決まった昆虫のために咲く、ダーウィンのランとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話】
決まった昆虫のために咲く、ダーウィンのラン
進化論を提唱したチャールズ・ダーウィン(1809年〜1882年)は、田舎の自宅でさまざまな植物の観察と実験から植物学の先駆的な研究をした。特にマダガスカル島から入手したアングレカム・セスキペダレの長さ20㎝ 以上におよぶ距(きょ)(内部に蜜がある部分)を見て、これにふさわしい長さの口吻(蜜を吸う口)をもつ昆虫がいるに違いないと予測した。このことから、このランは「ダーウィンのラン」とよばれている。そして、ダーウィンの予言通り、見事40年後に長い口吻をもつキサントパンスズメガが見つかった。
アングレカム・セスキペダレ
長い口吻をもつキサントパンスズメガ
長さ約30cmの口吻をもつキサントパンスズメガがランのアングレカム・セスキペダレの距の奥にある蜜を求めに来る。そこで花粉がガに付着して受粉する。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話』監修:稲垣栄洋