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【グルメレポ】あの“人気ケーキ店”がパンを焼き始めた!「パン好きが恋に落ちる」絶品クロワッサンに感動した話

ウレぴあ総研

【Atelier Y】 アトリエワイの店内。カウンターの一番奥がパンコーナー

あの“大人気ケーキ店”がパンを焼き始めた

9月20日は、ケーキ好きとパン好きにとって記念すべき日になった。「Atelier Y(アトリエワイ)」がパンを焼き始めたのだ。

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2024年5月、千葉県八千代市に創業した当初から「落ち着いたらクロワッサンを焼きたい」とシェフパティシエの山﨑良人さんは語っていたが、パンを焼く時間がなかなかとれないでいたのだ。

定番のケーキや焼き菓子を作りながらXmasやバレンタイン、子どもの日、母の日など、シーズンごとに新しい商品を考えなくてはならない。

とくにアトリエワイの場合、「夏はかき氷を出したり、冬はクレープを焼いたり、ケーキ屋っぽいことだけをやりたくない」ことからオープン以来、ケーキ以外のおいしいものも提供してきた。

とはいえ、パン好きでもある私は、宝石のようなケーキを作る山﨑シェフがどんなパンを焼くのか、焼いてくれるのか、気になって仕方がなかった。ケーキを買いに行くたびに「パンはいつ?」と尋ねていたものだ。しつこい奴でごめんなさい。

ついに、アトリエワイのパンを食べられる日が来た。「クロワッサン」(486円)、「パンオショコラ」(518円)、「クイニーアマン」(486円)、「ソーセージデニッシュ」(594円)に加え、「クロワッサンサンド」(702円)も作り始めたのだ。

アトリエワイのクロワッサンがデビュー

パンがデビューした初日、妻が朝一番でクロワッサンサンド以外のパンをすべて購入。亭主に内緒でひとりで食べたらしい。「おいしかった」と自慢げに報告してくれたっけ。それが悔しくて翌日自分の分だけ同じものを買ってきた。

どのパンも印象的だったが、とくに感動したのがクロワッサンだった。ペティナイフで半分に切るのが難しいぐらい皮がサクサクパリパリ。噛むと音を立てて崩れ散った。バターの香りが豊かで甘味もあり、齧る音もおいしい。アトリエワイのクロワッサンに恋に落ちた。

お菓子屋がなぜクロワッサンを焼きたかったのか。改めて山﨑シェフにパンへの想いを聞くことにした。

「ケーキもですが、パンを食べるのが好きなんです。お菓子屋なので最初に焼くパンは、クロワッサンだと思っていました」

パリでの修業時代、クロワッサンをよく食べていたという。前職の「ザ・ペニンシュラ東京」の製菓長時代、毎日ではないが、クロワッサンとクイニーアマンを焼いていたとも話してくれた。

クロワッサンといえばバター。そのバターには、フランスはノルマンディー地方にある「イズニー」の発酵バターを使っている。

うまいパン


【Atelier Y】 複数の層からなるクロワッサン 

「ジューシーなクロワッサンを目指しています。そのためにも香りだったり、クロワッサンの要素を際立たせたいと思い、イズニーの発酵バターをパン専用に選びました」

イズニーの発酵バターは、フランスではエシレと同じぐらい高級品として認知されているそうだ。いま焼いているパンは、イズニーの発酵バターを練り込んだ、クロワッサンと同じ生地を使っている。

小麦粉は国産をメインに、フランス産とカナダ産をブレンド。

「北海道産『春よ恋』で香りとモッチリ感と甘味を演出。フランス産で香ばしさを出し、カナダ産でコクを補うようにしています」

夜中に生地を仕込み、朝早くからパンを焼いているそうだ。

ビターなパンオショコラに惚れました

私はアトリエワイのクロワッサンにフォーリン・ラブだが、パンオショコラにもびっくりした。パティシエが焼くパンオショコラなので甘いに違いないと勝手に思い込んでいた。

ところが、いい意味で裏切られた。チョコレートがビターで舌に心地よかった。

「噛んだ瞬間、チョコレートの香りが鼻腔から抜けるようなイメージでこのパンを考えました」

「クイニーアマンは、お菓子屋っぽい感じで攻めました。まわりをガリガリにキャラメリゼしています。中心にアーモンドクリームを詰めていますが、今後はフランボワーズクリームに変えるなど、別バージョンを作る予定です」

表面こそカリカリだが、中心はしっとり。甘党には嬉しい味わいだった。

ビールのアテになりそうなソーセージデニッシュ

「昨年、ソーセージをはさんだ『ソーセージパイ』を出したことがあります。今回デニッシュにするのでソーセージも変えました」

パイ生地に細長いソーセージをはさんだソーセージパイを何度か食べたことがある。今回は太くて短い、スモークド・ソーセージを選んだ。噛むと肉汁がジワジワと出てくるジューシーなソーセージだ。

ホットドッグにはケチャップがつきものだが、アトリエワイのソーセージデニッシュにはスモーキーなソースがそえ

まだ食べたことがなかったクロワッサンサンドをいただくことにした。

「フランス産カマンベール、スペイン産生ハム、オーガニックのベビーリーフをクロワッサンにはさみ、レモンとジンジャーで作った自家製ドレッシングをかけてあります」

チーズの甘味、生ハムの塩味、バターの甘味と風味が豊かなクロワッサンが口のなかで混然となり、舌に心地よい。そこに酸味と気持ち苦みもあるレモンとジャージーのドレッシングも加わり、食べたことがない味を体験させてくれた。クロワッサンにはないしっとり感も面白い。

栗などの旬の食材を包んだクレープも再登場

パンと同日、クレープを再スタートした。旬の食材を使った宝石のようなクレープだ。

10月は、「和栗のモンブラン」(1,400円)、「紫芋のモンブラン」(1,300円)、「いちじくトンカ」(1,300円)の3種類。オーダー後、厨房で焼いたクレープにいろいろな具材をはさんでくれる。店内のカウンターか、店頭のテーブルで食べることもできる。

うまいパン


【Atelier Y】 公園に面したカウンターでクレープをいただくこともできる 

和栗のモンブランをオーダー。マロンクリーム、マロンブリュレ、渋皮栗、ジュレフランボワーズ、ほうじ茶キャラメルソース、カシスソース、クランチ、和栗クリームがクレープに包んであるそうだ。

食べ進めるにつれ味わいが刻々と変化する。甘かったと思ったら酸味を帯びたフランボワーズが顔を出すなど七変化なクレープだ。

11月はクレープの新作が登場した。和栗のモンブランは継続するが、「洋梨キャラメル」(1,300円)と「Wチーズベリー」(1,300円)をリリース。いましか味わえない、旬の食材ありきの、一期一会なクレープなのである。

バケットや塩パン、カレーパンも焼く予定

「なかなかパンを焼けませんでしたが、夢をひとつ実現させることができました。でも、まだ焼きたいパンがあります」

バターの甘さを引き立てたパンを焼き始めたが、今後はバケットや塩パン、カレーパンも焼きたいと思っているというのだ。

「バケットを求めてお菓子屋に来てもらえたら嬉しいです。日常使いできるパンを出していきたいと思っています」

そのためにはスタッフを充実させたり、パンをどこに置くかといった物理的な課題も多々ある。とはいえ、バケット好きとしては、山﨑シェフがどんなバケットを焼くのか、大いに気になる。早く焼いてほしいものだ。

【Atelier Y】

住所/ 千葉県八千代市ゆりのき台1-11-5ソフィアグレース八千代

電話/047-411-4438

営業時間/11:00 ~18:00

定休日/火曜、水曜不定休

八千代中央駅徒歩1分

『マルエツ八千代中央駅前店』の第1~第3 駐車場を利用可能

1,000円以上の購入で20分の無料券をもらえる

※価格はすべて税込

(うまいパン/中島 茂信)

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