【栗の剥き方】冷凍すると簡単に剥けるって本当?ほかの方法と比較してみた結果…
皮剥きがラクになる裏ワザ。冷凍する栗の剥き方
栗の皮剥きで大変なのは、鬼皮のかたさと渋皮の密着性の高さ。これらの問題点を一緒に解決できるのが冷凍のいいところです!
栗を冷凍すると、かたい鬼皮はやわらかくなり、中の渋皮もはがれやすくなり、鬼皮も渋皮も驚くほど簡単に剥けます。
基本の冷凍→熱湯法 手順
まず、栗を1時間水に浸けます。そのあと、キッチンペーパーで表面をきれいにしながら水気をとり、保存袋に入れて冷凍してください。冷凍時間の目安は半日です。
栗が凍ったら、今度はお湯で温めるのですが、次の2パターンのやり方があります。
〈5分間お湯に浸ける方法〉
1. ボウルに凍った栗を入れ、栗が浸るくらいまでお湯を注ぐ
2. 5分後、包丁で鬼皮を剥く
3. 鬼皮が剥けたら、渋皮つきのまま一度お湯に戻す
4. 熱湯で渋皮をふやけさせてから剥く
〈鍋で煮る方法〉
1. 鍋に冷凍した栗とお湯を入れ、弱火で10分ほど煮る
2. 時間が経ったら栗を鍋から引きあげ、包丁で鬼皮を剥く
3. 渋皮を剥く(※以下の写真のように手で剥けました)
剥き方にどんな違いが出るかを確認するために比較してみましたが、5分間お湯に浸ける方法は、刃がすっと入り、力を入れなくても皮が剥けました。
鍋で煮る方法だと、渋皮は包丁を使わなくても手で剥けるほどはがれやすくなっています。ブドウの皮のような感じで、するするときれいに剥けました。
どちらも冷凍もおかげで剥きやすいため、やりやすいやり方でOKですが、鍋で煮るほうが多少ラクでおすすめです!
冷めたら剥きにくくなるので注意!
栗が冷めると、途端に皮が剥きにくくなります。できるだけ温かい状態で作業したほうがいいので、剥く直前までお湯から栗を出さないようにしましょう。
包丁あり/包丁なしの仕上がり比較
渋皮を剥く際に、包丁を使うか使わないかで仕上がりが大きく変わります。
上の画像は、どちらも冷凍してから皮を剥いた栗。包丁ありだと面取りができるので、表面はツヤッときれいに仕上がります。しかし、渋皮と一緒に実を削ってしまっているぶん、大きさはやや小さめです。
一方、包丁なしは実を削ることがなく、栗を大きいまま残せます。ただし、表面の細かい凹凸が残るので、見た目の美しさは包丁ありに及びません。
使用する料理やシーンに合わせて使い分けてください。
【栗の剥き方比較】 水 vs 冷凍 vs 圧力鍋
栗の剥き方にはさまざまな方法があり、剥き方によってかかる時間やメリット・デメリットが異なります。本記事では、水、冷凍、圧力鍋の3パターンを検証・比較しました。自分に合った剥き方を見つけるための参考にしてくださいね。
剥き方 / かかる時間
水に浸ける / トータル:1時間35分水に浸ける時間:1時間剥く作業:35分
冷凍する / トータル:13時間15分水に浸ける時間:1時間冷凍時間:12時間剥く作業:15分
圧力鍋を使う / トータル:1時間25分お湯に浸ける時間:1時間圧力鍋で煮る時間:10分剥く作業:15分
〈水に浸ける〉
・メリット
特別な道具なし、下準備の手間が少ない、調理に使いやすい
・デメリット
皮剥きに力がいる、きれいに剥くのがむずかしい、すぐ食べられない
〈冷凍する〉
・メリット
スムーズに剥ける(渋皮は手で剥ける)、きれいな形に仕上がる
・デメリット
冷凍に半日かかる、大量に処理する際は冷凍庫にスペースが必要
〈圧力鍋を使う〉
・メリット
実までほくほく、すぐに食べられる、短時間で剥ける
・デメリット
圧力鍋が必要、実が崩れる可能性、炊いたり煮たりの調理に使いづらい
素材を傷ませない。水に浸ける栗の剥き方
まず、栗をよく洗い1時間ほど水に浸けます。
栗の底、ザラザラした部分に包丁を入れ、鬼皮を剥きます。水に浸して皮が少しやわらかくなっているので、刃が入ってしまえばするっと剥けますよ。
鬼皮が剥けたら、今度は渋皮です。栗のてっぺんに刃を入れ、側面、底と栗を一周するように刃を進めます。最後に、平らな面とぷっくりした面に残った皮を剥いたら完成です。
水に浸ける剥き方のメリットは、準備に手間がかからないこと。
さらに、栗を生のまま処理できるのもうれしいポイントです。栗料理のなかには、生栗から調理したほうがいい場合と、ゆで栗を使ったほうがいい場合があります。生栗の状態で皮を剥いておけば両方に対応できるので、処理後にいろんな使い方ができますよ。
一方、火が入らないぶん皮を剥く際に力がいるのがデメリットです。きれいな形に剥くのもむずかしく、初めての方は苦戦するかもしれません。じゃがいもの皮剥きと同じで、何個かやっていくうちにきれいに剥けるようになるため、時間がある方はぜひチャレンジしてみてください。
また、栗は滑りやすいのでケガには十分注意しましょう。指サックや軍手をつけて作業するのがおすすめです。
一番時間短縮になる。圧力鍋を使う栗の剥き方
圧力鍋を使う方法は、水に浸けたり冷凍したりするより短い時間でできるので、スピード感重視の方におすすめ。
まず、よく洗った栗を熱湯に1時間浸けます。時間になったら栗をお湯からあげ、頭の部分にハサミで十字の切り込みを入れてください。これで栗の下準備は完了です。
圧力鍋を用意し、栗と水を入れます。水は栗が浸るくらいまで入れましょう。そして、蓋をして中火にかけ、圧がかかったら火を弱めて10分加圧します。
時間はかかりますが、もちろん普通の鍋でも代用可能です。圧力鍋は一般的な鍋の1/3の時間で調理できるため、3倍の30分ゆでます。今回は土鍋を使用してみましたが問題なく剥けました!
栗がゆであがったら粗熱をとり、包丁を使って鬼皮を剥きます。ゆでる前に入れた切り込みに包丁を引っかけて皮をはぐようにするのがコツ。
渋皮も実から離れやすくなっているので、包丁を使わず手でも剥けます。
圧力鍋を使って栗の皮を剥く際は、栗が冷めないうちに作業をしてください。栗が冷めてしまうと皮が剥きづらくなります。皮剥きを始めるまでは、栗を圧力鍋の中に入れておき、できるだけ温かい状態で皮を剥きましょう。軍手をして作業すると熱さがやわらぎます。
味や食感の違いはある?
冷凍(お湯につける剥き方と鍋で煮る剥き方)、水、圧力鍋、計4種類の剥き方
剥きやすさだけでなく、味にも変化が出るのか気になったので、すべて火を通してから味を比較してみました。
各剥き方の特徴や、向いている料理もまとめているので、用途に合った剥き方を探してみてください。
冷凍する剥き方
冷凍する剥き方は、きれいに剥けるのが一番のメリット。半日冷凍するので、ほかの剥き方に比べて時間はかかりますが、剥きやすさや仕上がりのきれいさを重視したい方におすすめです。
「冷凍したら食感が変になりそう……」と不安でしたが、どちらも問題なく、おいしく食べられました。
冷凍後はお湯に浸けたり煮たりしますが、なかの栗は生、あるいは半生状態です。料理に使う際は、必ず加熱調理をしましょう。
向いているシーン / ・形をきれいに残して剥きたいとき・子どもと一緒に作業したいとき・スピーディーに剥きたいとき
おすすめ料理 / 栗ご飯、栗の渋皮煮など
水に浸ける剥き方
水に浸ける剥き方は、時間と力、コツを掴む必要はあり。包丁の扱いに慣れている方向けです。面取りがうまくいかないとボロボロになってしまうので、不安な方は別の方法を推奨します。
味に関しては、火が入りすぎたり傷みが少なかったりするため、素材の味が一番フレッシュに感じられますよ。
また、栗を生の状態からほかの食材と調理ができるため、栗の風味が料理全体に行きわたって統一感のある仕上がりになります。
向いているシーン / ・時間があるとき・量が多く鍋で処理しきれないとき・生栗を料理に使いたいとき
おすすめ料理 / 栗ご飯、栗入りの煮物、栗の甘露煮など
圧力鍋を使う剥き方
工程簡単、作業時間も短くて済む圧力鍋を使う剥き方。皮が剥きやすくなるだけでなく実もやわらかくなります。ほくほくとした食感でおいしく仕上がっていたので、そのまますぐ食べたい方には圧力鍋を推したいところ。
あとは、栗をつぶして使う料理にも向いています。火が割と入ってしまうので、ご飯に混ぜたい場合は一緒に炊くのではなく、あと入れがおすすめです。
向いているシーン / ・皮を剥いてすぐに食べたいとき・栗をつぶして使いたいとき
おすすめ料理 / 栗のまぜご飯、栗きんとん
いろいろな剥き方を知っておくと便利!
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
※本記事は個人の感想に基づいたもので、感じ方には個人差があります。
ライター:夏目ミノリ(webライター / 斧を使う薪割り女子 / 製菓衛生師 / 調理師)