わたしのみたて#04 「福岡の生活コスト」移住ライターの福岡暮らしコラム
こんにちは。東京でWebメディアのライターや編集者をしていた、田村と申します。本連載では、東京圏から福岡に移住した私が、日々を過ごす中で気づいたこと、ぶつかった壁、文化・ルールの違いなんかをありのままにご紹介していきます。移住を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
4回目となる今回は、福岡での生活コストについてご紹介します。
福岡に移住して実感するのは、生活コストの安さ。私はペット可マンションのため相場より家賃は高めなのですが、それ以外がぐんと抑えられています。では、何をどれだけ抑えられるのか、カテゴリ別で見ていきましょう。
【その1 家賃】
福岡市の中心部でも1LDKの家賃相場は約8万円です。たとえば、駅直結マンションの高層階でも9万円しない物件もあるほど。もちろん、築年数にもよりますが、かなり手頃な価格で住みたい家を見つけられます。
賃貸の場合、礼金が高いというデメリットはありますが、その分2年ごとの更新料が不要なケースが多いため、長く住むなら初期費用はあまり気にしなくてよさそうです。
東京に住んでいた頃は、世田谷区で家賃15万円の1LDK(駅から徒歩10分)でしたが、今はターミナル駅の博多まで1駅の立地、新築マンションで最上階のルーフバルコニー付きで、東京時代と同じ広さで家賃12万円!
たった3万しか下がってないと思われるかもしれませんが、立地も物件のグレードからしても、東京に置き換えるとおそらく家賃25万円は下らないようなマンションに半額以下で住めているような感覚です。
移住組の中には、一人暮らしだけどマンション購入を検討する人もチラホラ。それくらい、毎月の固定費として重くのしかかる家賃の負担を軽減できるのが福岡の魅力です!
【その2 移動費(交通費)】
東京で暮らしていると信じられないかもしれませんが、福岡は交通費が本当にかかりません!たとえば、博多駅から「みずほPayPayドーム」の最寄駅である唐人町駅に行くとして、片道6駅10分、260円。移住して1年半が経ちますが、電車移動で片道300円以上払った記憶はありません。
しかも、福岡市内にはレンタルサイクルの「チャリチャリ」があって、これがとても便利。チャリチャリのポートは市内に700ヶ所以上あり、近くのポートで乗り捨てができます。普通の自転車は1分7円、電動自転車は1分17円で利用可能で、電動自転車なら5分走ればかなりの距離を進める上に、85円で移動できちゃいます!
福岡市はコンパクトシティで駅と駅の間隔も狭いので、通勤や通学、買い物にチャリチャリを使う人が多く、4000台以上あるチャリチャリが毎日福岡市内を走っています。
〈▲ 市内にはあちらこちらにチャリチャリのポートがあります〉
さらに、市内の移動にタクシーを使う場合も安いです。タクシーの料金自体が安いのではなく、移動範囲が狭いから深夜料金でも2000円を超えることは滅多にありません。東京にいた頃は、終電を無くすと5000円~1万円はタクシー代で飛んでいたので、長い目で見るとこの差は大きいです。
旅行や出張などで福岡空港に行く際も、大きな荷物を持って地下鉄に乗るのが面倒だから、タクシーを使っています。これは世田谷から羽田空港の移動では考えられないことでした(私の場合は自宅から福岡空港までGOアプリの送迎費込みで1500円程度)。
【その3 食費】
総務省が2023年6月30日に発表した『小売物価統計調査(構造編)2022年(令和4年)結果』によると、全国に20ある政令指定都市の消費者物価地域差指数で最も低かったのは、福岡市でした。1位福岡市、2位岡山市、3位北九州市の順で物価が安い!
市内には大小さまざまなスーパーマーケットがあり、激安スーパーから高品質でコスパの良いスーパーまで揃っていて、魚介も野菜もお肉も安い。また、福岡市内には商店街があちこちにあり、家や職場の徒歩圏内に商店街があると超ラッキー!「こんなに安くていいの?」と思える値段でお買い物ができちゃいます。
ちょっと高めのスーパーでも、産直コーナーには地域の新鮮な農作物が並んでいて、どれも安くて美味しいです。野菜の高騰って本当?レベルです(笑)。
中でも私が移住して最初に驚いたのが、鶏肉の値段でした。東京では500グラムだいたい600~700円で買っていた鶏もも肉を、福岡は400~500円くらいで買えたんです!100グラム120円くらいが相場だと思いますが、福岡市のとあるスーパーなら79円で購入可能。この“ちりつも”は大きいですね。
一人暮らしで自炊しない人でも、スーパーのお惣菜はとても安く、お弁当やお寿司などだいたい500円あれば買えるほど。しかも素材が良くて新鮮なので美味しいです!
ただ、これはどの地域でも同じことだと思いますが、激安スーパーと普通のスーパーでは客層が違います。品揃えも変わってくるので、質の高い暮らしをしたいなら、激安を謳わないスーパーに行くのがおすすめです。
また福岡市は外食にかかるコストも低く、ランチなら500円から1000円程度。夜の食事もカテゴリやシーンでかなり違ってきますが、どのお店もレベルがかなり高いにも関わらず、飲んで食べて一人5000円ということが多いです。仮に同じレベルを東京に求めると、一人1万円以上は必要になるように思います。
一点、外食において注意することは、観光客向けのお店は観光客価格であるということ。キャリーケースを持った国内外の旅行者たちで行列ができているお店は、料金設定が高いです。福岡の文化である屋台も、地元の人より観光客が圧倒的に多いので、こちらも福岡の一般的な料金設定より高いところが多いですが、屋台のおでんとか美味しいですよ(笑)!
【その4 おまけ】
〈▲ 散歩の様子は何枚もの写真で伝えてくれます!〉
福岡はペットオーナーにも優しい街です。私がたまに利用させてもらっているペットシッターさんは、1回1時間なのですが、スケジュール次第では1時間以上散歩に行ってくれることもあります。それでいて、1回2500円。世田谷にいた頃のペットシッターは4000円以上かかっていたように記憶しているので、かなり安いです。
トリミングサロンのシャンプーも送迎込みで1回5000円。毎月お世話になっています!
〈▲ シャンプーの様子も写真や動画で伝えてくれますし、毎回写真を1枚プレゼントしてもらえます!〉
いかがだったでしょうか。福岡市は政令指定都市で人口が増え続けている稀有な都市にも関わらず、家賃も物価もまだまだ安いため、生活に必要ないろんなサービスをリーズナブルに利用できます。
東京の家と同じor広い家に安く住み、満員電車に長い時間揺られることなく、自転車で颯爽と通勤し、福岡の豊かな食に舌鼓を打つ――。そんな暮らしが実現する福岡ライフ。移住検討の参考になれば嬉しいです。