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犬が飲み込んでしまう可能性のあるモノ4選 誤食による危険な状態や未然に防ぐためにすべきことまで

わんちゃんホンポ

犬が呑み込んでしまう可能性のある4つのモノ

1.小さくて硬いもの

小さくてかたい異物は、犬が噛み砕かずに飲み込んでしまいやすく、食道や胃を通過して腸に詰まる(閉塞)リスクが極めて高い危険物です。具体的には、コイン、ボタン電池、おもちゃの小さな部品(プラスチックや金属)、ペットボトルのキャップなどがこれに該当します。

特に電池や鋭利な金属片などは、閉塞だけでなく、消化管の粘膜を傷つけたり、穿孔(穴あき)を引き起こす可能性があるので特に注意が必要です。ボタン電池は、体内の水分と反応して化学やけどを起こし、消化管に重度の損傷を与えることが知られています。

これらの異物は、胃酸でも溶けず、自然な排泄も困難なことが多いため、摘出には内視鏡や外科手術が必要となり、愛犬に大きな負担をかけることが多いです。犬の目線にある床やテーブルの上など、常に周囲に小さな危険物が落ちていないか細心の注意を払うようにしましょう。

2.細長いもの

細長い異物は、消化管内でアコーディオン状のひだ寄せを引き起こし、深刻な事態を招く危険があります。具体的には、靴下、ストッキング、布切れ、デンタルフロス、縫い針と糸、毛糸などが挙げられます。

これらの異物は、飲み込まれた後、一方の端が胃や舌の付け根などに引っかかり、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)によって他方の端がさらに奥へと引き込まれます。その結果、腸が細長い異物に沿って手繰り寄せられる形になり、腸間膜や腸壁が裂けてしまう危険性があるのです。

これは「線状異物」と呼ばれ、腸穿孔を起こすと、腹腔内に内容物が漏れ出し、命に関わる腹膜炎を引き起こします。単なる閉塞よりも処置が難しく、開腹手術が必要となるケースがほとんどです。

布製品やひも類は犬の生活環境に多いため、「ただのゴミ」と軽視せず、犬の手の届かない場所に保管することが重要です。

3.消化できないもの

消化できない異物は、栄養価がないにもかかわらず犬が興味を示して口にしやすく、体内で長期的に残留して問題を引き起こす可能性があります。これには、石、木片、プラスチックの破片、ビニール袋、乾燥剤、シリカゲルなどが含まれます。

これらの物質は胃酸で分解されることなく、胃や腸内に留まり続けることがあります。特にビニールなどの薄いものは、胃の中に留まって食事の通過を妨げたり、断続的な嘔吐の原因となることがあるので注意しましょう。

また、石や木片などは、消化管の物理的な刺激物となり、慢性的な炎症や出血を引き起こすこともあります。

公園や散歩中に犬が石や木片を口にするのを許してしまう飼い主もいますが、これらの異物は体内に蓄積する危険性があり、将来的に閉塞や胃腸障害の原因となるため、屋外でも拾い食いをさせない厳格なトレーニングが必要です。

飼い主同士の立ち話で目を離したすきに誤食する場合もあります。散歩中の愛犬への注意は絶やさずに行いましょう。

4.毒性のあるもの

毒性のあるものは、誤って少量でも飲み込んでしまうと、中毒症状や臓器不全を引き起こし、命の危険に直結します。最も一般的な危険物は、人間の医薬品(特に痛み止め、風邪薬、精神安定剤)、タバコの吸い殻(ニコチン)、特定の植物、洗剤や漂白剤、化粧品、そして犬にとって有毒な食品(チョコレート、キシリトール入りのガムなど)です。

これらの物質に含まれる化学成分や毒物が体内に吸収されると、嘔吐や下痢といった消化器症状だけでなく、痙攣、呼吸困難、腎不全、肝不全などの重篤な症状を短時間で引き起こす可能性があります。

特に誤食が疑われる場合は、様子を見ることなく、食べたものの名前、量、時間を正確に把握し、一刻も早く動物病院に連絡することが、犬の命を救うための最優先事項です。

誤食による危険な状態と症状

誤食によって犬の体内に引き起こされる危険な状態は、主に消化管閉塞、消化管損傷、および中毒の3つに分けられます。

これらの状態は、急激で継続的な嘔吐(食べたものすべてを吐き出す、または持続的な空吐き)や食欲不振、そして腹痛(お腹を触られるのを嫌がる、前足を下げてお尻を上げる姿勢)として現れます。

完全閉塞が起こると、水すら通過できなくなり、脱水症状が進行し、衰弱る可能性が高いです。ただし、不完全閉塞と言って、通過機能だけは残っている場合、症状がすぐに露見しない場合もあります。注意してあげてください。

消化管の損傷(穿孔)を伴う場合は、激しい腹痛やショック状態、発熱など、命に関わる緊急事態となるので特に注意しましょう。

毒性のあるものを食べた場合は、食べたものによって異なりますが、よだれを大量に流す、ふらつきや酩酊状態、痙攣、呼吸困難といった神経症状や、粘膜が蒼白になるなどの循環器系の異常が見られます。

これらの症状が現れたら、誤食から時間が経過している可能性が高く、迅速な対応が必要かつ危険な状態であることを認識しなければなりません。

誤食を未然に防ぐために飼い主にできること

誤食事故を未然に防ぐためには、犬の行動特性を理解した上での徹底した環境整備と、日々のしつけが不可欠です。まず、犬が口にできる危険物を犬の行動範囲から完全に排除するようにしましょう。

床やテーブル、低い棚の上には、医薬品、化粧品、電池、タバコ、アクセサリー、リモコンなど、誤飲の可能性がある小さな物を一切置かないようにします。ゴミ箱は、犬が開けられないように蓋付きやロック付きのものが安心です。

次に、「拾い食いをさせないしつけ」を徹底します。散歩中や自宅で「出せ(放せ)」や「待て」の指示を教え、万が一、犬が何かを口に含んでもすぐに吐き出せる訓練をしておくことが重要です。

また、特に子犬や留守番が多い犬には、適切な監視と、誤食の危険性がない安全な知育玩具を与えて、破壊的な行動や退屈からくるいたずらを防ぐ工夫もしておきましょう。

まとめ

犬の誤食事故は、飼い主の「大丈夫だろう」という油断から発生することが多いです。

小さく硬いもの、細長いもの、消化できないもの、毒性のあるもののいずれも、閉塞、損傷、中毒といった命に関わる危険な状態を引き起こします。

誤食を未然に防ぐための環境整備、しつけ、そして適切な監視は、愛犬の安全と健康を守るための飼い主の最も重要な責任であり、深い愛情の証です。

常に犬の視点に立って危険を察知する意識を持つことが、愛犬を危険から守る唯一の方法となるでしょう。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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