【川崎市麻生区】尻手黒川線道路築造工事 トンネル内部を公開 柿生小児童らが見学
川崎市を縦断する都市計画道路「尻手黒川線」(尻手黒川道路)は、世田谷町田線と結節する麻生区の「片平2丁目」交差点から仲町橋付近までの約680mの整備が進められている。この区間に築造される約190mの山岳トンネル内部を地域に公開する現場見学会がこのほど開かれ、9月22日は柿生小学校(支倉圭太校長)の5年生約140人が工事の状況などについて関係者から説明を受けた。
尻手黒川線は、幸区小倉と麻生区黒川を結ぶ幹線道路。1946年8月に都市計画決定され、I期からIV期まで段階的に整備されている。概成区間を含め、これまでに全体の約97%にあたる2万2160mが完成。現在は麻生区内のIV期事業区間で、山岳・開削トンネル部の新設と現道を拡幅する約680mの工事が2021年7月から続いている。IV期事業が完了すると、全線2万2840mが開通する。
「愛着を持って」
市では、工事の進ちょく状況や安全対策について知ってもらおうと、近隣にある市立柿生小学校の児童や、隣接する地域の住民を招いた現場見学会を企画。9月22日から順次スタートさせた。
最初の参加者は同校の5年生。2組に分かれてトンネル内に入ると、スクリーンに映された動画などを見ながら工事の概要や工法、建設機械などの説明を事業者から受けた。続いてトンネル奥へと進み、重機のデモ運転を見学。最後に現場の濁水処理に使う薬剤を用いた実験を見た。児童からあがった「薬剤は危ないの?」「山が崩れることは?」といった質問にも関係者が丁寧に答えた。
見学を終えた児童は「機械を動かしてもらって楽しかった」「(トンネルが開通して)近道ができるならうれしい」「楽しみ。トンネルができたら通って、親に自慢したい」などと話していた。市北部都市基盤整備事務所の長谷川智所長は、「子どもたちが将来、大人になったときにこのトンネルに愛着を持ってもらえたら」と話した。
トンネルは今年12月に貫通予定。市はIV期事業完了を28年度と見込む。10月11日(土)には柿生駅南口で行われる禅寺丸柿まつりにあわせて一般向けの見学会を予定。(問)044・955・1200