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「カッコよかった猪木さん、一生勝てないと思った坂口さん」蝶野正洋さん(三鷹市出身)

TBSラジオ

東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方も大歓迎!一緒に偏った番組を楽しんでもらいたい番組。
MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。

今週のゲストも、プロレスラーの蝶野正洋さん(三鷹市出身)。今週も三鷹時代の蝶野さんのヤンチャなエピソードから、プロレスラーになって「アントニオ猪木さん」「坂口征二さん」を目の前にして感じたこと、そして最後「三鷹」の話もちょこっと(笑)。

「カッコよかった猪木さん、一生勝てないと思った坂口さん」蝶野正洋さん(三鷹市出身)

停学4回でも無事に高校卒業!ヤンチャな蝶野さんとの約束を守ってくれた先生

土屋:今週もゲストのご紹介です、プロレスラー蝶野正洋さんです。

蝶野さん:ガッデム!・・・また今週もやらなきゃダメなの?

つる子:お願いします(笑)。

土屋:もう1回、お願いできますか(笑)。

蝶野さん:ガッデム!アイム・チョーノ(笑)。

土屋:これを言ってもらうことで、そうだ、プロレスラーだ、と(笑)。先週はサッカーの推薦入試で、古典で8点を取って行けなかったという挫折したという話で終わっちゃってますから。ようやく高校に入って。

蝶野さん:そうですね。

土屋:先週の話ですけど。國學院久我山高校に推薦入試で行けていたら人生が変わっていたかもしれないと。

蝶野さん:そうですね、変わってますね、たぶん。もう少しまともになっていると思いますよ(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:それで、都立永山高校に入学して。ここでも、ある程度ヤンチャな感じだったんですね?

蝶野さん:ですね。だからオレ、今でもなんで卒業できたのか、不思議なんですよ。4回、停学をくらっているんですよ。本当は都立高は2回で退学なんですよ。

つる子:ええ!?

土屋:ああ、そうなんですか!

蝶野さん:だけど、オレはそれはサッカーが救ってくれていて。サッカーで地区選抜に選ばれたりしていたんですよ。サッカーだけは真面目に。だいたい、学校に行くのが10時、11時くらいで。

つる子:おお!?

土屋:ちょ、ちょっと。普通に考えたからおかしいですね!

蝶野さん:学校はちゃんと行っていたんですよ。で、トラブルを何回も犯している中で、1回、電車でオレが寝過ごしたことがあって。パッと起きたら、隣のマンモス高の奴らに囲まれていて。

つる子:ええー!?

蝶野さん:うちの学校は、今までその学校と対抗したしたことが無かったらしくて。そのマンモス高は都心から引っ越してきた学校というのも知らなくて。で、寝過ごしたら「オレらのこと、わかってんのか?」って言ってきたから、「なんだ?オレは“三鷹の蝶野”だぞ!」って言って、ちょっとケンカになったんですよ。

土屋:はい。

蝶野さん:でも、1対複数だから、すぐ止めに入って。それで、学校に行ったらすぐに呼び出されて、先生から「おまえ、今日、何かやったろ?」って。で、先生と向こうの学校に謝りに行ったんですよ。その時、一緒に行った体育の先生が「よくやった」と。

土屋:おお!

蝶野さん:その先生が言うには、「うちの高校は今まであの高校にやられっぱなしで、手を出した奴はいなかった。」「マジですか!?」って。

つる子:へえ~!

蝶野さん:その後もケンカはあるんですけど、その先生が「おまえ、サッカーだけ真面目にやっていれば卒業させてやる」って。

土屋:なるほど!

つる子:先生~!

蝶野さん:その約束を本当に守ってくれたんですよ。だから、サッカーが無かったらオレはもっと変な道に行ってたかもしれない。

高校時代プロレスを見てなかった蝶野さん「金・土・日といえば“走る”ことばっかりだった」

土屋:ここまで、「プロレス」という単語がいっさい出てきてないんですけど?

蝶野さん:ああ、オレ、プロレスはまったく興味が無かったです。見ても無かったし。

つる子:ええ!?

蝶野さん:だって、高校生の時の金・土・日といえば、“走る”ことばっかりだったので。

土屋:まあそうですね、サッカーの練習で。

蝶野さん:いや、サッカーの練習じゃなくて、“夜に走る”方の・・・

つる子:ちょっと、どっちかなと(笑)。

蝶野さん:まず、テレビを見ないでしょ。オレらの頃は、「プロレス」「金八」「太陽にほえろ」とか色々あったんですけど、まったく見てないんですよ、オレ。

つる子:走って、走って(笑)。

土屋:そうですよ、町の安全のためにね。パトロールでね。

蝶野さん:でもね・・・これは公共の番組じゃないですよね!?

つる子:(笑)。

土屋:蝶野さん、驚かないでください、公共の番組です(笑)。

蝶野さん:ええ、公共ですか!?でも、ああいう悪い連中は、ちゃんと明日明後日の走る場所を下見に行く行くの。で、ちゃんとコースなどプランを立てて、“ここの警察は危ない”と。

つる子:ああ、そういう(笑)。

蝶野さん:警察も警察で、“あいつらはこっちから走ってきて、どこで挟み撃ちにするか”と。だから、オレらは計算しなきゃいけないの。あれはね、勉強になりました。

つる子:(笑)。

蝶野さん:チームワークね、一つにならないと。今年の横浜DeNAベイスターズみたいに。

つる子:すごいいい話(笑)。

蝶野さん「坂口征二さんを知っていたらプロレスの世界には入らなかった」

土屋:じゃあ、いつ、プロレスに出会うんですか?

蝶野さん:高校を留年すると思ったんですけど、卒業させてもらったので。しばらくは遊んでいたんですよ。大学受験で浪人ということで。仲間が専門学校に行ったり、父親の職に就いたりで遊び相手がいなくなっちゃった。

つる子:ああ。

蝶野さん:で、家で金曜の夜にプロレスを見る機会があって、“カッコいいな!”と。だから、オレがプロレスを見たのは高校卒業した18歳から。

土屋:そこからなんですね。若い人にとってはテレビでやっているというのは大事なんだよね。

蝶野さん:やっぱり、猪木さんとか藤波さんとか長州さん・・・長州さんはカッコよくはないけども。

つる子:(笑)。

土屋:それぞれのスタイルがありますからね。

蝶野さん:やっぱり猪木さんはカッコよかったですよ。で、プロレスラーは儲かるという。

土屋:なるほど、ビジネスとしても職業としても。

蝶野さん:あともう一つは、オレが生まれたのがアメリカなんで、一度、何かでアメリカに行きたい、と。生まれ故郷を見たいという願望もどこかにあって。

つる子:ああ。

蝶野さん:プロレスはアメリカにもあって、ヨーロッパにもあるので。これは世界に通じると思って、すぐに決めましたよね。

土屋:ご両親にプロレスをやりたいというのは・・・?

蝶野さん:それは言わなかったです。浪人中は、大学には行きなさいということで。オレ、2浪しているんですよ。1浪目は遊んでばっかで。2浪目はどうしてもプロレスラーになりたいというのがあったので、親には「日大のアメフト部に行きたい」と。

つる子:はい。

蝶野さん:「アメフトやるには、体を作らないといけない」と。親は「じゃあ、もうサッカーじゃないのね、正洋ちゃんは」と。それでジムにも行ったし、ベンチプレスなどのトレーニング器具も買ってもらって。プロテインも飲んで・・・という、明らかに浪人生ではない生活を(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:そうですね、日大に入るための。それで、実際に新日本プロレスに入って、いかがでしたか?

蝶野さん:いかんせん、プロレスを見る期間が短過ぎて。テレビに出ている「猪木さん」「藤波さん」「タイガーマスク」、この3人しか見てないじゃないですか。かたや、「長州さん」とか「坂口征二さん」とかオリンピッククラスの強い人たちがいるわけですよ。

土屋:はい。

蝶野さん:そこを見てなくてプロレスの世界に入ってしまったので。猪木さんと坂口さんのツートップは、ほぼ互角ですよ。坂口さんって、腰が曲がっているので身長が197センチとかですけど、腰がまっすぐだったらたぶん2メートルある人だから。

つる子:うわ~!

蝶野さん:後ろから見たらゴジラじゃないかというような骨格なんですよ。足がとんでもなくデカくて。一番最初に見た時、尻尾が生えてるじゃないかと(笑)。

土屋:(笑)。

蝶野さん:最初、道場の合同練習に参加した時、オレと武藤さんがカバン持って入って行ったら、ソファに座らされて。まだお客さんですから。坂口さんなど先輩たちが入ってくるんですけど、知らない先輩がいっぱいいるわけですよ。

つる子:ああ。

蝶野さん:見たこともない、体のゴツいオヤジが。「藤原喜明さん」は知ってたけど、同世代の「ドン荒川さん」や「栗栖正伸さん」みたいなワケのわかんない、タチの悪いオヤジがいっぱいいるわけですよ。

つる子:(笑)。

蝶野さん:その人たちを見て、明らかに勝てないな、と。さらに坂口さんが出てきてオレらの前に座ったら、(この人には一生勝てない、、、)と。オレ、坂口さんを知っていたらプロレスの世界に入らなかったですね。

土屋:なるほど!知らないから怖いもの知らずで入れた、と。

蝶野さん:そう。オレなんか、1回くらいしか直接、試合を見に行ったことがなくて。選手がどれくらいのサイズなのかなと。近くに「木村健悟さん」がいたんですけど、(あ、木村健悟さんには勝てるんじゃねえか)と思って。

つる子:(笑)。

土屋:木村さんも大柄ですけど坂口さんに比べると。

蝶野さん:オレ、東スポの表彰式で「ジャイアント馬場さん」にお会いしたことあるんですけど、壁でしたもんね。普通の2メートル5、6センチのバスケット選手などはスラっとしているじゃないですか。馬場さん、壁だもん!

つる子:(笑)。

プロレスラーになった蝶野さんに、昔の仲間が鉄パイプを持って・・・

土屋:で、そこから「闘魂三銃士」として・・・

蝶野さん:すみません、オレは「三鷹市の応援団」として来たのでは。

つる子:(笑)。

土屋:そうなんですよ。なんとか、繋げますよ。新日本プロレスも多摩地域でプロレスの試合がありましたよね!?

蝶野さん:あんまり無かった(笑)。

つる子:(笑)。

蝶野さん:「八王子」ではやって、あとは「立川」の上の方でもやったかな。

土屋:プロレスラーになった当時はもう「三鷹」には住んでいないですよね?

蝶野さん:住んでないですね。猪木さんの付き人をやっているときに、バラエティ番組の収録に、オレの仲間がバカだから来るんですよ。

つる子:(笑)。

土屋:「三鷹」時代のヤンチャな仲間が(笑)。

蝶野さん:オレを応援に行くと言いながら、「おい、蝶野!」って冷やかしに来るんですよ。

つる子:(笑)。

蝶野さん:でも、オレは猪木さんの付き人だからじっと黙ってて。

つる子:そうですよね、付き人さんですもんね。

蝶野さん:だから三多摩で仕事があると迷惑してましたね(笑)。あと、1回、後楽園ホールで「闘魂三銃士」としてある程度のポジションになって試合をやっていた時に、昔の仲間が応援団を作ってくれて。「ブロンド・アウトローズ」という顔の悪い先輩たちが作ったチームがあって(笑)。その人たちがイスを使ったりと反則が上手い選手あんですよ。

土屋:はい。

蝶野さん:後楽園ホールで場外戦になったとき、そいつら20人くらいが鉄パイプを持っていて。

つる子:ええ!?

蝶野さん:オレがやられているから。

土屋:やり返そうと。仲間ですねえ。

蝶野さん:そこは、私もプロじゃないですか。ある程度、我慢して受けてるわけですよ。パッと目に入ったら、鉄パイプを持った仲間たちが“てめえ、この野郎!!!”と。

つる子:(笑)。

蝶野さん:そこは一番おいしい所なんですよ。それを、観客で知らないガキ共がオレのおいしい所を取ろうとして。そのあと、ケータイで呼びつけて「テメエら、ふざけんじゃねえぞ!!!」ってすぐ集めたら、みんなそれから試合に来なくなっちゃった(笑)。

つる子:(笑)。

土屋:それだけ“三鷹の蝶野”と名前が出ていたから助けたい、と。素敵な絆ですね。

蝶野さん:オレが我慢して我慢しているのに、コイツらはオレのおいしいところを持っていこうとして。

蝶野さん「“すかいらーく”も“松屋”も三鷹から出ている!」

土屋:そういうことですよ。蝶野さんが「三鷹」の話をいっさいして来なかったけど、受けて受けて受けて。ここで、ついに蝶野さんが三鷹の魅力を語ってくれる!そのお時間がやってまいりました!

蝶野さん:まだ時間があるんですか?

つる子:あります。

土屋:育った「三鷹」の魅力、どういったところがありますか?

蝶野さん:ちょっと昔すぎて覚えてないです。

つる子:(笑)。

土屋:ちょっと!じゃあ通っていたお店とかは?

蝶野さん:オレが通った店、どこも無いですよ(笑)。オレらの溜まり場だったのが「すかいらーく」で。

土屋:「すかいらーく」は「三鷹」に本社があって、あそこら辺がお膝元なんですよね。

蝶野さん:ですよね。それ知らなくて。実は三多摩から出ているお店っていっぱいありますよね、「松屋」とか。あと、「すた丼」もたしか・・・

土屋:はい、「国立」や「国分寺」です。

蝶野さん:そうそう。三多摩はB級グルメ、すごいですよね!

土屋:新たなビジネスを試すには、土地代が安いから挑戦しやすいというのが、多摩の魅力ですよ。

蝶野さん:まあ、当時の「三鷹」と今は違いますよね。自分の周りにも建築関係の方が多くて、三多摩の開発をしていて。

蝶野さん「多摩は神奈川や埼玉と国道16号線を中心に新しいネットワークをつくればいい」

土屋:蝶野さんの地元の「三鷹」は「京王線」と「中央線」、どちらの方が近いんですか?

蝶野さん:最寄駅としたら「京王線」です。「京王線」は「三鷹市」をまったくかすってないんですよね。斜めに「井の頭線」がわずかにかすっていて。で、「三鷹」の上の方で「中央線」がかすっていて。駅がまったくない。

土屋:ということは、最寄駅はどこですか?

蝶野さん:「京王線」の「仙川駅」。

土屋:今の「仙川」はご存知ですか?ものすごい洗練されている素敵な街になりましたよ!

蝶野さん:昔の「仙川」なんて(笑)。

つる子:(笑)。

蝶野さん:そうですよね、どんどん変わって。小学校の頃は「井の頭公園」、中学校になると「吉祥寺」で遊ぶというような感じでしたね。

土屋:そうやって「三鷹」はどんどん進化していって。なんなら今や憧れの街ですよ、「三鷹」は。

蝶野さん:「三鷹の森ジブリ美術館」が出来ていてね。そういうイメージじゃなくて。オレが三多摩にクルマで行くと、ドライバーの目つきがなんか違うんだよ(笑)。これは三多摩どこでもそう!これは三多摩特有だよ!だからオレ、三多摩を運転する時は緊張するもん。

つる子:(笑)。

土屋:蝶野さん!「ふるさと三鷹応援団」として、この先、どういった活動をしていきたいですか?

蝶野さん:まあまあ、我々の昭和世代があと5年もすれば抹殺されるので(笑)。

つる子:(笑)。

蝶野さん:そしたら、新しい三多摩が生まれると思うんですよね。

土屋:僕も昭和世代です、昭和51年生まれ。

蝶野さん:じゃあ、あともう5年で消されます。

つる子:礼央さん~(笑)。

土屋:僕もそう思います。若い人は優秀ですから。

蝶野さん:若い世代が、とも家事みたいな男も女も一緒に家事をやるというような世代の人が上がってくるじゃないですか。この人たちが新しい三多摩を作ってくれれば。三多摩は、オレがサッカーをやっている時は「西東京」と呼ばれていて。この西東京=三多摩は、神奈川とか埼玉とか、「国道16号線」を中心にした新しいネットワークをつくっちゃった方がいいと思う。

土屋:うわ!すごい。

蝶野さん:ここの文化圏はみんな似ているから、空気が薄いって。

つる子:(笑)。

土屋:ちょっと標高も高くなりますからね。

蝶野さん:そうです、都心の人たちはジャケット1枚でも、三多摩の人たちはコートを着ているから。

つる子:(笑)。

土屋:「多摩川」を越えると気温が3度変わりますから。

つる子:そうそう。

土屋:蝶野さん、今後も多摩を応援してくれますか?

蝶野さん:長く生きられるかわかんないですけど。

つる子:いやいや(笑)。

蝶野さん:ボケが始まると1ヶ月前のことが思い出せなくて(笑)。

土屋:そんなことないですよ。今回、蝶野さんのアメリカからヤンチャな時代まで詳細にわかりましたよ!

蝶野さん:そんな話、しましたっけ(笑)。

土屋:蝶野さんみたいな方が「三鷹」で育ったということは勇気になりますよ。体を大きくするなら「三鷹」だ、と。

蝶野さん:いや~、「三鷹」の話、できたかな、、、

つる子:(笑)。

土屋:大丈夫です!あとで僕が足しておきます(笑)。2週にわたってたっぷりお話を伺いました!プロレスラーの蝶野正洋さんでした!ありがとうございました!

蝶野さん:ありがとうございました。

(TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)

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