初代チャンピオンを狙う。
◆子育てしながら、夢中になれる時間
昔から運転が好きで、ラリーは末っ子の桔平ちゃん(4)が生後8か月の時、フットケア指導を担っていた医療機関のチームの誘いで会場に行ってとりこになり、とんとん拍子で競技に出場できるライセンスも取得した。キャンプが趣味の夫・泰生さん(34)とは日頃から家事育児を分担し、お互いに好きなことを諦めないスタイル。ドライバーデビューも応援してくれた。
遠征で家を空けることが多く、最初は子どもたちと一緒にいない時間への不安があったが、心配はいらなかった。長男・雅生さん(7)は、キッズケータイで「結果どうやった?」「3位?すげーじゃん」などラインしてくれる。長女・紬木さん(6)は「ママかっこいい。私もラリーしたい」。桔平ちゃんは「ママ、またラリー?行ってらっしゃい」と笑顔で見送ってくれるそうだ。
【写真・ラリーカーをバックに家族と=小川さん提供】
◆ラリーの楽しさを、もっと身近に
公道で市販車ベースの車両がタイムの正確さと速さを競うラリーは、ドライバー、コ・ドライバー(ナビゲーター)、メカニックのチームワークや路面状況への対応力が試される。選手と観客の距離が近く、親しみやすい雰囲気も魅力だ。
3年半で様々な大会に出場して経験を積んだ小川さんは、ラリーが持つ地域活性効果にも注目、昨年「地元に貢献したい」と自らチーム「RAプロジェクト」を立ち上げ、中部近畿ラリー選手権丹後半島ラリー2024 のDE-6クラスで優勝するなど、好成績を残している。今年は市のマスコット・こにゅうどうくんの特大ステッカーを貼ったトヨタヤリスで参加大会の完走を目指す。
今後は、車両のイベント展示によるPR活動や、ラリーに興味を持ってもらうための同乗体験イベントなども企画する。「まずは知ってもらう場をつくりたい」と、ラリー文化のすそ野を広げる活動にも力を入れる。
【写真・メカニックもこなす=小川さん提供】
◆女性ドライバーの活躍に注目集まる
5月24、25日の豊田しもやまラリー(愛知県豊田市)では、合計75台がエントリーする中、選手権併催で新設された女性ドライバー対象で全6戦構成の「Women’s Rally Cup」が開幕し、小川さんは女性ドライバー10人の1人として出場する。現在ラリー界では女性ドライバーやコ・ドライバーの育成、参加促進に力を入れており、このシリーズの結果は大きな注目を集めそうだ。
また、6月21、22日のいなべ市大安町鍋坂のFUJI HUBを起点に、永源寺・石槫峠・大安の3ステージで熱戦を展開する「いなべ東近江ラリー」(「Women’s Rally Cup」2戦目)にも参戦予定。小川さんは「仕事も育児も全力で楽しみつつ、ラリーの可能性を追求したい。子どもたちにはママの活躍する姿を見せたい」と話している。
小川さんは、X(@ra_project2024)やインスタグラム(@yuki_ogawa.8322)で情報を発信している。