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2025年は巳年だから蛇にゆかりある神社仏閣へ初詣へ行こう!東京都内6スポットを紹介!

さんたつ

蛇にまつわる寺社

初詣はどこに行こうかと迷っている方、せっかくならその年にゆかりのある場所にお参りに出かけませんか?2025年は巳年です。そこで「巳年だからこそ参拝したい、蛇にまつわる都内の神社仏閣」をご紹介いたしましょう!

洞窟探検の先に祀られる宇賀神「江島杉山神社」【両国】

江戸情緒残る町にある「江島杉山神社」。

大相撲の聖地、両国国技館から南に徒歩で約10分の場所に「江島杉山神社」があります。

こちらの境内に、なんともミステリアスな雰囲気の漂う洞窟が。

勇気を持って中に入ると、最初の角に弁財天が祀られています。

暗がりに突如現れる宇賀神像。

そこからさらに奥へ進み、外の光も届かなくなったあたりに、トグロを巻いた蛇が!

しかしよく見ると、その頭は老爺。

これは、「宇賀神」という日本オリジナルの神様です。

弁財天もそうですが、池や川のほとりなどに祀られることが多く、こんこんと湧き出る水のイメージから、財運や豊作の神様として信仰を集めてきました。

このフォルム、まさに巳年にぴったりですね!

洞窟の奥に祀られているので、探検気分も味わえる楽しくもありがたいスポットです!

名前から境内まで蛇だらけ!「蛇窪神社」【西大井】

境内には個性的な蛇の像がたくさん。

東京都品川区にある「蛇窪神社」には蛇の像がたくさん祀られています。現在この神社が建っている場所はかつて「蛇窪村」と呼ばれており、地名から推測するに蛇の住む窪みが多くあったようです。

穴に巣を作って出入りする蛇は、神聖なあちら(神々)の世界と人間の住む現世を行き来する”神の使い”と考えられ古くから信仰の対象になってきました。

そこに、中国から入ってきた「龍」のイメージが合体して水神の性格を持ち、さらには昇り竜のイメージから出世の御利益があるとされています。

名前にまで蛇のついた神社、巳年に行かずしていつ行きましょう!

弁財天の聖地を模した「不忍池弁天堂」【上野】

(写真=蒼兎一美)。

上野公園内にある不忍池。実は、滋賀県の琵琶湖を模しています。

琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶじま)には、弁財天信仰の聖地とも言われる宝厳寺があります。

不忍池にも島があり、そこには竹生島の宝厳寺を模して「不忍池弁天堂」が建てられました。

弁財天はもともと、ヒンドゥー教のサラスバティーという神様で仏教に取り込まれて仏になった存在です。

サラスバティーが川のほとりに暮らした神様であったことから、曲がりくねって流れる川と蛇の進む姿を重ねて、弁財天の使いが蛇となったようです。

そのため、弁財天の祀られる場所には蛇の像や、蛇の体をした宇賀神の像が作られることがよくあります。

不忍池弁天堂は本尊の弁財天像は秘仏ですが宇賀神を見ることができます。

元祖山手七福神の弁財天を祀る「蟠竜寺」【目黒】

神聖な空気の中鎮座する弁財天(写真提供=蟠竜寺)。

今からおよそ500年前、「七福神」の信仰は室町時代の終わり頃から広まりました。そんな七福神のメンバーにも、蛇に関係の深い弁財天が名を連ねています。

都内にも20以上の七福神めぐりがあり、散歩がてらの参拝にうってつけです。

中でも「元祖山手七福神」は元祖という名前の通り、江戸で最初の七福神として誕生しました。

こちらの弁財天が祀られているのは目黒区の「蟠竜寺(ばんりゅうじ)」。

本堂脇の岩屋に入ると、外とはガラリと変わった神聖な雰囲気が味わえます。

その奥に鎮座する弁財天は、八臂(はっぴ=8本の手)を有する姿。宇賀神と習合(合体)した宇賀弁天という姿です。

農耕の神様であった宇賀神の御利益で五穀豊穣、弁財天の御利益で技芸上達や金運アップの祈願に参拝される人が多い仏です。

また、方角的に江戸城の裏鬼門であることからお寺が多く建てられた目黒の地の神仏でもあるので、厄除けの願いも聞いてくれそうですね。

お正月に七福神巡りをすることで、家内安全や商売繁盛の御利益があると言われていますので、思わずゴロゴロしてしまいがちなお正月の散歩にどうぞ!

女性の願いがよく叶う!?「吉原弁財天本宮」【三ノ輪】

壁面の仏画が美しい。

落語の世界では「観音様の裏」なんて言い方をしますが、観音菩薩を御本尊とする浅草寺の北側にある吉原は、かつて東洋一とも言われた遊郭でした。そんな中にあるのが「吉原弁財天本宮」です。

大正12年(1923)の関東大震災で発生した大きな火災から逃げようと、この場所にあった池にたくさんの遊女が飛び込み、数百人が亡くなったと伝えられています。

彼女らを弔うために祀られたのがこちらの弁財天。

そんな由来もあって、女性の祈願が叶いやすいとも言われています。

遊郭というと、現代では淫らな雰囲気がイメージされるかもしれませんが、芸能・芸術の発信源でもありました。

歌舞伎・文学・浮世絵・落語など、江戸の庶民が親しんでいた文化の担い手だった絵師や文人は、吉原に集まって酒を酌み交わしながらネットワークを作っていたのです。

弁財天は「技芸上達」の御利益でも知られるため、伝統芸能や芸術にも通じるこの場所には現代のアーティストが参拝に訪れることも。

壁面のカラフルな弁財天の絵は、未来のアーティストとも言える東京藝術大学の有志が描いたもので、こちらも必見です。

少女が蛇になった伝説も「井の頭弁財天」【吉祥寺】

最後にご紹介するのは、吉祥寺のすぐそばの井の頭公園にある「井の頭弁財天」。

こちらにも、不忍池と同様に宇賀神の像があり、独特なその姿を拝むことができます。

なお、この宇賀神像を寄進した夫婦に関する民話が……。

長年、子宝に恵まれなかった夫婦が井の頭弁財天にお参りをしたところ、かわいい女の子を授かりました。

その子が成長して、家族3人で弁天堂にお礼参りに来たところ、女の子は池に飛び込んでそのまま姿を消したと言います。

その後、女の子は白蛇に変わって池を守るヌシになったとされ、夫婦は娘を思って宇賀神像を寄進したのだそうです。

そんなミステリーな伝説も残る井の頭弁天堂への参拝も面白いかもしれませんね。

明治神宮や浅草寺など、大勢の人でごった返す神社仏閣への初詣も良いものです。一方、こうした「“今年”だからここに来た」と意味を持たせる初詣に出かければ、その意味もグッと深まるのではないでしょうか。

文=Mr.tsubaking 写真=Mr.tsubaking、蟠竜寺

Mr.tsubaking
ドラマー/放送作家/ライター
Boogie the マッハモータースのドラマーで、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌など担当。BS朝日「世界の名画」の構成、週刊SPA!、週刊プレイボーイなどに寄稿・執筆。温泉ソムリエ・仏教検定1級。

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