薬剤師のコーラはいかが 中区・日の出薬局で販売
シュワっと弾ける爽快な喉越し。今や身近な飲み物となった「コーラ」だが、実はアメリカの薬剤師が「薬」として販売したのが始まりだというのはご存じだろうか―。そんな歴史をなぞるように、中区・日の出薬局で販売しているオリジナルのクラフトコーラがひそかな人気を集めている。
レシピを考案したのは同薬局薬剤師の高橋信洋さん。「最近の薬局は処方箋がないと入りにくい場所になっている。もっと気軽に薬や健康について薬剤師に相談してもらいたい」。街の人との接点になればと、2022年11月から「薬剤師が作るクラフトコーラ」を掲げて地域のイベントに出店したところ、好評に。「コーラをきっかけにお店を知ってもらえたり、健康相談につながった」と話す。
スパイスがたっぷり
コーラのシロップは、シナモンやカルダモンなどの数種類のスパイスやレモンを入れて煮出して作り、子どもでも飲みやすいように一般的なクラフトコーラよりも刺激を少なくしたという。
日ノ出薬局は開局前、資金確保のためにカレー屋を営んでいた歴史を持つ。また「元々二日酔いや頭痛の薬として誕生したコーラは、野毛の街にもぴったり」と考えたが、薬局内では食品衛生や設備上、提供が難しい。模索する中、少量生産での製造を受けてくれた有機野菜のレストラン「FarmDeli&Barbyヨコハマベジメイトプロジェクト」の協力で、材料にもこだわったクラフトコーラシロップが誕生。昨夏から両店で販売している。
「炭酸水やお湯のほか、牛乳で割るとチャイみたいでおいしいですよ。夏はかき氷のシロップにもおすすめです」と、同薬局薬剤師の和田二葉さん。高橋さんは「小学校などでコーラ作り体験を行いながら、子どもたちにも食育や健康について考える機会を提供できたら」と話した。
クラフトコーラシロップは、1本(200ミリリットル)1944円。5月25日(日)に横浜日ノ出桟橋で開催される「大岡川水上劇場」に出店し、数量限定で炭酸割か牛乳割を1杯500円、シロップを特別価格で販売する。