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春の散歩は「5K」に注意!うららかなイメージとは裏腹な春の危険性とは?

さんたつ

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長きに渡って影響を及ぼした寒波も去り、ようやく春らしさを実感できるようになってきました。やわらかな日差しの下、お散歩をめいっぱい楽しみたい……ところですが、そうは言っていられないという人も多いのではないでしょうか?うららかなイメージの春ですが、強い風が吹き荒れることもあれば、花粉や黄砂の影響で外出がままならない日もあるなど、危険もたくさん潜んでいるのです。春の散歩で注意したい「5K」について、対策とともにお伝えします。

春の散歩で注意したい「5K」とは?

春の散歩を楽しむために注意したい「5K」とは、「花粉」「黄砂」「強風」「寒暖差」「乾燥」の5つの頭文字を取った総称です。どれも春によく現れる現象で、天気予報では5つのうち「乾燥」「寒暖差」「花粉」の3つを取り上げて春の「3K」として紹介することもあります。

春に気を付けたい5つの現象。お出かけの時は要注意(画像=ウェザーマップ)。

なかでも厄介なのは花粉です。春先にスギ花粉が飛び始め、ヒノキ花粉の飛散が落ち着くのはだいたい4〜5月の大型連休の頃だといわれています。特に花粉が飛びやすくなるのは、雨上がりによく晴れて、気温が上昇し、風が強い日です。こうした日には、いつも以上に万全な対策が必要となります。基本的なことですが、マスクやメガネ、帽子などでなるべく花粉を体に取り込まないようにして出かけましょう(花粉対策についてはこちらの記事も参考にしてください)。

花粉のほかに、春になると大陸から黄砂が運ばれることが増えます。中国大陸で低気圧が発達すると、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの砂が強い風で巻き上げられ、上空の風に流されて日本へやってきます。春になり日差しで大陸が暖められると、低気圧が発生しやすくなるため、黄砂の飛来が増えるのです。黄砂は空をかすませるだけでなく、呼吸器系の疾患やアレルギー症状を悪化させるリスクがあるため、黄砂が予想される時はなるべく散歩や外出は控えた方がよさそうです。

春は黄砂の飛来が多くなる季節。天気予報などで確認を(画像=ウェザーマップ)。

また「春一番」に代表されるように春は風が吹き荒れることも多く、決してうららかなイメージの通りの穏やかな天気の日ばかりではないのです。

空気が乾燥するほか、日によって寒暖差が大きいこともあるため、服装選びに工夫をして体調管理に注意したいですね。

寒暖差の大きい春。服装選びに工夫を(画像=ウェザーマップ)。

まだある!春に気を付けてほしい「8K」とは?

以前、春の5Kに、「変わりやすい天気」、「雷」、「火事」を加えて「8K」として放送で紹介したことがあります。

太平洋側の地域では、春が近づくと冬型の気圧配置が続かなくなるため、天気が数日ごとに変わるようになります。冬は毎日晴れてばかりだったのに、春になると雨の日が増えて、天気が変わりやすくなってきたと感じたことはありませんか?

関東の南岸沿いを低気圧が通過すると、雨だけでなく雪が降ることもあります。特に雪に弱い首都圏では天気予報への関心度が一気に上がります。首都圏の雪の予想は非常に難しく、何日も前から確定的なことはいえませんが、日が近づくにつれ予報の精度は上がっていきます。外出の予定がある時は、こまめに天気予報をチェックして備えるようにしてください。

春はたびたび低気圧が近づき天気が崩れることが多くなる(画像=ウェザーマップ)。
春先に都心で雪が降り、梅の花に積もったことも。

また、春になるということは、北から流れ込む寒気の勢力が弱まり、南から押し寄せる暖気の勢力が強まるということです。低気圧に向かって暖かい空気が流れ込むと、雨雲が発達し雷雲に発達することも増えてきます。時には雹(ひょう)を降らせることもあるため、空模様の変化には十分注意が必要です。

「春雷」という言葉があるように、暖かくなると大気の状態が不安定になり雷雲が発達する(画像=写真AC)。

最後に、火事です。特に春先は例年、山火事が多く発生しています。2025年2月末、岩手県大船渡市では大規模な山火事が発生しました。まとまった雨が降ったことで、さらなる延焼は食い止められましたが、避難生活を余儀なくされる人が大勢出ました。乾燥や強風など火事の起こりやすい現象が多い上、冬の間に降り積もった落ち葉がたまり燃えやすくなっていることも、春に火事が多い原因の一つと考えられます。もしも、山菜摘みなど山へ入ることがある時は火の取り扱いに十分注意をしましょう。

もうすぐお花見の季節!さくら開花予想に注目

2025年のさくら開花予想。お花見が楽しみだ(画像=ウェザーマップ)。

春の楽しみといえば、やっぱりお花見ですよね。満開の桜を眺めて歩くのはもちろん、つぼみが膨らみ花を咲かせるまで観察しながら散歩するのもおすすめです。

ウェザーマップの予想(2025年3月17日時点)では、3月21日に宮崎で全国トップで開花し、22日に東京・熊本・鹿児島で、24日に福岡、25日に名古屋、26日に大阪で開花する見込みです(※最新の開花予想はこちらで確認してください)。

つぼみを観察しながら春を待つ散歩も楽しい。
今年もお花見散歩が待ち遠しい。
満開の桜と青空。春爛漫な景色はもうすぐそこ。

今回紹介した春に注意したい「5K」や「8K」は、単独で起こることもあれば、複数が重なり発生することもあります。お花見散歩を計画する時には、天気だけでなく「K」の付く現象にも目を向けてみてくださいね。

文=片山美紀 写真=片山美紀、ウェザーマップ、写真AC

片山美紀
気象予報士
大阪府出身。大学卒業後、放送局での勤務を経て気象予報士、気象キャスターに。街歩きをしながらお天気ネタを探すのが趣味。空を眺めようと上を向きがちです。NHK総合「首都圏ネットワーク」などに出演中。

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