G7首脳会議 ゼレンスキー氏が結束維持呼びかけ トランプ大統領の狙いは資源開坑?
2月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、について意見を交わした。
本当の狙いはアメリカにとっての実益
ロシアによるウクライナ侵略は2月24日、開始から3年を迎えた。先進7か国(G7)首脳は同日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も招き、テレビ会議を開いた。ゼレンスキー氏はG7の結束維持を呼びかけた。
早期停戦に意欲を示すトランプ米大統領がロシアに接近する中、ウクライナ情勢を巡り、日米欧の結束を示す共同声明が採択できるかどうかが焦点だ。
トランプ氏は米露主導で停戦交渉を進めようとしており、露側に配慮する姿勢が目立っている。
(寺島アナ)「この動きなんですが、田中さん、この辺りはどうご覧になってますか?」
(田中氏)「やはりトランプ大統領は自分の国の利益にならなければロシアに対して有利なことをやらないと思うんですよ。そうすると自分の国に対して、しかもトランプ政権の実績を訴えることとしたら“資源開坑”じゃないですか?“ロシアも資源を寄こせ”ってことだと思いますよ」
(寺島アナ)「田中さんがご指摘の通り、昨晩トランプ大統領が資源会議を行ったんです。だからトランプ大統領と電話会談のときに色々と話し合われているんじゃないか?という感じがしましたね」
(田中氏)「そうなんですか。トランプ政権はアメリカ第一主義、これを維持するためには経済と軍事力で一位になっていなきゃいけないわけですよね。それが至上命題です。その最大のライバルがロシアじゃないですか。インドも潜在的にはありますけど、ロシアと中国の間に楔を打ち込みたいわけです。もし中国とアメリカが、例えば台湾情勢で軍事的な衝突を起こした時、ロシアと結託されたらたまったもんじゃないですよ。だからここでロシアとアメリカの資源との結びつきを強めて行って、ロシアと中国の間に楔を打ち込む形に持って行きたい、という狙いもあるのかと思いますね。そうなると、やはりウクライナはとばっちりを受けてしまいますけど、ウクライナに対しても“資源を寄こせ”って感じですよね?」
(寺島アナ)「そうなんです。両方にいってる感じですよね」
(田中氏)「アメリカの国益というか、資源開坑としてウクライナ戦争をとらえている面が強いのかという気がしますね」
英紙フィナンシャル・タイムズなど欧米メディアは、G7の共同声明で、米国がロシアの「侵略」という表現を使うことに反対していると報じていた。
テレビ会議に先立ち、ゼレンスキー氏は、欧州諸国を中心とする首脳会合をキーウで開き、米露が進める停戦交渉に関し、拙速な合意に懸念を示した。ロシアとの停戦交渉には、ウクライナと欧州が参加すべきだとの立場も強調した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、記者会見を開き「ウクライナの平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」と述べ、みずからの進退をかけてウクライナに平和をもたらす覚悟があるという考えを示した。
(寺島アナ)「田中さん、こういう動きもありますね」
(田中氏)「日本の報道を見ると、トランプ政権がウクライナに非常に理不尽な要求をしていて、例えば戦争の在り方も“ウクライナからロシアに攻め込んだ”みたいな形容を実際にはしていますけど、その言葉をそのまま取っちゃうとただの強権みたいな形になるので、それはあまり得策じゃないと思います。第一次政権のときも似たようなレトリックをいっぱい駆使してたじゃないですか。それを思い出した方が良いと思いますね。本当の狙いはアメリカにとっての実益です。ウクライナ戦争も実益をしっかり取りたい、ということなんじゃないですかね?
〈出典〉
侵略3年、ゼレンスキー氏がG7の結束維持呼びかけ…共同声明を採択できるか焦点 | 読売新聞
ゼレンスキー大統領「平和実現するなら大統領を辞任する用意」 | NHK NEWS WEB