猫が『春に気をつけるべき健康トラブル』3選 季節の代わり目は猫も体調を崩しやすい?
猫の春の健康トラブル3選
春は気温や環境が大きく変化する季節で、猫の健康に影響を与えやすい時期です。この時期は換毛期による毛玉トラブルやアレルギー反応、ノミ・ダニの発生など、猫にとって注意すべき健康リスクが増えることが知られています。
こうしたトラブルを未然に防ぐには、原因を理解し、日々のケアを丁寧に行うことが大切です。本章では、春に特に気をつけたい猫の健康トラブルを3つご紹介し、それぞれの対策について解説します。
1.換毛期による毛玉トラブル
個体差がありますが春になると、猫の毛が冬仕様から春仕様へと生え変わる「換毛期」が訪れる個体もいます。毛の生え代わりが活発な時期に、猫は体を舐めて毛づくろいをする際に大量の抜け毛を飲み込みがちです。
これが原因で、胃の中に毛玉(ヘアボール)ができ、嘔吐や便秘、場合によっては腸閉塞といった問題を引き起こすこともあります。
毛玉トラブルを防ぐには、こまめなブラッシングで抜け毛を減らすことや、水分補給をしっかりと行うことが効果的です。また、毛玉ケア用のフードを取り入れるのもひとつの方法です。日々のケアで、猫が春を健康に過ごせるようサポートしましょう。
2.花粉症
春は花粉の季節ですが、猫も花粉症になることがあります。くしゃみや鼻水、皮膚炎などが主な症状です。特に外に出る猫や窓を開ける時間が長い場合、花粉にさらされる機会が増えるため注意が必要です。
猫の花粉症を防ぐには、室内に花粉を持ち込まない工夫が大切です。例えば、窓際に濡れた布を置いて花粉を吸着させたり、空気清浄機を使うと効果的です。また、猫の体に付着した花粉を柔らかい布で拭き取ると良いでしょう。
アレルギーの有無は動物病院で検査が可能です。疑わしい場合は今後の生活の対策のために検査を受けてアレルゲンを特定できると安心かもしれません。
3.ノミ・ダニの増加
春になると気温が上がり、ノミやダニの活動が活発になります。これらの寄生虫は、猫の皮膚にかゆみや炎症を引き起こすだけでなく、重篤な感染症の原因になることもあります。
また、猫が体をかきむしることで皮膚が傷つき、二次的な感染症につながるリスクもあります。
対策として、定期的にノミ・ダニ駆虫薬を使うことが効果的です。これらの薬は動物病院で手に入ります。また、猫の寝床やお気に入りの場所を清潔に保ち、掃除機をこまめにかけることも大切です。
飼い主さんの衣服などに付着して感染させてしまう場合もあるため、外に出ない子でも定期的な投薬をおすすめします。
特に外に出る猫や多頭飼いの家庭では、感染リスクが高まるため、より一層の注意が必要です。異常が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
猫の体調をチェックする方法
春の季節変化に備え、日常的に猫の体調をチェックする習慣を持つことが大切です。猫は不調を隠す習性があるため、普段から細かく観察して早期に異変を見つけることが重要です。
まず、食欲や水分摂取量の変化を確認しましょう。食欲が低下していたり、水を飲む量が極端に増えたり減ったりしていれば体調不良のサインです。また、便や尿の状態も健康を判断する上で重要なポイントです。下痢や便秘、尿の色や量に異常がないかを観察してください。
さらに、被毛や皮膚の状態も注意して見ましょう。艶がなくなったり、脱毛やかゆみが見られる場合は、健康トラブルの兆候かもしれません。普段と違う行動や鳴き声が増える場合も注意が必要です。
こうしたチェックを日常的に行い、異変があれば早めに動物病院へ相談することで、猫の健康を守りましょう。
まとめ
春は気温や環境が大きく変化する季節であり、猫にとっても健康トラブルが起こりやすい時期です。
換毛期がある子の毛玉トラブルや花粉症、ノミ・ダニの増加など、さまざまなリスクがあります。それぞれの原因や対策を理解し、日常的なケアを心がけることで、猫が春を快適に過ごせるようサポートしましょう。
また、猫は体調不良を隠す傾向があるため、普段から体調をチェックする習慣が大切です。食欲や水分摂取量、排泄物、被毛の状態を観察し、少しでも異変があれば早めに動物病院に相談するようにしましょう。適切なケアで、猫と一緒に健康で楽しい春を迎えましょう!
(獣医師監修:葛野莉奈)