【メバリング】極細PEラインのメリットとデメリット 細すぎると釣り人ですら見えない?
近年の釣り具のフィネスの進みたるや尋常なものではない。リールを例にとると、1000番130gという数字も当たり前のように出てきた。ましてラインなど、必要性にかられて、異常に細い号数が出ている。たとえばPEライン0.1号をメバリングでどう使うというのか?0.06号とかまであるわけだが――。
PEライン0.1号ってどうなの
イトが細ければ細いほどアタリが増えるというのがライトゲーム界の「常識」ともいえる。筆者自身も細イト派なので、実際にそのような気がする。ただ、個人的にPEラインは0.3号からが真に使いのものになるレベルだと思っている。それ以上細いのは、リスクと引き換えにちょっとした「欲」を出したいときだ。
メバリングで今一般的に使われているPEラインの号数といえば0.2号くらいだろう。およそ4lbの強さがあるので、魚との引っ張り合いっこで負けることはまずない。細さゆえのもろさもあるが、メンディングに慣れてしまえば高切れも低減できる。どうかすると4lbとはオーバーなライン強度でもある。もちろん、細くて強いに越したことはないけれど。
PEラインには0.1号、0.08号、0.06号という究極の細さがある。ここまで細くすることに、果たして実用的な意味はあるのだろうか?筆者の印象としては、「ジグ単ではかなりアドバンテージあり」だ。
フィネスの操作性アップ
メバリングに0.1号のラインを使う。リーダーは4lb程度だ。そして、0.8gのリグをキャストしてみる。すると、0.3号で同じ重さを投げたときの、倍近く飛ぶ。飛距離の面で、まずそれほどまでの強みがある。1gアンダーでは圧倒的にハイクオリティのラインだ。
むろん、細いので感度もいい。小さなメバルやサバのチップするようなアタリも感じられる。またここまで細いとエステルラインにも負けない水なじみがあり、アジングにも本格利用できる。アジングアングラーで、たまにメバリングも同じ竿でという人なら、0.08号あたりは本命かもしれない。
フィネスの操作性がアップ。スレたメバルの攻略、深いレンジにいる大型の攻略、人的プレッシャーが高いエリアでの沖への遠投など、細くすることで得られる有効性は高い。ただし、ここまで細くしてしまうとプラグが投げにくい。「大丈夫だ」と心の中では思っていても、投げるのが怖かったりする。
アタリの数も増えるかも
ラインが細いとアタリの数が増える、と言われる。水中に透過性のないPEラインを入れると影になって不自然に見えるらしいのだが、0.1号まで細いと魚ももはや何も気にしない気がする。群れが濃いときには魚が平気でイトに体を当ててきたりするので、それほど見切られにくいのだろう。
小型メバルハント、0.5gアンダーのジグ単。あるいは少し重めのリグで深場攻略など、ラインの細さを生かせばできることの幅が増える。そのような意味でも、アタリの数を増やせるといえるだろう。
ただ25cm以上の大型が頻々と到来する釣り場やチヌやシーバス混じりでは、さすがに0.1号を第一に推奨することはできない。まあそんな状況でもエステルラインでアジングをやっている人がいるわけだが、それはアジングアングラーのマインドなのだ。
0.08号までやってみる?
筆者が二年近く触った限り、PEライン0.1号は十分メバリングのジグ単ゲームでメインラインとして信用に足る。もしかすると、もう少し細くてもいいかもしれない。先ほども述べたが、0.08号だ。これでアジングと両刀してしまえば、タックルのシステムも使い分けが必要ないわけで、非常にラクである。
実は私は0.06号の細さまでPEラインを触らせてもらったことがある。釣り場で隣同士になったアングラーに操作させてもらったのだ。どうもワカサギ用の細さでは珍しいことはないらしいが、さすがに海にめがけて投げると細すぎるとは思った。何せ、どこにキャストしたかわからないほど、イトが細すぎて見えないのだ。極限の細さに挑戦するなら、まずは0.1号をおすすめしたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>