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親子で餅つき 小正月の風習「豆っこ木」も 栗林小PTA父親部 地域の伝統を次世代につなぐ

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 釜石市の栗林小PTA(栗澤敬太会長)が主催する親子餅つき大会が1日、栗林町の栗橋地区基幹集落センターで開かれた。同校PTAが長年受け継ぐ小正月にちなんだ行事。児童とその家族ら約40人が参加し、昔ながらの臼と杵(きね)での餅つきを楽しんだ。五穀豊穣や無病息災を祈る「豆っこ木」の風習も体験。親子で地域の伝統文化に親しんだ。

 同行事はPTA父親部の企画で毎年この時期に行われる。今年は地元農家からもち米6升を提供してもらった。大きな臼と杵も地域住民から借りたもの。もち米を水に浸すなど、前日から父親部が準備し当日を迎えた。米が蒸し上がるまでの間、児童らは「もち米から餅を作るにはどんな準備が必要か」を教わった。

蒸し上がったもち米を試食する栗林小の児童。「お味は?」


 蒸し上がったもち米が調理室から運ばれてくると、児童らはちょっとだけ味見。「かんでいたら甘くなってきた」と普段味わうことのない味覚に笑顔を広げた。いよいよ餅つきの開始。低学年から順番に杵を振るった。父親たちから持ち方や振り下ろし方を教わり、力を込めてついた。周りからは「よいしょー、よいしょー」と大きな掛け声が…。つき手と合いの手を親子で務め、見事なコンビネーションを見せる場面もあった。

子どもたちがつきやすいよう、最初はお父さんたちが下準備


「お父さん、かっこいいー!」笑顔で見守る児童ら


いよいよ子どもたちの出番。低学年はお父さんたちに手を添えてもらい杵を振るう


だんだんと餅に仕上がっていく様子に顔がほころぶ


つき手と合いの手、息の合った動作を見せる親子


 ついた餅の一部は、小さくちぎってコゴメウツギの枝に飾り付けた。これは地元で「豆っこ木」と呼ばれるもので、稲穂に見立て米の豊作を願う小正月の風習。古くから各家庭で行われてきたが、時代の変化とともに行う家庭も少なくなってきている。餅の花が咲いた木はしばらく学校に飾るという。

コゴメウツギの枝を餅で飾る「豆っこ木」。豊作を願う地元の風習



 同行事は新型コロナウイルス感染症の影響で3年間休止後、昨年から再開。コロナ禍前までは小麦や米粉の団子を作ったり、みんなでつきたての餅を味わう会食なども行っていたが、再開後はインフルエンザなどの感染防止のため規模を縮小。ついた餅は家庭に持ち帰って食べる形に変更した。児童らはこの日、ついた餅を包丁で切り分ける作業も体験した。

のし餅を包丁で切り分ける作業も人気。同じぐらいの幅になるよう考えながら…


 1年の伊藤晴喜さんは「最初にイメージトレーニングをしていたけど、餅の真ん中目がけて(杵を)下ろすのが難しかった。3~4回ぐらいうまくいった」とにっこり。同じく1年の葛西陽菜さんは「餅を切るのが楽しかった。餅はしょうゆ味と(焼き)のりを巻いたのが好き。早く食べたい」と心待ちにした。同行事は2回目という5年の栗澤煌生さんは「栗林に伝わる豆っこ木の風習は、じいちゃんから聞いていた。家ではこういう餅つきはしないので、お父さんたちが準備してくれてできるのはありがたい」と感謝した。

 父親部の伊藤健部長(43)は「餅つき自体、そんなに経験することがないので、子どもたちはすごく楽しそう。核家族化が進み、地域の伝統をつないでいこうとする家庭も減っている。私たち親世代もこういう機会がないとなかなかね…」と同行事の価値を実感する。

餅の仕上げはお父さんたちが担当。子どもたちにおいしく食べてもらおうと力を発揮


楽しい時間を過ごし、満面の笑みを広げる児童ら


 栗林小PTAは歴代の活動を継承。父親部は夏の川遊びと冬の餅つき、母親部は廃油で作ったせっけんの地域販売を行ってきたほか、地域の協力で歴史学習や郷土芸能の伝承に取り組むなど、学校、家庭、地域一体の活動で児童の健全育成に努めてきた。2017年度にはそうした実績が認められ、「優良PTA文部科学大臣表彰」を受賞している。

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