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【9000回特別企画】株式会社ヤナセ 整備士のイメージを変えて人手不足対策!!

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今日は、来年創業110年を迎える、輸入車販売の「ヤナセ」さんとの特別企画。

整備士不足対策に、整備士のイメージを変えていきたい!!

このところよく耳にする人手不足ですが、車の整備の世界でも同様に起きています。株式会社ヤナセアフターセールス事業部事業部長、大山久則さんにお話を伺いました。 

株式会社ヤナセアフターセールス事業部事業部長 大山久則さん

「ベテランのメカニックの方々も定年を迎えられる方が、結構な人数になってまいりますので、高い整備品質を維持するためには、本当に若手の雇用というのは不可欠と感じております。そうですね・・・整備士を目指す学生の方々は年々減少しているというのが現状ですね。

背景には、一般的に、縦社会的な職業で、残業も多く給与も低いと、そういった負のイメージが持たれていると思います。

ですから、まず我々としましては、工場のキャパシティに準じた人員配置、同時にDXも導入しまして、業務の効率化に取り組んでおります。ここ数年では、車の進化によりメカニックの方々がユニフォームが汚れることも格段に減っておりますし、老朽化した工場機器などの見直しも進めております。」

(こちらが、入社以来ヤナセ一筋!元メカニックの大山さんです!)

自動車整備士が減ってきてしまっているのです。ベテランの整備士の方々が多く定年を迎えることもあり、若手の雇用が不可欠なのですが、若者の車離れに加えて、自動車整備士という職業が、どうも負のイメージがあって、それも、整備士を目指しにくくしているんじゃないか、と、大山さんたちは考えました。

そこでまず、業務の効率化を行うことで残業を削減。また、車の進化で、昔のように整備士のユニフォームが真っ黒に汚れて・・・、というのは、今は減っているんですよと、リクルート活動のときに、学生さんたちには積極的に伝えています。

「エアコン効いてましたよね?」「はい!もちろんでございます!」

加えて力を入れているのが工場の環境改善。再び、大山さんのお話。

株式会社ヤナセアフターセールス事業部事業部長 大山久則さん

「今、ご覧いただきました工場はビル・インというかたちなんですけれども、お感じいただいたと思うんですが、排気ガスとかそういったのは、まったく無かったと思うんですよね。(エアコン、効いてましたよね。)はい!もちろんでございます!

これは、ビル・イン以外の工場もそうなんですけども、やはり職場の環境をしっかり整備する、従業員の方々の働きやすい環境を作るというところでは、本当に重要なことですんで、空調関係もそうですし、電飾関係もそうですし、学生の方々から、あるいは外国の方々からも、弊社を魅力に感じていただけるように、そういったところはホントにしっかりと、取り組んでおります。」

山手線の田町駅近くの大きなビル。そこの応接室で大山さんと話していると、「この下の階、工場なんですよ。」と。え?この静かな応接室の真下が工場?と疑いながら下の階に降りると、そこには、たくさんの車がボンネットを開けたり、タイヤを外されて並んでんでいたんです。本当に工場でした!(ビルの中にある工場で、ビル・イン)

(都心のオフィスビルの中に、整備工場が!修理中の車がずらり!)

驚くのは、車の排気ガスやオイルなどのにおいが全くしないこと。埃っぽくもないんです。よく見ると、天井に等間隔でダクトホースが設置されていて、そこから排気ガスを吸い出して、換気をしているそう。先ほどまでいた応接室とちっとも変わらない空気で驚きました。修理工場のイメージ変わりますよね。

(この矢印が、空気を綺麗にする秘密、ダクトホース!!)

入社5年、整備士の先輩の指導と社内の研修で成長!!

そしてもう一つ力を入れているのが、整備士の研修制度。実際にその研修を受けながら働いている方にお話を聞きました。株式会社ヤナセ東京支店整備課、ベトナムから来た自動車整備士のヴォー・チョン・チュウオンさんです。

株式会社ヤナセ東京支店整備課 ヴォー・チョン・チュウオンさん

「働いてからちょうど5年間たちます。購入された車の車検や点検、また故障時の修理を行います。そうですね、最近の車はコンピューター、100個くらい付いてますので、原因が、なかなか診断が一目で分からない状態ですね。

入社してからずっと、工場長から細かく指導受けてきました。もちろん、まわりの先輩(から)も教えてもらいながらですね。また、メーカーの研修も参加しており、新しい発見や知識も身に着けています。

まあそうすね。最初のころは、何回かやり直したりしたこともあるんですけど、どんどん成長してミスしないようにできるようになりました。不具合が解消し、お客様から、車の調子がいい!って言ってもらえると、その瞬間がいいですね。やった!という感じですね!」

(チュウオンさんが現在担当しているメルセデスベンツの前で記念撮影!)

チュウオンさんは、専門学校に通って国家整備士二級を取ってから入社しましたが、担当するメルセデスベンツの技術は学校の勉強と違うところが多く、ほぼゼロからのスタートだった、と。

しかし、周りの先輩整備士さんから学び、社内での研修を受けて5年。一人で出来る修理も増え、やり直しをすることなく修理できるようになってきました。入社してからでも、技術を獲得をしながら働ける環境になってるのは、心強いですよね。

ちっちゃいことだけど、とっても大事なことを教えています!

そして、最近では教える側になることも増えているそうです。再びチュウオンさんのお話です。

株式会社ヤナセ東京支店整備課 ヴォー・チョン・チュウオンさん

「最近ではヤナセでもベトナムから多くの人材を募集してますので、その中で役に立ってキャリアアップにもつながればいいと思ってます。

日本の文化とベトナムの文化は大きな違いがありまして、日本って「ありがとう」とか「すいません」と、すぐ言うじゃないですか?ベトナムでは、ほんとにすいません、とか、ほんとにありがとう、の時しか言わないすね。

それで、ちょっとした先輩がやってくれたことにも「ありがとう」とか「すいません」って言わないで、周りから、何だこの人って思われるんですね。

あと、日本だと時間ギリギリの時点でもう遅れてるっていうのあるんで、やっぱ、外国人には分からないんだよねと思われますね。それが現実なんですね。

もったいないですよ。ほんとにちっちゃいのことなんですけど、それが分からなかっただけでも、結局、仕事上手くいかないの、結構ありますね。そうすね、そういうことからなるべく教えるようにしてますね。」

やはり最後に大事なのは、コミュニケーションと人間関係。

チュウオンさんは日本に来る前は、日本は人間関係が複雑で難しいイメージがあって緊張していたそうですが、ヤナセはその心配しなくて平気でした、と。せっかく楽しく働けるいい職場だから、小さな文化の違いで仕事が上手くいかなくならないように、後輩たちに一生懸命教えています。

チュウオンさんの目標は、日本とベトナムの架け橋になること、ということでしたが、もうなってるかも、ですよね!これからも、がんばってください!

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)

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