和太鼓部 市内の都立2校 全国へ 松が谷、南多摩 1・2位通過
都教育委員会と都高等学校文化連盟が主催する「東京都高等学校文化祭郷土芸能部門」の第33回中央大会発表会が昨年12月15日に日野市で行われ、八王子市内の都立松が谷高等学校の和太鼓部と都立南多摩中等教育学校の太鼓部が全国大会(総文祭)への切符を手に入れた。
参加した31校のうち、第1位の成績を収めたのは、松が谷高等学校和太鼓部。優勝の瞬間を「頭が真っ白になるくらいびっくりした」と振り返るのは、部長を務める菊地月乃さん(17)。
同部は現在、男子8人・女子37人の計45人が所属。3年前からプロの和太鼓奏者に指導を仰ぎ、『新しい和太鼓』への挑戦を続けている。そのためか、これまで出場した大会では審査員の評価が割れることもあり、「(ドラなどの)金物の音が大きすぎる」「(太鼓の)フチ打ちが激しすぎる。太鼓がかわいそう」など、酷評されたこともあるという。
副部長の渡邉ののかさん(16)は「とても悔しかったけど、練習でやろうとしたことは伝わったのでは」と前向きに捉え、同じく副部長の中島萌衣さん(17)は「新しいことは最初は評価されにくい。次は圧倒的な優勝を目指そうと、すごく燃えました」と中央発表会への闘志に変えた。
進化を目指しつつ、楽しく和太鼓を演奏することを目標に取り組む同部。「これが松が谷だ!という演奏で全国制覇をめざしたい」と菊地さんは話している。
2位に南多摩
南多摩中等教育学校の太鼓部(橋口幹太部長)は、第2位に。副部長の小林蒼さん(17)は本番直後の手応えを「自分たちが表現したいものがあったので、いい演奏ができてうれしかった」と振り返る。
同部は、11年前の創部時から伊豆諸島・八丈島の郷土芸能である「八丈太鼓」を元にした演目に取り組んでいる。
八丈太鼓とは江戸時代に幕府の流刑地だった八丈島で、流人が刀をバチに持ち替えて叩いたのが始まりという説がある。1つの太鼓を2人で叩くのが特徴の1つで、昨年8月には、コロナ禍で中止していた八丈島での合宿も再開した。副部長の金子想さん(17)は「島の空気や風、海のにおいを感じながら本場の方と一緒に演奏できたのはよかった。本番では八丈太鼓の奥深さや情熱を伝えたかった」と話す。「リズムが合った時に手応えを感じる。皆の気持ちが一つになった時が楽しい」と金子さん。
2校は香川県で7月に行われる第49回全国高等学校総合文化祭(かがわ総文祭2025)で、郷土芸能部門へ出場する。